人を動かす力 ⑱潜在能力を引き出す方法-2 人を動かす交渉術
おはようございます!!
はい!
今日で「人を動かす力」の最終回となりました♪
思っていたより短く済みました。
実はこの「人を動かす力」というタイトルなんですが
メチャクチャ悩んだんです…
なんか上から目線に聞こえたんで…
けど私は普段からお客様と接していて
(心を動かす)ことに注力しているもんですから
ストレートに伝わるかと思いまして
この「人を動かす力」を選びました♪
という事で
最終回の今日もよろしくお願いします。
人を動かす交渉術:Part.10
「交渉術」を身につければ、もっと仕事や人生がうまくいく
「交渉術」を身につけておけば、もっと仕事や人生がうまくいくはず
です。
あなたも一度はこのように思ったことがあるのではないでしょうか。
こうした向上心のある方であればすでにお気づきの通り、成功者と言われる人たちや、仕事で高い結果を出している人に、交渉が下手だという人はほとんどいません。
「交渉」という言葉を聞くと、口が上手い成績優秀な営業マンをイメージするかもしれませんが、実は社会人のすべての業務において交渉は付きもの。
他社とのやり取りだけでなく、納期、給与、異動、労働条件など社内事における交渉も数多く存在します。
また、私たちの日常は、ほぼ交渉で動いているのです。
私たちの日常は、ほぼ交渉で動いている
お小遣いアップして欲しい。
デートの約束を取り付けたい。
買い物を頼まれて欲しい。
取引先に、条件の見直しを提案したい。
あるブランドの代理店契約を取りたい。
イベントの協賛を募りたい。
交渉は身につけるべき必須のスキル
こうした日常にありふれたことから、多くの人へ影響を与えることまで、ビジネス、恋愛、プライベート・・・すべて交渉によって進んでいます。
しかし、実際、人との対話や交渉に苦手意識を持っている人は多いようです。
交渉を学ぶことは、仕事や人生に影響をもたらし、選択肢を広げ、周囲にも多くの利益をもたらします。
つまり、生きていく上で交渉は身につけるべき必須のスキルであると言っても過言ではありません。
交渉とは?
交渉とはお互いが納得できるような答えを見つけるために話し合うことを意味しています。
勝ち負けで捉えるのではなく、お互い納得できる落としどころをしっかりと考慮した上で話し合うものです。
対立という形ではなく、あくまでお互いに会話という認識の中で、最終的なゴールを見つけようとするのです。
交渉にはいろいろな手法があります。
これまで日本社会では、相手と駆け引きして自分の要求を押し通す、利益重視の“勝つ”交渉が良しとされてきました。
しかし、そのような交渉をしていると、自分だけ勝って、相手が負けるという後味の悪い結果になります。
これからは、奪い合う資源もお金もない時代なのを忘れてはいけません。
交渉において一番重要なのは
交渉において一番重要なのは、会社員なら、自社の精神について良く知り、自分がそれについてどのような考えを持っているかを知っていることが必要です。
自分を把握することで、アイデンテティを確立して、はじめて交渉の方法を考えることができます。
アイデンティティとは、どうして自分がその会社にいるかということです。
たとえば、営業社員なら「私はこの商品を売りたい」というシンプルな動機です。
商品をお客様にセールスに行く交渉
• 商品をお客様にセールスに行く交渉では、その商品について「自分はこの商品はこういう商品だと思う。だからお客様にこういうメリットがある」という自分の言葉で説明できることが大切なんです。
• マニュアル通り心のない説明や、身の丈に合わない態度、言葉を使ってもお客様に理解してもらうことはできません。
• 等身大の自分の言葉で自分の考えを語って初めてお客様との対話が成り
立ち、関係性が築けるのです。
相手に自分を知ってもらったら
• 相手に自分を知ってもらったら、次のステップは、相手の反応を客観的に見ることです。
• 相手がどんな反応をして、どんな声のトーンでどんな顔色でどんな状態か把握しておかないとなりません。
• 相手と合意し、Win-Winの結果を出すのが交渉の目的なので、常に相手の立場を考え、気持ちを思いやる姿勢が不可欠です。
• また、事前に相手のことをできるだけ調べておくことも大事です。
