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#夢にみるのはきみの夢 | 読書感想文

推しが作家デビューしました

👆※1年前に書いた三田麻央さんnote

というわけで、ここ数日はいつもなら携帯を触っていた仕事の昼休憩文庫本を取り出すという優雅な(?)時間の使い方をしていました  読書がちょっと習慣づいたのでこれからも文庫本持ち歩いてみようかな…… 積み本を消化しなきゃなとはずっと思っていたのになかなか手が伸びずにいた私に変わるきっかけをくれた三田さんに感謝……

リンクを貼った昨年の記事にも書いた通り、私が三田麻央ちゃんを好きになったきっかけは「好きなアイドルグループの一員だったから」というより歳も近く、同じ趣味で、近い感性を持った女の子がアイドルをしている、ということに興味を持ったからでした。オタク特有の「推しだから買う」「ご祝儀買い」というより、好きな絵描き・字書きの作品を手に取るのに近い。商業作家デビューした彼女にこんな言葉を向けるのは大変失礼極まりないのだけど、オタクを楽しんでいる麻央ちゃんのことを長年追いかけているからこそ、同じ趣味を持っていることがきっかけで好きになったからこそ、麻央ちゃんが作家デビューすると聞いたときの感覚は好きなフォロワーが同人イベントに出て本(ここで書く「本」は同人誌のことを指しています)を出すと聞いた時に近い。いわば私は宝の地図にマークして真っ直ぐスペースに向かうオタクです

本編(というか最終章)を読んで、読了後抱いた感想をひとことで言おうとすると「やられた〜〜!!!!!!!!!!!!」に尽きる。推しが好きな展開もシチュエーションも、「こういう話が好き!」という話題に挙がるストーリーにどんなものが多いかも、長年一ファンとして推しのオタク話を聞いていて知っていたはずなのにどうしてこの展開に思い至らなかったのか、一瞬「私としたことが!」と思いました。やられた〜〜ッッッッ!!ちくしょう!!悔しい!!ウワーーッッッ!!!!時折挟み込まれる不穏なワードで何か起きるだろうなというのは予想できていたのに!!後半、物語がぐるっと動いて物語が一気に色を変えるシーンで「えっ?」と固まってしまったのでこれは三田麻央さんにしてやられたと思いました。最大級の賛辞。
ラストシーンを読んで「ああそうだったこの本は麻央ちゃんが書いたんだった…………」と頭を抱え、「そうだよそうだ彼女が好きなのはこういう話だ……」と痛いほど納得したというのに、「彼女はこういう話が好きなんだな」というのは頭にあったというのに、それまでの本編を読んでいく上で「こうなるんじゃない?」とちっとも思い至らなかったのは麻央ちゃんの描く日常のシーンのリアリティとあのラストに至るまで高まっていった主要キャラクター陣への愛着あってこそだと思っていて……呆然とした瞬間にそこまで物語に引き込まれていたんだなと気付かされた。ラスト予想を全然せずに読んでいたので思わぬ角度から突然刺されて完全に動きが止まった。映像化するならあのシーンでピタッとBGMが止まる演出のやつだ……と思いました
突然無音になるよね?絶対そう

