【これぞエクストリーム手芸!?】unity1week「お題:1ボタン」を振り返る
こんにちは!もしくはこんばんは!
個人ゲーム開発者のKannoです。
今回私は1週間ゲームジャムunity1week(お題:1ボタン)に「手芸ex」というタイトルを引っさげて参加いたしました。
このゲームはエスクトリーム手芸アクションという異色のジャンルを銘打っておりまして、また私としては初の3Dゲームタイトルです。
そしてその結果がこちら!
全参加タイトル364作品の内、なんと総合で6位入りを果たしました!
特に斬新さ(2位)と楽しさ(5位)が際立っており、こんなよく分からんジャンルにも関わらず高評価をして下さったユーザさんには感謝するばかりです。
という事で前置きはこれくらいにして、振り返りをしていきます。
トピックはこちら~。
■先駆者の存在
さて。そもそもなぜ私がこんなよく分からんジャンルのゲームを作るに至ったのか、まずはそこから振り返ります。
それはティアキンをクリアしたからです!グライドスーツ最高ヒャッホイ!
それは今を遡る8月の事。
私は3Dゲームの研究開発の為にUnityアセットのUMotionというのを購入し、その性能に期待を寄せていました。
…と言うのもこれはUnityEditor上で3Dキャラのモーションを楽に作成できるというシロモノで、Blenderを触ってみては挫折を繰り返している私にとってはまさに希望のようなアセットだったからです。
そんな期待の表れから、その時の私は以下のような投稿をSNSに上げたんですよ。
これは一見すると冗談めいた発言に見えるかもしれません。でもスカイダイビングしながらアイロンがけをするという競技、実は実在するんです。
こんな冗談めいた競技のモーションなんてきっと誰も作らないだろう、そう思ったからこその上記の投稿でした。でもこれはとんだ思い上がりだったのです。
…と言うのはこの投稿に対してとあるフォロワーさんから以下のコメントが付いたのですが…
なんとこちらの方、15年前にすでにこの競技をゲーム化していたと言われるのです…!そんな先駆者がフォロワーさんにおられたのか…スゲーなSNS…。
私はこの事実に驚愕するとともに自分自身の無知を恥じました。
もしかすると世の中に実在するスポーツは全て、どこかしらで先駆者たちがゲーム化しているんじゃないかと…そう思えてきたのです。もしそうであれば私が2番手となって作る意味などどこにもないと…そう感じました。
という事で私はこの競技のゲーム化は諦める事にし、しばらく時を待つ事にしたのでした。
■エクストリーム手芸?
9月に入り、Unity開発者界隈がとある事件で騒然となったのは記憶に新しい事と思いますが、今回のunity1weekはそんな状況が冷めやらぬままの開催となりました。
今回のお題は「1ボタン」
ほんの少し悩みましたが私は手芸のゲームを作ることに決めました。
その理由ですが、私のゲームに登場するメインキャラクターに「森永みちる」というのがおりまして、彼女は家庭科部に所属している設定なんですけれど今の今まで一度もまともに縫い物を題材にしたゲームを作ってなかったからです。
しかし手芸のゲームを作るにしても問題がありました。それは大きなアクションがなさそうな事です。
私が今まで作ってきたゲームはどれもこれもアクション性の高いものばかりです。アクションゲームは作りやすいのでついつい作りがちになってしまうんですけど、きっとそれが私の持ち味なんだと思ってます。なのでそういう所はこれからも活かしていきたいんですよね。
という事で今回は絵的にも映えるスタイリッシュな手芸アクションを目指そうと思ったのですが、それなら一度諦めてしまったスカイダイビング+アイロンがけから着想を得てスカイタイビング+手芸という架空の種目でいってみようと思い立ったわけです。
実在しない競技なら誰も真似しようがないですからね…!
■意外とうまいくったゲームの実装
今回は3Dゲーム初挑戦!という事でうまくいかない部分もたくさんあるんだろうなーと身構えていたのですけど、これが意外とすんなりいきました。
なんせ今回は遅刻しないでリリース出来ましたからね!