• 自分の要求、提案を相手に伝えるときは、自分の言いたいことをシンプルに、的確に伝えることが大切です。
• 言いたいことがたくさんあるからと言って、あまりにたくさんの要素を伝えても、相手は覚えきれない上、何がもっとも重要なのか分からず「結局何が言いたかったの?」となるのです。
• お互いの合意を目指すのが交渉なのに、要求が的確に伝わらなければ、交渉のスタート地点に立つこともできません。
世の中には、さまざまな人
• 世の中には、さまざまな人がいて、多様な考え方や意見があります。
• 会社一つにしてもそれぞれに違う風土があるのです。
• スキル、スペック、個人の能力、風土、文化、仕組みといった要素が一つの世界を作っているわけですが、日本社会の中だけでも多様な世界が広がっています。
• 交渉力を持っていないと、価値観の違う他者と理解し合い、お互いにとってより適切な、未来につながる目的を見出すことができず、結局勝ち負けの交渉になってしまうのです。
• また、交渉力を持って、自分の世界の外の多様な人たちと出会っていくことは、多様な価値観と相対することで、新たな知見を得て、自分を大きく成長させることにもつながります。
• 適切な交渉を数多く経験することで、経験の幅が広がり、人との関係もより深まっていくというメリットもあるのです。
交渉が上手な人の5つの特徴
• 特徴1. 適度に楽観的で、細かい事に動じない
• 特徴2. 観察力に優れている
• 特徴3. 交渉相手の話をよく聞く
• 特徴4. 「No」をはっきりと言う勇気がある
• 特徴5. 相手のメリットになることを始めにする
特徴1. 適度に楽観的で、細かい事に動じない
• 交渉力のある人は細かいことに動じないので、相手は安心感を覚えやすいといえます。
• もしネガティブでいつもおどおどしていると、交渉相手も「この人で大丈夫かな」とつい不安に思ってしまうはずです。
• 交渉が上手い人はいつも楽観的で、器の大きい人も多いのです。
• 交渉する中で相手は安心して、「この人なら大丈夫」と交渉が上手く進みやすくなります。
特徴2. 観察力に優れている
• 交渉が上手い人は、相手がどう思っているのか気持ちを読むことに長けていることもしばしば…。
• 交渉をうまく進行させるには、タイミングが大事です。
• 相手がその気になっていないのに強く押してしまえば、交渉が決裂する可能性もあります。
• 相手の仕草や話すときの表情などを観察しながら、押す場面と引く場面をしっかり見極めて戦法を変えることも多いんです。
特徴3. 交渉相手の話をよく聞く
• 交渉相手の話をじっくり聞こうとするので、会話が自然と発展して相手が心を開きやすいのも交渉力のある人の特徴の一つです。
• 相手の話をあまり聞かずに一方的に話していても、相手はなかなか前向きな気持ちにならないことも多いでしょう。
• 相手の話をしっかりと聞いていい気分になってもらうことで、交渉を有利に進めることも少なくありません。
特徴4. 「No」をはっきりと言う勇気がある
• 交渉力のある人は、相手の言いなりになることもあまりありません。
• 交渉していてあまり自分にメリットがない場合、相手に合わせるのではなく、「No」とはっきり言うことも多いのです。
• そうした強気の姿勢を持ち合わせているので、相手優位の交渉になることもなく、お互い納得感のある交渉になりやすいといえます。
特徴5. 相手のメリットになることを始めにする
• 交渉力がある人は、自分の利益をすぐに優先しようとしないのが特徴です。
• 相手と上手く交渉するためには、相手にもしっかりとメリットを提示しなければなりません。
• 先に相手のメリットとなることを話すことで、交渉相手は「自分も何かメリットを提示しなきゃ」という気持ちになりやすいんです。
• さらに相手を優先させる姿勢に気持ちよさも感じるので、交渉がスムーズにいきやすいのです。
交渉する時の6つのコツ:事前準備編
交渉には準備は不可欠です。
交渉の8割は準備と考えてください。
準備せずに交渉をうまく進めることができるのは、よっぽど経験のある人だけ。
伝えたい内容をシンプルにまとめておくことはもちろんですが、相手がどんな人たちで、今回はどんなタイミングなのか、よくリサーチしておくことも大事です。
さらに可能であれば、今回の交渉が通ったらどうなるのか、次の展開がイメージできていることも必要です。
