こおりタイプのポケモンの名前、そろそろネタ切れ説【後編】

前編はこちらから→こおりタイプのポケモンの名前、そろそろネタ切れ説【前編】

今回はカロス地方(第六世代)のこおりポケモンのから名前を見ていきます。

・カチコール

擬音語『カチコチ』+凍るが由来とされる。cold(英・冷たい)との関係もありそう。こおりタイプとしてはベタな名前だが、第六世代までこれが出てこなかったというのがすごい。

・クレベース

英語のcrevasse(クレバス、氷の割れ目)+base(土台)が由来とされる。広島の呉基地ともかかっているという説がある。とうとうクレバスに手を出したか。氷系の単語はもう出尽くしたのでは?

・アマルス、アマルルガ

由来がどちらもアマルガサウルスなので一項にまとめさせてもらった。『氷漬けになっていた』『寒い土地に住んでいた』という設定はあるが、名前からはこおり感を感じられない。

カロス地方総括:そもそも今回追加されたこおりポケモンが少ない。こおりっぽい単語も出尽くしたような気がする。


次はアローラ地方(第七世代)。と言ってもここからリージョンフォームの猛攻が始まるので、考察できる要素が減っていく。

・ロコン(アローラのすがた)、キュウコン(アローラのすがた)

第一世代ではほのおタイプだったが、第七世代ではこおりタイプのすがたを持つようになった。由来が狐の鳴き声『コン』や九尾の狐であることから、ほのおタイプは『狐火』からの連想、こおりタイプは単にきつねが雪国にも生息する動物であるという部分からの連想だとされる。

・サンド(アローラのすがた)、サンドパン(アローラのすがた)

名前は英語のsand(砂)やpangolin(センザンコウ)あたりから来ているとされる。……いや君たちはなんでこおりタイプになったん???ビジュアル採用???

・ケケンカニ

韓国語のケ(蟹)や日本語の毛蟹、シッケンケン(長野県に伝わる妖怪。雪女の一種)が由来とされる。今世代唯一の氷要素だ!しかも妖怪の名前でこおり感を演出する感じが婉曲でおしゃれ。

アローラ地方総括:新出こおりネーミングはケケンカニのみだったので総括なし。


最後にガラル地方(第八世代)!新出こおりポケモン最多の世代です。

・ダルマッカ(ガラルのすがた)、ヒヒダルマ(ガラルのすがた・通常)、ヒヒダルマ(ガラルのすがた・ダルマモード)

ダルマッカはほのおタイプ(第五世代)からこおりタイプに、ヒヒダルマはほのお・かくとうタイプからこおりタイプに、さらにダルマモードでこおり・ほのおタイプに。ほのおは火だるまのイメージから、こおりは雪だるまのイメージから来ている可能性が高いが、かくとうは何だろうね。やっぱ猿(ヒヒ)だから?余談だけどポケモンの猿ってかくとうタイプがちだよね。マンキーとか。

・バリヤード(ガラルのすがた)

由来はおそらく英語のbarrier(バリア)やbarricade(バリケード)。エスパー→パントマイムってないものをあるように見せてるから実質エスパーじゃね?→パントマイムと言えば壁(バリア)じゃね?みたいな連想から初めはエスパータイプだったのだろう。ガラルでは凍らせた床をバリア代わりにしているようだ。名前から氷を連想するのは難しいが、名づけの背景はちゃんとあるのでこれはこれでよし。

一度書き終えてから思ったんですが、氷にまつわる擬音語『バリバリ』+yard(英・庭、仕事場)あたりからこおりタイプになった可能性もあるかも。

・バリコオル

由来は氷の擬音語『バリバリ』や凍る、『めっちゃ』という意味の方言『ばり』だと推測できる。「バリコオルっていう名前のこおりポケモンをバリヤードの進化系として出したいから、なんやかんやこじつけてバリヤードもこおりタイプにしちゃえ!」っていう思惑のほうがありそうだな。

・コオリッポ

氷+立方体が由来っぽい。ご家庭の冷凍庫で作るこおりっぽい。

・ウオチルドン、パッチルドン

どちらにも英語のchilled(チルド、冷却される)が入っています。意外とまだあるもんだな、氷関係の言葉。

・ユキハミ

雪食み。雪を食べるからユキハミ。わかりやすさの権化。

・モスノウ

英語のmoth(蛾)+snow(雪)から。わかりやすさの権化2。

・ブリザポス

おそらくは英語のblizzard(ブリザード)+ギリシャ語のイーポス(馬)から。わかりやすーい!この項をもちましてブリザポスに乗ったバドレックスであるバドレックス(はくばじょうのすがた)についての記述を省略します。

