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[星街すいせい] 褪せたハナミドリ。オタク的欺瞞と葛藤

どうもこんにちは、かのんと申します

今回は「星街すいせいさんの楽曲、褪せたハナミドリ」について

この曲のストーリーは非常に分かりやすいです。
それは、いざ決心して恋人関係を築いたものの、それに対して「本当にそれでいいのか」「私の求めていたものはこんなものなのか」という葛藤を表しつつ、それまで抱いてきた欲求に抗えない虚しさを感じる詩曲となってます。

冒頭から「恋に恋にしているあの子が、口ずさんだ流行りの曲」というフレーズから始まります。この時点で歌い手がこの関係に心から納得していない。どこかもやもやした感情を抱いていることが象徴されます。

この恋は明らかに自分の人生を俯瞰して求めているものではないけれど、この本能的な欲求に抗えず、刹那的にに付き合っている。でもどうしても心の奥底から求めていたものではないと、直感的に理解はしている。

けれどもそれを表現するには自身の語彙が足りなすぎてありきたりな言葉にしか落とし込めない。それこそ昨今の youtube music のように。

そんな厄介なオタク的心情が現れていると感じています。

そしてこの曲のサビである印象的なフレーズとして「どうせ、叶わぬ〇〇、ラブソングなんて嫌いだ」と繰り返します

ここまでくると、もはや相手とのコミュニケーションを放棄している。自分んとの会話でしかありません。その自己中心的なところが拭いたいけれどもこういう考えでしか生きていないオタク心に、どうしても刺さってしまうのです。

ピュアな心はラブソングを欲している。それこそ幼少期から描いてきた幻想を基に。これが社会的に、人間的におかしいと分かっているけども。これまでの価値観を捨てられない。世の中的にとっくに卒業している概念に縛り付いている。そんな自虐的要素を感じざるを得ません。

それこそ、いろんなアニメを接種し、数多の美少女ゲームを接種してきた私にとって、ここの歌詞がダイレクトに響いてきてしまいます。

さらに、この楽曲の惹かれる点として、聞き手に対して何も解答を与えていないところにあると思います。

ラスサビに「未来永劫訪れないセカイなら、その手でいっそ止めて」と謳って〆る。

これは、拗らせたオタクが一番キライな自虐的承認肯定であり、反射的に、直感的に抗ってしまいます

そんな他人からの環境で自己が決定されることを許さない。赦してはいけない。そんな気持ち悪い思考が見えてとても良い〆だと思っています。

常に世の中に疑問を呈しざるを得ない。私はこの葛藤と闘っている。君をどう?類友でしょ?とダイレクトに聴いてくる感じ、バラードに見せかけてロックむき出しの歌詞に共感してしまいます。

私はそれに対する答えはまだ見いだせていません。抗い続けたいけど、これからの人生を考えるとどうすれば良いのだろう。タイトルにあるハナミドリの殻を破れるような、そんな道を歩んでいきたいものです


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