それができていないと、「今回の交渉をクリアしなければ」ということだけでいっぱいになってプレッシャーを感じてしまうのです。
しかし、この企画が通ったら次はここに結びつけてこれをやりたい、という次のステップが見えていれば、余裕を持って交渉に臨めます。
ここでは、事前準備として交渉する時のコツや方法について解説します。
事前準備をしっかりとすることで、交渉も有利に進みやすくなります。
交渉する時の6つのコツ:事前準備編
事前準備1. 交渉の目的を整理する
事前準備2. 交渉相手の情報やニーズを徹底的に分析する
事前準備3. 提案にあたって想定される疑問や、不満を洗い出す
事前準備4. 交渉を進めるデッドラインを決めておく
事前準備5. 交渉相手の中で決定権は誰にあるのか確認しておく
事前準備6. 他の提案や選択肢も準備しておく
事前準備1. 交渉の目的を整理する
まず第一に確認しておきたいのが、なんのために交渉するのか?です。
交渉の目的がはっきりしていないと、交渉している時に「交渉のゴールはどこだっけ」と迷ってしまい、交渉もスムーズに進みにくくなります。
目的をはっきりさせることで交渉のイメージがしやすくなるはずはずです。
話がぎこちなくなることもなく、納得した交渉になりやすいんです。
事前準備2. 交渉相手の情報やニーズを徹底的に分析する
• 相手の状況をしっかりと把握しておくことも、交渉術の一つとしてしっかりとやっておきたいところです。
• 交渉相手をしっかりと分析することなく交渉の対策を立てたとしても、なかなかうまくいきません。
• 相手がどんなことを求めているのかをしっかりと把握しておくことで、相手へのメリットもしっかり提示でき、交渉が上手くいきやすくなります。
事前準備3. 提案にあたって想定される疑問や、不満を洗い出す
スムーズな交渉にしたい時は、相手から想定される質問を考えておくことも大切です。
何も考えずに交渉に臨んだ時、相手から質問されてもしっかりと答えられない可能性もあります。
相手からすると、「大丈夫かな」と不安になりやすいのです。
しっかりと質問を想定しておけば交渉でぎこちなくなりにくく、相手も安心感を覚えやすいんです。
事前準備4. 交渉を進めるデッドラインを決めておく
その場で判断をする時の基準を設けておくことも交渉術の一つです。
例えば交渉している時、相手が値下げを要求してくるケースも少なくありません。
あまりにも値下げしすぎると、自分に有利になりにくくなります。
「これ以上値下げしたら利益が出ない」など判断するための現状を把握して、あらかじめ基準を設けておくのです。
事前準備5. 交渉相手の中で決定権は誰にあるのか確認しておく
• 交渉のシミュレーションをしていいイメージを持っていたとしても、本番
ではその通りにいくとは限りません。
• 相手からの合意が得られず、話がまとまらないこともあるかもしれません。
• そんな状況を考慮して、他の提案を用意しておくことも大切なのです。
• 代替案を準備しておくことで交渉が決裂しにくくなり、スムーズに進む可
能性もあります。
交渉する時の6つのコツ:事中編
事中の交渉術1. 誠実で清潔感のある外見を心掛ける
事中の交渉術2. 信頼を得るために信頼関係(ラポール)を築く
事中の交渉術3. 相手目線に立ち、Win-Winの提案をする
事中の交渉術4. 結論を述べてから理由を述べ、簡潔に話す
事中の交渉術5. 堂々とした立ち振舞いをする
事中の交渉術1. 誠実で清潔感のある外見を心掛ける
交渉する時は、話の内容だけでなく見た目にもしっかりとこだわることが大切です。
人は第一印象でその人を判断することも多いのです。
初対面でヨレヨレのスーツなどを着ていれば、相手も思わず不安になってしまうものです。
誠実かつ清潔感のある見た目を心がけることで、相手は「この人なら信頼できそうだ」と思いやすく、交渉も思い通りに進めやすくなるはずです。
事中の交渉術2. 信頼を得るために信頼関係(ラポール)を築く
• 交渉において信頼関係は必要不可欠。信頼関係があることで相手も警戒心がなくなり、安心して話ができるようになるので、提案が通りやすくなります。
• 相手が話をしている時に傾聴する姿勢を見せたり、さらには交渉する前に雑談を取り入れたりしてみます。
• 相手との信頼関係をしっかりと構築しやすくなり、交渉もスムーズに進みやすくなります。
