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雪の色 青い

雪が三日降り続いている。12月の中頃の降りはじめに1m、年末に1m、1月7日から1m、20日ごろから1mと降って、あいだに雨や晴れもあって、2m程度の圧雪になっていた。そこに来て、この雪だ。3mの除雪の目印のポールも埋もれた。屋根に雪が届いてしまうと、陽光が取れず、暗い。ほっておくと、雪が締まって手におえなくなりそうなので、ふったら、掘る、の繰り返しだ。実際埋まり始めて、この家の様子が大分わかってきた。家の周囲の土木ともいえる地形や水の流れが、融雪の仕組みになっている。200年間この場所にいる生き物に見えてくる。雪があって初めて意味が分かる建物、家。

昨日、藍をうるかしていたのをみると、柔らかくなっていた。行平鍋一杯の灰汁を温め、スクモに加える。表面に水面が少し顔を覗かせる程度だ。洗った長靴で、甕に入る。最初は、空気があるのでブス、バスと長靴を抜くたびにしている音が、すこしずつ、ンチャっという音が入るようになって、段々まとまりがよくなってくる。かなりの時間踏んでいる。その間、灰汁って不思議だなと思っていた。草鞋編みが得意なサブちゃんという御爺さんは、なぜか灰を炒ることを知っていた。サブちゃんは、灰をかき混ぜているヘラで、灰を十字に切って、角が残れば出来たっていっていた。灰汁は、けっこうぬめりがある。多分手のひらが溶けているんだと思うんだけど、触り心地が不思議である。木が燃えて灰になり、水に溶け出たものって、いったい木のなんなんだろう。もしかしたら、その土地の地質のあらわれを、触っていることなんじゃないかって思った。

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