組み、解き、運ぶ炉 ヒスロム、広島

ヒスロムが広島現代美術館の改装中に、何かやるらしい。

改装中の休みの日に、ヒスロムが工事現場となっている広島現代美術館に通い、旧館から出た、廃材を溶かす。通えば時間や人間との重なりが何かになっていくんだろうと、思った。

炉を作る

久しぶりに電話をしたら、ガラスを溶かしたいとヒスロムは思っていた。(正確にはガラスは溶けるとは言わないらしいが、正確な文を書けないので、溶けると書くことにする)それが、2021年の11月だった。2019年にIn-Field Studio大玉に参加して初めて鋳造炉を作り、コークスに初めて触れた。炉をつくらないと、うまく燃えないところが、木と違うなと思った。

コークスは化石燃料だ。木を蒸し焼きにすると、炭。石炭を蒸し焼きにするとコークスらしい。石炭は、植物の化石らしい。そういえばインド、シャンティニケタンで、泥染めで遊んでいた時に、たよが炭みたいな中から珪化木を掘り出したっけ。シャンティニケタンのケラダンガ村の人たちは、珪化木を家の基礎にしていた。

化石を燃やすってすごいことだ。車走らせている時には、気づかない様になっているけど、このこと目の前で感じれるのは、小さいコークス炉の一つの役割だなと、炉づくりに際して心にとめた。

どのくらいの量をガラスを溶かすの?とヒスロムに聞くと「いっぱいあんねん」

そんなむちゃな、というと、「最初は試してみて、遊んでみて、それから」

と、聞いて安心する。最初に用意されていたルツボはすごく小さくて、驚いた。ことがらの刻み方が丁寧だなと思った。

高温の炉の中に素材を入れる器をルツボという。ルツボの素材もいろいろあって、それなりに高い。小さいとそれでも安い。そして、小さいものを温めるには、小さな炉に、少しの燃料で足りる。知らないことを始める時には、妥当な判断だ。

ルツボは、食器と同じように、大体丸いので、炉の形も丸いといいなと思った。丸は作るのが難しいので、8角形にしようと炉の設計を始めた。

8角形は、描きなれていないから、うまく形がとれない。不思議だが、うまく描けない。この感覚は、手描きの楽しさだなと思い。この辺からヒスロムとやった方が、ヒスロムのやり方だよなとも思いつつ。止まらない鉛筆とボールペン。知床から綾部へむかうの船の中。

8角形は、4角形を一つ描いて、首を傾ける程度に回転させてもう一つ描くとうまく描ける。角を結べば大きな8角形。その中にももう一つの8角形。一気に2つ描ける。

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