事中の交渉術3. 相手目線に立ち、Win-Winの提案をする
• 交渉している時、独りよがりな話にならないよう注意しておくことも大切なことです。
• なんとか自分有利に進めようとして自分のメリットを優先してしまうと、相手もいい思いはせずに交渉が難航してしまいがちです。
• 交渉する時は、双方にメリットがあるような提案をすることが大切なのです。
• 相手のメリットをしっかりと考慮した上で提案することで相手も納得しやすくなり実りある交渉になりやすいんです。
事中の交渉術4. 結論を述べてから理由を述べ、簡潔に話す
• 話す順番を意識することで、相手からの印象も大きく変えるのもおすすめしたい交渉術の一つ。
• 結論を最後に持ってくるような話し方だと、相手は「何が言いたいのかわからない」とイライラしてしまう可能性もあります。
• 結論から先に話すことを意識しておくことで、相手は「簡潔で分かりやすい」と好印象に感じることも多く、話がスムーズに相手の頭の中に入りやすくなるのです。
事中の交渉術5. 堂々とした立ち振舞いをする
交渉している時の態度にも気をつけておきたいところ。交渉している時、自信がなくナヨナヨとした姿をしていると、相手も「この人大丈夫かな」と不安になってしまい、交渉も上手くいきにくくなります。
堂々として自信があるような立ち振る舞いをすることで、相手も安心感を覚えます。
話も発展しやすくなり、交渉がスムーズに進みやすいんです。
事中の交渉術6. できない事は、はっきりと断る
交渉している時、自分ができないことを提案されるケースも少なくなくありません。
目の前の利益を優先してできない事を引き受けてしまえば、場合よっては信用を失うことにもつながります。
できないと思った時は、「できません」とはっきりと言うことも大切です。
正直に言う事で信頼関係も構築されやすく、交渉が上手くいく可能性もアップします。
交渉が断然有利になる5つのポイント
ホームで行う。
先に条件提示する。
限界値は示さない。
時間的制約は示さない。
ウィンウィンの妥結点を目指す。
ホームで行う
まず、交渉場所は自分の事務所など、リラックスできる場所でおこなうべきです。
飲食店などを使う場合も、下見や1時間早く到着しておくなど、リラックスして交渉に集中できる状況を自分で作っておきます。
次に、条件は少し高い水準にして、こちら側から先に提示します。
そうすることで相手もその水準に反応し、それを基点にした交渉になるからです。
先に条件提示する
A:納期は60日でお願いしたいのです。大丈夫ですよね?
B:60日なんて無理ですよ! 最低でも100日はいただかないと…
という具合に、60日という水準が船のアンカー(錨)のような役目を果たし、そこから双方が譲歩する形での歩み寄りとなります。
他にもこちらの譲歩できるホンネ(限界値)や、決めなければ困る期限の限界(時間的制約)は秘匿します。
さらに「ウィンウィンの妥結点」を目指すには、相手には現在の視点だけでなく、将来の発展的メリットについて伝えるのを忘れてはいけません。
そして、こうしたギリギリの交渉を長く続ければ続けるほど、相手側も「なんとかこの交渉を成立させたい」という暗黙の気持ちが高まるのです。
これまでの交渉にかかった手間や労力を無駄にしたくない…というサンクコスト(埋没費用)に呪縛されるからです。
限界値は示さない
そうなると、こちら側が「やはりこの交渉は無理かな」などと漏らすと、最後のひと押しの要求が通ったりします。
そして、意識すべきはお互いにメリットがある着地点を見出すことです。
自分の事ばかりを主張するのではなく、しっかりと交渉相手の出方にも注意します。
時間的制約は示さない
交渉は相手がいて初めて成立するものなので、自身の提案や説明に対して相手がどのような反応を示すか、その時の声や表情、態度はどうだったかをしっかり観察をしておく必要があります。
観察をして相手が納得している表情であればそのまま交渉を進め、不服
そうな態度またはよく理解ができていないような様子が見受けられたら、アプローチの仕方を変えるなどできる限り相手の気持ちを忖度する姿勢も交渉成功には不可欠です。
また、事前準備の際に自分の伝えたいことだけではなく、相手の特徴についてもできるだけ事前に把握しておきます。
上手な交渉とは相手を論破して納得させることではありません。