ガラル地方総括:ガラルは擬音、日本語名詞、英語名詞がバランスよく入っているように感じますね。あとわかりやすい。名前からどんなポケモンか想像しやすい。さすが最新世代。


まとめと考察

ここまでに出たこおり関係の単語を一度並べます。氷を連想できる単語全般を含みます。

こおり系の単語:freeze(凍らせる)、snow(雪)、ice(氷)、glacier(氷河)、vanilla(バニラ)、クシュン、tundra(ツンドラ)、frigid(極寒の)、frost(霜)、コキュートス、急冷、カチコチ、凍る、cold(冷たい)、crevasse(クレバス)、シッケンケン、(雪)だるま、バリバリ、chilled(チルド)、blizzard(ブリザード)

あと動物を由来にするケースも多かったのでとりあえずまとめておきます。

動物系:ジュゴン、うりぼう、ムー(ぶた)、bird(鳥)、weasel(いたち)、アザラシ、トド、seal(アシカ・アザラシ・オットセイあたり)、walrus(セイウチ)、マンモス、bear(クマ)、アマルガサウルス、きつね

こおり系の単語が19種類、動物系の単語が(微妙なのも含めて)13種類。こおりポケモンは52匹もいるのにこおり系単語はその半分以下……名付けの苦労が窺えます。でもその代わりに北国っぽい動物の名前が使われていたり、北国を思わせる、または実際に北国で用いられがちな表現の使用(わらし、雪被り、メノコ)があったりと工夫も窺えます。

世代別に見ると、第一世代~第二世代ではあまり氷っぽくない名前が多く、第三世代~第四世代では雪・氷系の名前が増え(13匹中6匹にユキもしくはコオリの字が入っている、iceを含めると7匹)、第五世代以降は由来が婉曲的に氷を思わせる単語や擬音語、妖怪名など多様化し(くしゅん、カチコチ、シッケンケンなど)、第八世代では名前からポケモンを連想しやすいように再び直接的に雪や氷を指す単語が使われていることが分かる。世代によって名付けにトレンドとかあるんだなあ。

あとタイトルで『こおりタイプのポケモンの名前、そろそろ品切れ』とか言ってたけどユキ・コオリを使いまわしてるのはある意味合理的な判断だと思うので(コオリだけに)、今後も『単語自体は既出だけど名前の雰囲気とか他の単語との組み合わせが新鮮』みたいなポケモンが出てくれば品切れを防ぐことができると思います。説立証ならず。

まだ使われてないこおり系の言葉ってあるんですか?

これこれこれよお!!結局次回作以降のポケモンの名前考えてるときが一番楽しいんですよお!!!当たったらもっと楽しい!!!!!一字一句違わず当たったら過去作全部買いますわ(言うだけタダの精神)。ということで、まだ使われていないであろうこおり系の単語をあげていきましょう。無難に日本語・英語から探していく。

未使用こおり系単語:永久凍土(permafrost)、冬(winter)、つらら、あられ、なだれ、氷山、薄氷、解凍、みぞれ、冷却、スケート、ジェラート、フラッペ、樹氷、雪駄、六花、初雪、風雪、しんしんと、積雪、雪ウサギ

なお冬(winter)はシキジカ・メブキジカのすがた名として使われているのですが、現在こおりタイプのポケモンの名前としては使われていません。あとつらら・あられ・なだれに関してはすでに技名に用いられているのでポケモン名にならない可能性がありますね。

氷山や薄氷に関しては『ヒョー』の音がいい感じなのでそこだけでも使われてほしいです。ちょうど動物の豹とかかったネーミングにもなるし。同じ理由で『セツ』も使われてほしいですね。『セツダンゴ(雪+切断+雪団子)』みたいに軽くコンボに組み込めるし。

解凍はどっちかというと特性っぽいかも。かいとうボディ:こおり状態にならない。みたいな。

あと方言なら漕ぐ(雪深いところに立ち入る)、しゃっこい/ひゃっこい(冷たい)あたりが採用されそう。今後の方言登用には期待しています。


一通り書きたいことを書いたのでここで記事を終わりにしたいと思います。最後に一言。

ドダイトスのリージョンフォームは氷一択であれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?