一応、ポイントとなった点を挙げますと
1.3Dモデルはどうするか?
2.モーションはどうやって用意するか?
3.ゲームバランスはどうするか?
というのがあるので1つずつ振り返ります。
1.3Dモデルはどうするか?
VRoidStudioでさくっと用意しました。
これはあらかじめ用意されているパーツを組み合わせてスライダーでパラメータ調整するだけで3Dモデルが簡単に作れるのでオススメです。
※ちなみに今回使用するキャラは諸々の事情があって、前述の森永みちるではなくその先輩に当たる古田やえというキャラでいく事にしました。
2.モーションはどうやって用意するか?
これは前述のUMotionを使用しました。
…が、今回3Dキャラのモーションを作るのは初めての事。経験もなしにいきなり作るのは難しいんじゃないか…と思われるかもしれません。
まあ、確かに普通のモーションならその通りなんですけど、今回は「スカイダイビングしながら縫い物する」という特殊なモーションなのでどこかにお手本があるわけではありませんし、それっぽく見えればいいのです。
それと初心者が作るとどこか地に足が付いていないような、重心がどこにあるのかよく分からないモーションになりがちなんですけど、今回はそれを逆手に取る事ができます。欲しいのは空中のモーションですからね。むしろ地に足が付いてない方がいいのです。
UMotionはIKとFKを使って簡単にモーションが作れるので、必要なモーションはものの数時間で全て用意する事が出来ましたよ。
3.ゲームバランスはどうするか?
ここが一番コロコロと変わった部分です。
このゲームはキーボード(左手)で自キャラを動かし、マウス(右手)でボタンを縫うマルチタスクなゲームです。
各々の操作は別に難しいものではありません。むしろ簡単すぎて大人だと絶対に物足りなく感じるでしょう。でもこの2つを同時に行なうと難易度がぐーんと上がるんですよ。これには私も驚きました。
ですが開発当初、その事実について私は全く知らなかったので企画内容はもっと重たい内容だったんですよ。
左側の画面ではYシャツの他に敵が出現し、右側でボタンを縫った時に発生する衝撃波を当てると倒せるという遊びを考えていたんです。さらに縫い方によって違う技が出るみたいな事も…です。
そこだけを取ってみれば確かに面白そうな気はしますよね。
でもYシャツを回収してボタンを縫うだけで充分難しいのです。その上、そんなものまで実装したらユーザさんは完全にキャパオーバーしてしまった事でしょう…。この辺りはオミットしてよかったと思ってます。
■今回の結果を振り返る
と、そんなこんなで完成した「手芸ex」ですが、結果としてはかなりいい感じでした。次はその結果について振り返っていきます。
PV数 473
PV数は結構おとなしめ。外部の方に紹介されると上がりがちですが今回はそんな事はなかったようです…😑
評価数 153
過去最多の評価数です! 私はu1w参加タイトルはほぼ全て遊ぶことにしているので、基本はそのお返しで評価して頂けているのかなと思います。今回はサムネイルの効果でその割合がいつもより上がったのかもしれませんね。
コメント数 81
こちらも過去最多で40名の方からコメントを頂きました(半分は私の返信です)。ツッコミ所のあるゲーム内容だとコメントしやすくなるのかも…。
楽しさ 5位(4.368)
難しいゲームなのでそこまで上がらないというか評価が割れる部分かなと思っていたのですが、意外と受け入れられたようでほっとしました。Yシャツが溜まりやすいゲーム性なのでそれを一気に解消できるアイテムを用意したのが高評価に一役買ったかもしれませんね。
絵作り 44位(4.29)
正直もうちょっと上がるかなと思ってましたが…いえ、やっぱり妥当な評価だと思います。まだまだ伸びしろのある部分なのでこれからも精進していきたいですね。それにしても絵作りは上位陣が強いですよね。作風とか全然違うので比較する意味はあまりないですけど…。
