FND第三作「Día de Muertos」死者の日(ディア・デ・ムエルトス)description完全版
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「死者の日」
死者の日とはメキシコの伝統文化、日本でいう「お盆」にあたります。故人の魂がこの世に戻り、先祖への感謝を捧げる祭事。各家庭に祭壇を設け、先祖の墓を飾り付けます。
カラフルな切り絵の旗「パペルピカド」、鮮やかなオレンジ色の花「マリーゴールド」で飾り、ガイコツの砂糖菓子「カラベラス・デ・アスカル」やテキーラを供えます。 この伝統は、メキシコの最も重要な風習の一つで、毎年11月1日と2日に盛大に祝われます。
そのルーツは約500年前に滅びたアステカ文明の時代までさかのぼる事ができます。 死者の日はアステカの女神ミクトランシワトルの祭典とカトリックの祭典「諸聖人の日」が合わさった物で、ハロウィンとは違うお祭りですがルーツが共通しています。(おおらかになんでも融合させてしまう日本人らしく、私もハロウィンのカボチャを作品に取り入れています。)
「カトリーナ」
死者の日には多くの人が骸骨の貴婦人の仮装をします。その貴婦人の名前を「カトリーナ」といいます。 カトリーナは1913年、著名なイラストレーター「José Guadalupe Posada」によって「死者への礼拝」という習慣を守るための挿絵として生まれました。 カトリーナは当時の貴族女性の扮装をした骸骨で、死者の日のアイコン的存在としてメキシコ中から愛されています。
「ミクトランシワトル」
古代アステカ国家では「ミクトランシワトル 」と呼ばれるアステカ神話の女神を主宰とした祭典が行われていました。 冥府の女王ミクトランシワトルの仕事は、死者の骨を見守り、死者の祭典を取り行う事。 ミクトランシワトルの特徴は、 腐敗した体で足を引きずって歩き、星を飲み込むために口を開いています。 不思議な事に日本の古代神話に登場するイザナミに役割や容姿がとても似ています。
前述した骸骨の貴婦人「カトリーナ」はアステカ神話の女神をミクトランシワトルをモデルにして生まれました。
作品中の少女は、 骸骨の化粧をし、貴婦人のドレスを着て、血の気の引いた色白の身体、星を飲み込むために口を開いています。 カトリーナだけでなくミクトランシワトルも意識して制作しています。
ドレスのフリル、レース、金刺繍等高画質でなければ潰れてしまう装飾部分も時間をかけて丁寧に描き込んでいます。ぜひ拡大してご覧ください。
「アレブリヘ(魂の旅の案内役)」
メキシコの張り子職人、ペドロ リナーレス(1906年)が自身が見た夢から生み出した極彩色の張り子の動物人形でフォークアートの代表と呼ばれるほど定着しました。ペドロ リナーレスは1990年に人間国宝としてメキシコ国民栄誉賞を受賞しています。 ピクサー映画「リメンバー・ミー」ではアレブリヘに魂の旅の案内役という役割が与えられました。 作品中では私が大好きな「リメンバー・ミー」の解釈も加え、使い魔や精霊を彷彿とさせるデザインにしています。
「ピニャータ」
メキシコ発祥の張り子細工のくす玉で動物等多様なモチーフがあり、非常にカラフルです。誕生日等のお祝いで用いられ、メキシコでは伝統的かつメジャーな遊びです。 吊るされたピニャータを子供達が順番に棒で叩いて割り、中には紙吹雪やキャンディが入っています。 私とピニャータの出会いはxbox360の「集まれピニャータ」というゲームでそれ以来メキシコの文化に関心を持ちました。 私の作品からも少しでもメキシコの文化に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
「まとめ」
メキシコには過去にマヤ、アステカ文明があり、日本と同様に多神教の国家でした。 現在はカトリックが主宗教ですが、今回は作品と関連が薄いために割愛しますが、それも褐色の聖母グアダルーペ(ローマカトリック教会に正式に認められている聖母)がアステカの母神トナンツィンと同一視され現地人に受け入れられやすかった為にカトリックが広まったという経緯があります。 私の作品をひとつの機会に遠いメキシコの風土、文化に少しだけ触れていただけたら幸いです。
本作が収録されているコレクション「protect wild animals」は売上の20%を野生生物保全基金へと寄付させていただきます。
「最後に」
この作品は私のNFT活動一周年にあたる作品で、まる一ヶ月の制作期間を経て完成しました。 私らしいトリッキーなモチーフを、マットな質感、色鉛筆を中心にした柔らかな線画、重厚な厚塗り、あらゆる意味で私の「好き」をいくらか向上したであろう技術で丁寧にまとめました。 私の好きを、あなたが少し好きになってくれたら嬉しいです。
本作は10月6日20時より、0.15ETHでリストさせていただきます。 bid特典もメキシコ情緒を感じさせる物を用意しました。よろしくお願いいたします。
一周年を経て私のNFT活動は形や場所を変えながらまだまだ続きます。NFT作家かのかをこれからもよろしくお願いします。 ここまで長文乱文にお付き合いいただきましてありがとうございました。