正しい上履きの選び方
新学期に向け、子どもの上履きを買い替える方も多いと思います。そこで正しい上履きの選び方、押さえておきたいポイントをお伝えします。
子どもの足の成長
子どもの足の成長は、0~3歳までが半年で足長が1㎝程度、3歳からは半年で0.5㎝程度大きくなります。
ヒトの足は大きく成長すると同時に、真っすぐ立って2足で歩くための足の機能を獲得していきます。
子ども靴は窮屈でなければ良いのでは?と考えがちですが、逆にユルユルな靴を履いていても、足の機能が発達せず、それが不良姿勢や様々な疾患に連動していくことを知らない方が大多数かと思います。
子どもの足を正しく育むことが健やかな成長につながりますので、特に子どもが長時間履いている上履きは極めて重要です。
直ぐに成長するからと大きめに上履きを合わせるのは避けなければなりません。定期的に歯ブラシを買い替える様に、上履きの強度も考慮し6カ月履いたら買い替える必要があります。
したがって、つま先の隙間は1.0~1.5cm程度を確保し、それ以下でもそれ以上でもない様に、外した中敷きに立って足を載せて隙間を確認して下さい。
ユルユルな上履きの問題
ユルユルな上履きは、脱ぎ履きが簡単、子どもが自身で履ける、などの理由で選ばれますが、転倒、足指の変形などのリスクもともないます。
例えば、パンプスを履いて足が前に滑ると足指があたり痛くなりますが、ユルユルな上履きでは同様なことが子どもの足でもおこります。ただ、子どもの骨格は柔軟で痛みを訴えないことが多く、そのまま足指が変形していることがあります。
特に足が細くて甲がしっかり固定できない、甲のゴムが弱く伸びきっている場合は注意が必要で、年齢が低いほどそのリスクは高くなります。
写真は、幼稚園が履かせやすいスリッポンを指定、3歳男児の母指の先が外反している事例です。
幼稚園児や低学年の小学生ほど脱ぎ履きに手間取るからと、学校側からベルトなしの直ぐに履ける上履きを指示されていることがありますが、非常に危険な指導です。
仕事柄、足指変形の相談は多くうけますが、後天的な要因として上履きの選び方、履き方の問題がほとんどです。
仮にベルト付きの上履きを履かせても、自分で履けるか、正しく履けるか心配な保護者も多いとおもいますが、箸を使えないからスプーンではなく、箸の使い方を教える様に靴の正しい履き方を教える必要があります。
注意が必要な上履き
注意が必要な上履きは軽量を誇張している上履きです。概ね強度不足の問題があります。
上履きの役割は足を守ること、ある程度は誰が履いても悪い足の動き(過回内)を抑制し、正しく歩けるように設計されていなければなりません。
上履きが簡単にねじれたり、踵の芯が弱かったりすれば、子どもの足の機能を育むどころか偏平足になったり、脛と踵の角度が左右で違えば体の歪みにつながります。
まずは広告を鵜呑みにせず、上履きがねじれないか、踵は弱くないか、必ず履いてベルトの張り具合や強度(運動に耐える)をチェックし、スムーズに歩けているかを確認する必要があります。
甲ゴムタイプでは、甲ゴムにしっかりテンションがかかっているかが大事なポイント、わずかな隙間でも足は固定出来ていません。
この様な隙間は足の骨格ができていない低学年や足が細い子どもに多く、特に注意が必要です。
理想的には踵の芯がしっかりしていて、甲ベルトでしっかり固定できる上履きをお薦めいたします。
学校や地域によって上履きが自由化されているところもありますが、例え白底であっても外靴を校内履きにする場合、通常の上履きに比べて底材のグリップ力が弱いので、体育館での使用は避けて床材にあったシューズを使用して下さい。