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【SAKE(日本酒)x NOMY(学) 】ドメーヌがアッサンブラージュしてテロワールがマリアージュ【仙禽】

栃木県さくらの市にある、株式会社せんきんさん。初めて飲んだのは確か3年前くらいで「モダン仙禽 無垢」だったと思うのですが、その時から「他とはちょっと違う酒蔵さんだな」と思っていました。このラベルは「モダン仙禽 亀ノ尾」ですが、

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ドメーヌ。

一行目からこの破壊力。当時もいや、ドメーヌって何…?って調べたのですが、

ドメーヌ (フランス語: domaine) は、フランス語で区画・領域・領地などを表すことばである。英語のドメインと同じ語源の単語で、フランスでは、コンピュータ・インターネット用語のドメイン、生物分類学、数学、経営学などの用語として、英語のドメインと全く同じ使い方をされている。
Wikipediaより


いやどういうことよ。

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癖の漢字が間違ってるのはさておき、当時(2018/5/2)の私も「ドメーヌ。」の一言にやられていました。あとはアッサンブラージュという単語もよく使っていらっしゃって、いや、何語よ…と思っていました(フランス語だった)

ドメーヌやアッサンブラージュって何ー!?って思ったので、株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANYさん主催の「SAKE(日本酒)x NOMY(学) VOL.4」に参加して、オンラインで仙禽11代目薄井一樹さんのお話を拝聴しました!


イベント当日までに仙禽さんから3本のお酒が送られてきており、当日はそれを順番に開けて飲みながら1時間半お話を聞くスタイル。質問はチャットで飛ばしておくと、向こうが選んだら読まれる感じ。こちらからは薄井さんとモデレーターの緑川静香さんが見えるのみで、他の参加者の方は全く見えないスタイルのzoomでした。


3種類のお酒

開始して早速1本目を開封。乾杯の時に、JAPAN CRAFT SAKE COMPANYの代表取締役である中田英寿さんも顔を出されました。思わずスクショしてしまいました(ここには貼りませんが)

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【1本目】醸

2018年度のSAKE COMPETITIONのSUPER PREMIUM部門で第一位を取ったお酒です。仙禽は薄井さんの弟さんが杜氏をされているそうですが、この賞を取った時に電話したところ、男泣きをしていたとか…!「兄弟ですけどパートナーなので、酒蔵の中では兄弟感は出さないんですよ」とおっしゃってましたが、兄弟で勝ち取った栄光だな…と思いぐっとくるエピソードでした。

仙禽さんは3種類の酒造好適米を使用しているそうで、このお酒も「山田錦」「亀ノ尾」「雄町」で作ったお酒をアッサンブラージュして造っているのだとか。はい!出ました、「アッサンブラージュ」!!

アッサンブラージュとはつまりは「ブレンド」という意味だそう。それぞれのお米の良いところを活かすようにブレンドする、それがアッサンブラージュ。

ドメーヌ化したお酒を毎年違う割合でアッサンブラージュしてお酒を造っているそうです。はい!次、「ドメーヌ化」!!

今でこそ、酒造好適米を自社栽培する蔵元さんも増えていますが、薄井さんがワインソムリエから、仙禽に入った時は、酒造好適米は他の県から取り寄せることが当たり前でした。しかし、「その土地の水とその水で作った米を使って日本酒醸した方が絶対的に良いのでは??」と思い、酒造好適米作りから、日本酒醸造までを同じ土地ですることを始めたそうです。そう、それが米のドメーヌ化。日本語だとうまく言語化できない気もするので、合ってた、ドメーヌ化という表現になるわ、うん。


【2本目】NATURE(ナチュール)

2本目を飲みながらアカデミックながらも、わかりやすい話は続きます。仙禽の特徴として、出来上がったら即瓶詰めし、翌日火入れも行い、なるべく空気との接触を最小限にするように努めているそうです。「第二の酒造りと言っています。いかに鮮度高く、負荷をかけずに瓶詰めをするかに気を遣っています。」だそうで。

熟成させるのは瓶詰めをしてからなんだそうで、仙禽のお酒は開けた時に「ポンッ」となることも多いのですが、これは鮮度が良いからなんだとか。確かに今回届いたお酒も「ポンッ」と開きました。

またこのお酒は生酛造りという伝統的な造り方をしているのですが、「酛すり」という酵母を作るための行程があり、実際に動画で見せてくださったのですが、普段は事務員などをしている人たちが酛すりを行っていました!蔵人さんや杜氏さんだけなく、「古くて新しいものづくり」をかかげる仙禽として日本酒の製造工程を身をもって知ってもらうため…というようなことを言っておられました(若干表現は違うかも)

酛すりの動画内では仕込み唄というリズムを合わせるための曲もかかってましたが、薄井さんは「別にポップスとかでもいいと思います。安室ちゃんとかかけたいですね」とおっしゃってました。斬新。


【3本目】幻の銀水晶

こちらはまだ発売前らしいのですが、なんとバーボン樽で熟成させた日本酒で、確かにめちゃくちゃ樽のいい匂いがしました。仙禽さんの蔵では、他にシェリー樽とかワイン樽、ニッカウィスキーの樽もあるんだとか…3本の中では一番重厚な味わいがしました。


3本ともおススメの料理の系統やグラスの形を教えてくださったのですが、またゆっくり飲んで感想書こうと思っているので、その時にでも。

こぼれ話

■薄井さんはワインソムリエの田崎信也さんが優勝している映像を見て、「こんなにかっこいい世界があるのか」と憧れ、ワインソムリエに。
■好きなワインはアルザスワイン
■実家(仙禽)を継ぐ前、日本酒は美味しいものだと思っていなかったが、天ぷら屋さんで飲んだ日本酒が美味しく、日本酒に対する価値観が変わった。その時飲んだ日本酒は「飛露喜 特別純米」
■なので年1回は「飛露喜」を飲んでいる
■弟さんも実家を継ぐ気はなかったが「俺らの実家がやばいぞ!」と説得し、蔵に入ってもらった。が、2人とも日本酒醸造の知識はなかったので、手探りで造っていた。
■最近はzoom飲みをよくする。新政の佐藤さん、而今の大西さん。パジャマですぐ寝れる体制で飲み始めるが、5時間くらい飲んでいたりする。大体佐藤さんが寝てしまい、大西さんとさし飲みになるが大西さんは先輩なので薄井さんから切り上げられない


と長くなりましたが、むちゃくちゃ勉強になりましたし、蔵元さんのお茶目な一面が見れたの最高でした。ので、またこういうセミナー受けたいなと思いました。大★満★足!薄井さん、緑川さん、ありがとうございました。タイトルは詰め込みすぎたと思って反省してます(直さない)


参考リンク

株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY
株式会社せんきん
SAKECOMPETITION
テロワール(Wikipedia)
マリアージュ(Wikipedia)
酛すり(大七さんのページがわかりやすかったです、仙禽さんのWEBサイトのTOPにもちらっと写真載っています)
アルザスワイン

「スキ」のリアクションだけでも大変ありがたく思っております。