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朝さんぽ

3日ぶりに外に出た。

気まぐれで新聞を取りに立つと、ふいに行けそうな気がしたので財布とエコバッグを掴んだ。


朝さんぽに出るといつも学生の頃を思い出す。高校卒業までの14年間、同じ景色を繰り返した。自分だけ学生の頃から何も進んでないように感じ、苦しくなる。


ここ1週間ほど気分の落ち込みがひどく、400m先のコンビニすら行けなかった。

考えてみればあのコンビニはちょうどいい距離にある。本当にしんどい時は行けないけど、ちょっと良くなればなんとか行ける。
体調のものさしになる。


グミとハムカツサンドを買って、行きとは別のルートで帰った。我慢できなくてグミを食べながら歩く。
こんな時間に食べ歩きも変だなと思う。でも身体が軽くてうれしい。


日中はあんなに暑いのに朝は風が涼しい。まだ太陽は建物の陰に隠れているのに、コスモスには間を縫うように日が差している。
眩しさに耐えられず素通りした。


猫に会った。初めて見る茶色のぶち模様。餌をあげてたおばさんと立ち話になる。途中で、この人前にも話したことあるなと気づく。でも面倒だから言わなかった。


帰り際に私のことに気づいたおばさんは、またね!と言って手を振ってくれた。前回はなかった。


猫も猫好きの人間も、心を開いてもらうには時間が必要なのかもしれない。

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