このエンディングを読んでからそれまでの全てを思い返すとそこまで丹念に描かれた日常パートの平和さ、等身大の25歳オタクOLのリアルな生活(ご本人がオタクなのでものすごく耳馴染みのある言葉で綴られているのがまた)、主人公美琴ちゃんの言葉で綴られるエッセイのような軽快な語り口調、少女漫画みたいな甘酸っぱいラブシーン、すべてがこのラスト至る布石だったのか……と思い、ウワーーッッと頭を抱える 完全に三田さんの掌の上でコロコロ状態
最近チェンソーマン読んだんですけど、後半マキマさんの目的が分かったとこ読んだ時の感覚に近いな……………
「うそでしょ……??マジで……??」と放心してしまうし、まだ一周目なんですが全てを知った上で初めから読み直したらとんでもなく刺さるタイプの凶器のような話なんだろうと思った  ああ゛〜〜〜〜!!!!
そして三田麻央ちゃんのオタクは心底納得する羽目になるのですが、ナオくんの「愛」の形  これはそうですね  三田麻央ちゃんの描く「愛」ってこういうやつだね……オタクたくさんの心当たりがあるわ………となるとアイドル・タレント業で彼女が教えてくれた「好きなシチュエーション」「好きな展開」全ての点が線で繋がる感覚に近いのですが……  「ちょっと待ってくれちょっと待ってくれ、エッ?ちょっと……イヤ゛〜〜〜〜!!!!」となりながら第三章が終わり、第四章で100回くらい「そうだったこれは三田麻央ちゃんの著書だった」と思った 少女漫画系王道胸キュンラブストーリーの波動で忘れかけていたのだった そうですこれは三田麻央ちゃんの著書です

私も文章を書くオタクの端くれなんですがラストシーンでぐるっと物語が動くような作品は書いたことがないんですよ……予め終わり方を提示しておいてそこに向かうような書き方をしがちなので こういうの書いたことないんだよね
自分も書く側だからこそ「読者のこの反応絶対楽しいやつだ〜〜!!!!ウワ〜〜ッッッ!!!!」と思ったというのは大いにあります  私だったらラストシーン読んで「ウワーーッッやられたこうくるのかよ!!!!」と頭を抱えている読者がいたらニヤッとしてしまうな……
三田さんの掌の上で転がされている
推しの掌で転がるの楽しいな…………

何より 好きな漫画やゲームが被っていることが沢山あったんですけど流石に彼女の職業柄所謂カップリングトークであったりキャラ単品の一枚絵でないカップリング要素のあるファンアートなどは表に出せない部分があったかと思いますので、単行本一冊分の麻央ちゃんの創作の世界に存分にのめり込めたこと、オタク・三田麻央のファンとしてこんなにも嬉しいことはないです  これぞまおきゅんワールド これだよこれ 推しの作品が甘々ラブストーリーで終わるわけがないじゃないですか これだ〜〜!!!!!!!!

わたしは文庫サイズの本作ったことがないんですけど 小説文庫サイズをこの厚みにしようとすると何万字になるんだろう。同人オタクっぽい計算をしてしまって申しわけない……私の中ですごく書いたなと思った時ですらA5サイズ50頁強だったかと思うので、やはりこの文字数の創作の世界に浸れたのはありがたさこの上なしです。世に出してくださってありがとうございます、マジで同人オタクの感想でしかないんだよ……

麻央ちゃんのファンで良かったなあと思った点、以前太田夢莉ちゃん・谷川愛梨ちゃんとニコ生でやってた朗読劇企画「3人のクローゼットドラマ」を楽しみに聴いていたので、ページを捲ったまず最初のモノローグが麻央ちゃんの声でするすると頭の中で聞こえてきたこと。あれは本当に朗読劇聴いていてよかったです。こんなにもスムーズに脳内再生されるものなんだな。

26歳オタクOL、推しが書く25歳オタクOLのお話をオフィスのお供にできて本当によかった これは今読めて良かったなと思いました 本当に等身大だったからこそラストシーンが活きてくるというか、等身大だったからこそのめり込んで読んだし、第三章終わりで突然現実から移動させられるような感覚がすごい。あの舞台がぐるんと回る感覚、すごく好きです  三田さんは多彩だなあ……

こうしてあらゆるコンテンツで推しが作り上げたもの、推しがやりたいことが形になっているものを手にできている事実がうれしい、これはタレント三田麻央のファンとしても思うことですし、同世代の一オタクとしても思うことです。

次作があるなら是非読みたい……!三田さんの文体は本当に読みやすくてするする脳内に入ってくるし、堅苦しくなく適度にほぐれていて好きです。

面白かったーーーーーーー!!!!

好きなキャラクターは今宮華那ちゃんです。





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