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イヤホンが車に引かれた

みなさんこんにちは。

みなさんは自分のイヤホンが車に引かれたことありますか??

僕はあります。

先日バイト先まで走っていた時のことでした。

その日は絶対に間に合うスケジュールだったのに
絶対にそのタイミングで見る必要がないブレイキングダウンの切り抜きを見ていたせいでギリギリバイトに間に合わないくらいの時間に家を出ることになりました。
だから走りました。
僕はバイト先までの3キロくらいの道のりを歩いて通っています。
歩くのが好きだからです。
でも急いでるこの日のようなときはところどころ走ります。
走ることによって間に合わせます。

何回か「今回こそは間に合わないかも」みたいな日があります。
そんな日を何回か経験すると加速する道と減速する道が大体決まってきます。
「ここは存分に加速しよう」
「ここは加速してもどうせ信号待ちがあるから減速して体力を温存しよう」
とか。
「信号って毎日同じ時間に規則正しく動いてるんだなぁ」
とか。

こんな長距離選手みたいな脳の使い方をしてバイトに行っています。


その日も絶望的な時間に家を出て、すぐに加速してました。
そしたらその日の加速力は、それはもう青学の原晋監督が信頼するに値するような、まさに風になったかのような、そんな走りでした。

ぐんぐん加速していく、マリオカートのオレンジのパネルを踏み続けているかのような。

マリオカートのオレンジのパネル


そんな加速がついたもんだから僕も調子に乗っちゃって
いつもは絶対に赤信号をくらっちゃう場所で
青から点滅になるタイミングで渡り切れちゃったんです。走って。
そこで事件は起きました。

僕の左耳からワイヤレスイヤホンが脱落したのです。

「しまっ・・・」

まずいと思った時にはイヤホンは地面に落ち
僕も走っていたもんだから慣性の法則かなにかでバウンドして
車が走り始めている道路に飛び出してしまったのです!!!!

一瞬、本当に一瞬。時間にして0.001秒に満たない、それくらい一瞬。
「道路に飛び出してイヤホンを拾いたい」と
そう思ってしまいました。

だってそうじゃないですか。
イヤホンて常日頃から自分の肌に密着してるランキングトップ3には入りますよ!
愛着がないわけないし、
あと普通に高いし。

でもここで道路に飛び出して
車に轢かれる方が高くつくと思って
身を引きました。

ごめん、イヤホン。

もう僕は

君が轢かれないことを祈ることしかできない。

自分は無力だ。

この親子くらい無力で祈ることしかできない。

母は媚びた笑顔でこちらに助けを求め、娘は本能のままに寒がっています。


佐野の尊い祈りもお構いなしといったテンションで
道路に落下した僕の左耳イヤホンはいつ踏まれてもおかしくないスレスレのラインを車が通りすぎていきます。

赤い車、青い車、白い車、色とりどりの車が僕を煽るように、弄ぶように僕のイヤホンをギリギリ踏まない運転を続けてきました。

そして、その時は訪れました。

少しだけ歩道側に寄って走ってきてる白い車を視認。

たぶん・・・このままあの車が走ってくると・・・

轢かれる!!!!

くそ・・・ここまでか・・・

着々と近づく白い車。

奇遇にもイヤホンの色も白。

うぉーーー!!!!

車とイヤホン、二つの白が・・・・

重なった!!!!

そう!!ついに!!

僕のイヤホンが車に轢かれたのだ!!!

轢かれた!!

と思った刹那!!

イヤホンはピョーーーン!!!と

弾け飛んだ!!!

「弾け飛んだ!!!!????」

僕は思わず叫んでしまった!!!!

てっきり、グシャッて音を立てて潰されると思ってたのに
弾け飛んだ?!?!

そう!
つまりタイヤの端の方でイヤホンを踏んだということで

偏った圧力によってイヤホンは潰されることではなく爆ぜる運命を辿ったのです。

そして弾け飛んだイヤホンは縁石に叩きつけられ

道路に居たころよりも僕の身体に近づいた形になりました。

こうなったらもうイヤホンを救助しにいかない手はありません。

「ヒヤホン!!!!(左耳のイヤホンの略)」と叫びながら僕は走りました!!!

現状の法律では今起こったことを「轢き逃げ」にできないという日本の司法の窮屈さを嘆きながらも、僕はイヤホンのもとへ走ったのです!!

イヤホンは今しがた轢かれたとは思えない綺麗な顔をしていました。

悲しんでる暇なんてありません。

すぐに耳に取り付け

ケータイから音楽を流してみると・・・・

「ぎ~~~んの りゅ~~~の!背に~~のぉて~~~!!」

中島みゆきの力強い歌声が聞こえるではありませんか!!!!

綺麗な顔してるだろ?死んでないんだぜ?!!?


そんなことがあり

僕のイヤホンは車に轢かれながらも無事でいてくれました。
なんなら轢かれる前より音質が良くなったような気もします。


そして

こんなことをしていたもんだから

バイトは遅刻しました。


おしまい。

みなさんからのサポートで自分磨いて幸せ掴むぞ♪