サウンド 27位(4.142)
今回はユーフルカさんの楽曲をメインにしました。BGMがカッコよすぎるのでそれに負けないゲーム実装を目指したのですが、結果はまあまあ?といった所でしょうか。扱うのはとても難しい楽曲だと感じました。
操作性 15位(4.032)
キーボード側とマウス側でそれぞれ快適な調整を行なったつもりでしたが、やはり同時操作になると難しくなりがちでその影響で点数を下げてしまった所はありそうです。でもこのゲームは(操作性=ゲーム性)という所もありますので…改善はなかなか難しいですね😑
雰囲気 42位(4.213)
このゲームはとにかく勢い重視。でもそれは雰囲気とは真逆なのでは…と思うところがありましたが、ありがたい事に高めの評価を頂きました。それにしてもこちらも上位陣が強いですよね。まあ、でもやっぱり作風が全然違うので…。
斬新さ 2位(4.632)
斬新さ2位ですと!? unity1weekは他のどの項目よりもとにかく斬新さで上位を目指したいという気持ちはあったのでこれは本当に嬉しい結果です。まあ、作中で「まったく新しい競技」と言ってしまったので、それでユーザさんが擦り込まれてしまった可能性は否定できないですけど…😓
■まとめ
今回は色々と新しいチャレンジが出来て本当に良かったです😃
そのおかげで開発の幅が広がったんじゃないかと思いますし、今後やりたい事なども増えました。次は3Dゲームのレベルデザインとかにも挑戦してみたいですね。
「手芸ex」の今後の展望としてはキャラ変更やコース追加、ランキング機能の強化などをしてスマホやSteamでリリースしてみたいというのはありますけど、やるにしてももうちょっと先になりそうです。今は別のタイトルをメインに作っていますからね。
という事で今回unity1weekの振り返りでした。
■追記 個人的に印象的だったタイトル
せっかくなので今回のunity1weekで個人的に印象に残ったタイトルをご紹介します。
孤高のタワーディフェンス - obeco
サムネイル画像からは想像つかない唯一無二な世界観に圧倒され引き込まれました。しかもただ奇をてらっているだけではなくチュートリアルやゲーム部分、ストーリーなどがしっかり作り込まれていて最後までちゃんと楽しめる快作でしたね!
がいこつさんがころんだ - をる@ ゲーム制作
ゲームとしては「だるまさんが転んだ」なのですが、止まる時にわざとらしく倒れ込むオオカミの動きが可愛らしくてこれが印象的です。フフって思わず笑ってしまいました。
ZEN ~高次元瞑想ゲーム~ - MONDY
所謂タイミングゲーなのですが、ばっちり決まった時のエフェクトやSEがとても気持ちがよく、何かに目覚めてしまいそうな気さえします。とてもスピリチュアルな怪作だと思いました。
クリッカー F - こぁ @ coacoasoft
よく説明を読まずに進めてたら突然Feeが発生して破産に追い込まれるという人生の教訓を教えてくれる良作です。契約書などはよく読みましょう。それにしてもこんなあくどい商売をする会社なんて実在するんでしょうか? 実はモデルがあったりとか…??
いぬたまさんがころんだ! - Keke
これは究極の癒し空間…!! 日々、薄汚れてしまった心が浄化されていくようでした。やっぱ手描きの絵って温もりが違いますよね~。
Sugar's cat ~シュガーの猫~ - ねこじゃらシティ
めっちゃ完成度高い…!! というかすでに製品クオリティですよねコレ。遅刻されたとはいえ普通このクオリティに仕上げるのはなかなか出来ないですよ。驚愕の作品!!
武器が26個もあって1回の戦闘で1個選べるシューティングゲーム。強い武器でゴリ押すのもいいですけど、毎回何が出るか分からないものを選ぶプレイスタイルも楽しいですね。ストーリーもエモくて良かったです!
以上、お疲れさまでした~。
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