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ミクロな世界〜小麦の都合、人間の都合

今まさに、入熟中の小麦の穂。
ルーペ片手に迫ってみる。

小麦らしい特徴と言えば
この「毛」だろうか。
芒(のげ、のぎ)と言う。

芒の短い方は「きたほなみ」、長い方は「ゆめちから」

小麦だけでなく
イネ科全体の特徴。
触るとザラザラしている。
「返し」が付いているのだ。

その役割は
・鳥獣による食害から種子を守るため
・動物の毛に絡まって種子を拡散してもらうため
小麦の戦略だ。

でも実は、人間側の都合から言うと
播種時、収穫時、保存時。。。
長い芒は邪魔なのだ。

栽培化の過程の中で、「芒がない」ものへと
数千年かけて、少しずつ少しずつ、品種改良してきた。
※芒が長いものが全て、古い品種である
ってわけではないのでご注意を。

と、芒をざらざら触っていたら「品種改良」が気になってきた。
「小麦の新品種ができるまで〜一般社団法人 北海道米麦改良協会(平成29年6月)」
https://hokkaido-nosan.or.jp/manager/wp-content/uploads/2020/02/h29_shinhinsyu.pdf

”母親となる穂”の雄しべを刈って、別品種の花粉をつける
約120の組み合わせから、品種改良開始

種子が混ざらないように、人の手で丁寧に栽培する…
実際にうどんやお菓子を作って”食味”も見る!
現地(畑)で実際に3年以上栽培する、こともする…

どんどんどんどん、選別されて、ふるいにかけられ…
「北海道優良品種認定委員会」の厳しい選定をクリアし
さらに、2年程の種を採るための栽培…
やっとやっと、一般栽培が開始される。

その年月、約15年!!!

「新しい品種」なんて一言で片付けられない。。。。
コツコツ根気が、すごすぎる。。。

芒を短くするのに「数千年」かかった!のに
大きくウンウンうなずいてしまった。

今日はここまで。

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