交渉をする際はお互いにメリットがあるかどうかを意識して取り組むようにします。
そして、対等なコミュニケーションによってこちら側の希望を可能な限り通しつつ、相手の意見も尊重してWin-Winの関係性になれるように着地させることを目指します。
交渉相手のタイプ別対処法
交渉相手1. とにかく押しが強い人
交渉相手2. 不当なやり方をする人
交渉相手3. 近い距離で圧迫する人
交渉相手1.とにかく押しが強い人
たとえば、セールスマンの中には、とにかく利益重視で押して売ることしか考えていない人がいます。
そういう人は、相手の気持ちを把握するゆとりがないので、そもそも交渉が成立しないことがほとんどです。
もしくは、押し切られてしまいます。
その場合は、相手の話しやテンポ、口調に引っ張られず、興味を持っているそぶりを見せたり、相槌をしたり、答えたりすると、ますます突っ込んでいきます。
どんな展開になろうとも、「私はあなたの提案には合意できません。」と、明確に言い切ります。
そうすると相手の方から去る。
ただし、取引先や上司にこうした押しの強い利益優先タイプがいる場合は話は別です。
このタイプは「あれをやれ」と一方的に仕事を押し付けてくるが、表向きは相手を立てて話を聴いているフリをするのも大事です。
そして裏では、別のより意義のある仕事を進めます。
一方的に押し付けられた、やる気を感じない仕事を無理にやっても意味がありません。
もし万が一「あのプロジェクト、どうなっているんだ」と聞かれたら、「少し時間をください」と言ってごまかして、それからささっと資料を
用意して出せばいいんです。
意見の合わない上司や同僚には、それくらい大胆に対応することも必要です。
交渉相手2.不当なやり方をする人
中には、法外に高い要求をふっかけてきたり、合意間際に急に要求を釣り上げたりと、こちらの立場を考えない不当な戦略を使う人もいます。
相手が大事な取引先の場合、多くの人は、波風が立たないよう我慢しようと考えるかもしれません。
しかし「今回譲歩しておけば、次からは配慮してくれるはず」と安易に期待するのは危険です。
不当と分かっていて我慢すると、相手がどんどん付け上がる可能性もあります。
だからと言って、相手を非難するのも逆効果になります。
相手に気付いてほしいなら、相手の人格ではなく、「お互いに意見の食い違いがあるようです。少し時間を置いて、後日調整し直しませんか?」と、交渉の進め方に対して疑問を投げかけるようにします。
また、極端に高い要求に対しては、「なぜその数字なのか?」と、冷静に根拠を聞いてみるのも一つの手です。
交渉相手3.近い距離で圧迫する人
• 普段はみんな無意識ですが、人と人との物理的な距離は、交渉の行方を大きく左右します。
• たとえば、仕事を頼むとき、必要以上に体を近付けてくる上司に対して、ストレスに弱い人は、思わず「はい」と言ってしまうのです。
• 身に覚えがある人は、次回から、上司が体を近付けてきたときは、身を引いて相手との間に距離を作ってみます。
• また、こちらが座った状態で上から話しかけられたときは、立ち上がって向かい合うようにします。
• このように、同じ高さで距離をとって話すことで、対等に交渉を進めることができます。
交渉の際に使える12の心理学
心理学1. ミラーリング
心理学2. ダブルバインド
心理学3. バンドワゴン効果
心理学4. キャリブレーション
心理学5. アンカリング
心理学6. ドア・イン・ザ・フェイス
心理学7. フット・イン・ザ・ドア
心理学8. セルフ・ハンディキャッピング
心理学9. ハード・トゥ・ゲット
心理学10. ラベリング効果
心理学11. 親近化効果と初頭効果
心理学12. 例え話
心理学1. ミラーリング
• ミラーリングとは、相手の仕草の真似をする手法を指す心理学のことです。
• 相手に動きをあわせて無意識的に似ている存在だと思わせることで、親近感を抱かせることができるのです。
• 声のトーンや口調など、相手にあわせるよう意識することで、次第に相手は「この人なら大丈夫そう」と信頼してもらえるようになり、交渉においてもスムーズに進みやすくなります。
心理学2. ダブルバインド
ダブルバインドとは、2つの選択肢を出すことで、断る選択を消す手法を意味した心理学のことです。
