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一生戦っていく病気の話。

今回は、私自身がバンド活動から離れる理由のひとつとなった病気のことについてお話したいと思います。
病名や病状を明らかにしていなかったので、勿体ぶっていると思われた方もいらっしゃるかもしれません。
バンドから離れるお知らせをした時や先日のライブで詳細をお話しなかったのは、きちんと説明しないと誤解を招く可能性があったためと、私自身が病気のことをまだ受け入れられていなかったからです。

早速本題に入ります。
私は1ヶ月程前に「1型糖尿病」と診断されました。
インスリン治療をしなければ生きることができず、かと言って治療をしても治ることもありません。
その一方で自己管理が上手くいっていれば、基本的には生活に制限はありません。

糖尿病は大きくは1型と2型の2種類に分けられ、一般的に知られている生活習慣が要因の一つとなるものは2型です。
1型は小児発症が多いと言われていますが年齢・性別・生活習慣や体型などに関わらずほとんどが突然原因不明で発症し、主に自己免疫のエラーで自分自身で膵臓の細胞を攻撃・破壊してしまいインスリンを分泌できなくなってしまう自己免疫疾患です(自己免疫性ではない1型糖尿病もあります)
インスリンを出せないため血糖値を下げられなくなってしまい、治療をしないと生命の危機に至ります。
また、基本的には根治や寛解はできず一生外からインスリンを補う必要があります(臓器移植等の治療法も存在はするようです)
2型も必ずしも生活習慣だけが原因ではなく遺伝的な体質等が原因にもなるそうなのですが、2型の予防や治療が食事・運動療法や経口薬が基本となる一方、1型の場合は食事や運動に気をつけたところで治りもしないし発症を予防できるわけでもありません。
発症自体も原因不明のため、発症しないように気をつけるということも一切できないのです。

私は今年の年明け過ぎ頃から体調が悪いことを自覚していたのですが、後から考えると1ヶ月半程は頑張って我慢してしまい、2月後半にクリニックを受診した時点でケトーシスという危険な状態になってしまっていました。
ケトーシスというのはインスリンが分泌されないために身体が糖分を使うことができず脂肪を分解してなんとか身体を動かしている状態で、私の場合も変に痩せてしまった上筋肉もだいぶ落ちてしまい駅の階段が登れないほど体力も落ちていました。

現在は既にインスリン治療をしており10日程入院もして、体調や体力は回復しています。
ライブも本当に楽しくできたし。
ただ、病気のことを受け入れられたのかといえばそうでもありません。

これから死ぬまでずっとインスリン治療をしなければいけない。
いつ低血糖、高血糖で倒れるかもしれない。
合併症が起こるかもしれない。
傷が治りにくい、感染症に罹りやすく重症化しやすいという不安。
そして親や仲間や友達、関わってくれている人たちにもショックを与えてしまうだろうし、きっと迷惑もかけてしまうという悲しさと悔しさ。

血糖値のコントロールが上手くいけば健康な身体と変わらない生活ができると理解していても、明るい気持ちにはなれませんでした。
1型糖尿病だと診断された時も、夜寝る前に色々考えている時も、メソメソ泣きました。大人なのに笑
入院中は1日4回の指先穿刺での血糖値測定をしており、どうして楽器を弾くのに大切な指先に何度も針を刺して血を出さなければいけないんだろうと、悲しくなりました。
インスリンは1日に4本お腹に注射しており、刺す時に痛いこともあるし内出血になることもあるし、針の跡もたくさん残っています。
インスリンの副作用かわかりませんが、治療開始してからずっと浮腫んでいたり、肌もより敏感になっていて痒みがあることが多いです。
それでもインスリン注射をしなければ血糖値のコントロールが全くできず生きていられないから、
それが体調の悪さとしてきちんと現れてしまうから、
本当は認めたくなかったけど、現実と向き合うしかありませんでした。

更に、インスリンを注射しているからといって思った通りに血糖値が安定してくれるわけではありません。
予想以上に高くなってしまうことも、逆に低くなってしまうこともあり、どちらにしても不安がつきまといます。
私はまだ発症して間もないこともあり自分の血糖値変動のパターンも掴めておらず、治療開始してから外食をしたことも長時間出掛けたこともなかったため3/24のライブの日もとても不安でした。
結果としては体調に問題もなく、一日通して元気に過ごすことができたので本当に良かったなと思っています。
ですが、やはり今の私はとてもバンド活動を続けていける状態ではないと改めて体感してしまったことも事実です。
「その日の体調」どころか時間単位で体調が変動するため、スタジオ中や、まして本番中に低血糖で倒れたら?
特にライブの日はなかなか食事を摂れる時間がなかったり、インスリン注射ができる場所がなかったりする可能性もある。
バンド活動自体がライブ以外のことも含めて不定期になりがちなため、やはり今の私にはバンド活動は難しいなと感じています。

でも今は思い通りのことをできなくても、1型糖尿病だから何かを諦めなければいけないことは無いと思っています。
そのために、自分の血糖値変動のパターンを掴めるように、上手くコントロールしていけるようになりたい。
よく1型糖尿病は「一生付き合っていかなければいけない病気」だと言われます。
実際私も先生や看護師さんにもそのように言われました。
一生治療や自己管理が必要な病気なので、もちろんそれは正しいです。
だけど私は、なんで「付き合っていく」なんて平和的にならないといけないんだよと思っています。
インスリンが発見されて100年経つそうで、医療の発達は本当に目覚ましく、インスリン治療によって生活ができることは本当に有り難いことです。
ですがやはり今の私にとっては1型糖尿病は「戦っていく」ものであり、あらゆる不安に負けずに生きていかなければならないものです。
いっそ、自分の行動などが原因で発症したなら仕方ないと受け入れられたかもしれない。
でも発症してしまった以上、受け入れ難くてももう戦っていくしかない。

同じ1型糖尿病でも個人差が大きく、コントロールが上手くいく場合もあれば厳しく自己管理をしても難しい場合もあるそうです。
小児発症と成人発症でも環境が異なったり自己管理の難しさなども変わるとも思います。
どんな病気でも同じだと思いますが、自分はこうだから他の患者さんも同じとはならないけれど、
私自身の今後の長い人生のための記録として、
その時その時の気持ちの記録として、
いつ誰が発症するかわからない病気だからこそ、ここに残していきたいと思います。

1型糖尿病でも何も制限なんてない、とは今の私にはまだ思えていないけど、いつかそう思える日が来たら良いなとも思っています。
元々メンタルもそんなに強くはないので泣き言を言いたくなってしまうことも多々あると思うし、ネガティブになってしまうこともあると思うけれど、それも記録のひとつとしていきたい。
noteでは病気のことについての記事が多くなると思いますが、もし引き続き読んでいただけたら、少しでも誰かの参考などになれれば幸いです。
私も日々の記録を綴ることで、病気と向き合って先に進んでいきたいと思っています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回以降で病状や検査結果等も記事にしていきます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。


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