人はあらかじめ、決められた選択肢のみに目がいくことが多いんです。
なんとしても実現したい、自分イチオシの企画や提案を通すにはまず、上司は「この企画を通すべきか否か」、参加者も「賛成すべきか否か」という「二者択一のマインド」があります。
この「マインドセット」を組み替えてしまうのです。
そのために、本命企画の他にダミーの企画を2~3個つくります。
これによって上司や参加者は「採用・不採用」の「二者択一マインド」から、複数の企画のなかで「どれが一番良いか」を探す「選択のマインド」に変わります。
つまり、複数の企画を出すことで「却下する」という選択肢が消えます。
これで企画や提案が通る確率は飛躍的にアップするでしょう。
また、「決められない」人には「AとB、どちらが好き?」というように、他の選択肢を消すことで、答をAかBのどちらかに誘導することができます。
このように、実際には複数の選択肢があるのに、二択しかないと思わせるのは、誤った前提ゆえ「誤前提暗示」と呼ばれているのです。
心理学3. バンドワゴン効果
• バンドワゴン効果とは、人気のあるものや支持されている商品に対して、ついひかれてしまう心理を指します。
• 例えば交渉の時に、「他のみなさんも使っているんですよ」「多くの方
に支持されている商品です」などと言えば、相手も興味を示しやすくなります。
• 「だったら買ってみようかな」と思うことも少なくなく、交渉が上手く
いきやすくなるのです。
心理学4. キャリブレーション
• 相手を観察し心理を読み取ることを、キャリブレーションと言いいます。
• 人はコミュニケーションをとる時、言葉以外の部分でも様々なメッセージを発信している傾向があります。
• 交渉の時では、表情やジェスチャー、さらには声のトーンなど、様々な部分をしっかりと観察するよう意識してみます。
• 相手の考えることを察知することで押したり引いたりするタイミングがわかるので、交渉もうまく進めやすいんです。
心理学5. アンカリング
• アンカリングとは、印象的な情報が基準となり、その後の行動に影響を与える効果のことを指します。
• マーケティングの世界でも有名な言葉で、価格交渉の時にはより有利に進めやすくなります。
• 例えば交渉で価格の話になった時、「以前は10万円だったんですけど値下げして3万円になったんですよね」と提示すれば、相手は「ものすごいお得かもしれない」と思うようになり、商品の購入に繋がりやすくなります。
心理学6. ドア・イン・ザ・フェイス
• 大きな要求を突きつけ、相手に断らせてから負担の小さい要求を出す手法がドア・イン・ザ・フェイスといいます。
• 商品を提案する時、最初に高めの値段を言えば断られる可能性も高いんです。
• そこで、相手に何度も断らせる中で値段を下げてみます。
• 相手は次第に罪悪感を覚えるようになり、「せっかくだし相手のお願いを聞こうかな」と思ってくれるようになるのです。
心理学7. フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアとは、最初に小さい要求を出して受け入れてもらい、次に少しずつ要求を積み重ねていく手法のことです。
例えば交渉する時、なかなか相手が時間を割いてくれないケースも…。
そんな時は、「まずは話を聞くだけで構いませんので…」などと小さなお願いをしてみます。
次第に相手に受け入れてもらうことで、信頼されるようになり、スムーズな交渉に進みやすくなります。
心理学8. セルフ・ハンディキャッピング
セルフ・ハンディキャッピングとは、自分のふりを前もって相手に訴え
ることで、失敗した時の言い訳を用意しておく手法のことです。
例えば交渉の時、事前に「期待をしないでください」とあえて伝えます。
そうすると実際にうまくいかなかった時の予防線になるので、相手もがっかりしにくく、関係性が崩れにくくなるのです。
心理学9. ハード・トゥ・ゲット
相手を特別扱いすることで、相手から信頼を得る手法をハード・トゥ・
ゲットといいます。
交渉の時に、「これは御社だけなんです」といった特別感を出すことで、相手は特別扱いされたことで嬉しくなり、自然と相手に好意や信頼を寄せてきます。
「あなただけ」という希少性を相手に感じさせることで、相手も交渉に前向きになりやすくなるのです。
心理学10. ラベリング効果
ラベリング効果とは、レッテルを貼りつけてその通りに誘導させる手法のことです。
例えば「〇〇さんって本当にかっこいいですね。」と相手を褒めたとします。
そうすると褒められた相手は、次第に外見を意識しだして、お洒落であろうとする行動をとろうとします。
ラベリング効果を交渉の場でも活用することで、「期待に応えたい」と相手は思うようになり、交渉がスムーズに進みやすくなるのです。
心理学11.親近化効果と初頭効果
物事のプラスとマイナス、伝えるべき情報が2つある場合はマイナス面を先に、相手の記憶に残したいプラス面はあとに言うことで、良い印象を与えることができます。
これを「親近化効果」と言いいます。
たとえばある人(仮に山田くんとします)を評価する場合、
A:山田くんは、いい奴だけど、ケチなんだ。
B:山田くんは、ケチだけど、いい奴なんだ。
この2つのパターンではBの言い方のほうが好印象になります。
また、就職の面接でも、
A:20ヶ国もの海外訪露の旅をしていたので、学業成績は悪いです。
B:学業成績は悪いですが、20ヶ国もの海外放浪の旅をしていました。
心理学11.親近化効果と初頭効果
当然Bのほうが好印象となるでしょう。しかし、伝えるべき情報が複数ある場合は、印象に残したい言葉を最初に言うようにします。
下にある女性についての評価を並べました。
A:美人・おしゃれ・真面目・頑固・批判的・嫉妬深い
B:嫉妬深い・批判的・頑固・真面目・おしゃれ・美人
この場合、Aが好印象、Bが悪印象に映る傾向が強いです。
これは「初頭効果」と呼ばれるもの。初対面で相手のイメージが固まってしまうのも、この「初頭効果」によります。
「親近化効果」と「初頭効果」、情報量と話す順番を把握して、相手に与える印象をうまく操作します。
心理学12. 例え話
相手が言いたくないことがある場合、「一般論」や「たとえばの話」としてすり替えて話せば、核心まではたどり着けなくても、大方のアウトラインがつかめます。
A:一般論ですが、御社くらいの企業なら40代で年収1000万円は固いでしょ?
B:それは昔の話、今は役員クラスでないと!せいぜい800万円台くらいかな
このように「一般論」と前置きしただけで、あらたかの年収レベルの見当がつきます。
また、わざと誤った話をぶつけることで、ホンネやヒミツがこぼれるのです。
A「一般的に、こうした製品の原価率って10~15%ぐらいが業界の標準なんですよね」
B「いえいえ、それは大きな誤解ですよ。この手の製品は内臓のマイクロモーターだけでも製品価格の5割近くを占めるので、かなりの高コストですよ」
という感じで、見当違いの話をされると、つい「訂正しておかなくては」という使命感から、様々な事情を話してしまうものです。
他にも「それホントですか?」とあえて相手の話を否定することで、より詳しい事実や経緯を聞き出す方法や、「ここだけの話なんですけど…」と、こちらから切り出すことで、相手から「お返し」としてのヒミツを引き出すという方法もある。
交渉は旅行と同じ
• 最近、交渉やコミュニケーションが嫌い、そもそも人と関わるのが嫌いという人が多いのですが、交渉力が身に付くと、自然にコミュニケーションしたくなりますし、交渉そのものを楽しめるようになります。
• それは、ここにこんな経験しに行きたいと思って、旅行に行くのと同じ。
• 交渉にしても仕事にしても、この企画、この提案で何かおもしろいこと
があるに違いないという感覚を持って準備し行動すれば、どんな形でもきっと冒険は起きるのです。
• 交渉が得意な人は、結果的に、ワクワクするような体験、面白い経験がたくさんできるはずです。
• 交渉力をつけるということは、あなたの未来が変わることなのです。
私たちの日常は、ほぼ交渉で動いている
お小遣いアップして欲しい!
デートの約束を取り付けたい!
買い物を頼まれて欲しい!
取引先に、条件の見直しを提案したい!
あるブランドの代理店契約を取りたい!
イベントの協賛を募りたい!
はい!
今日の「人を動かす交渉術」はこれで終わりとさせてください♪
これで、「人を動かす力」シリーズは終わりとさせていただきますが、明日もまた新しい話題をつづりたいと思います♪
また明日もお会いできるのを楽しみにしております♪
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