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誰かのお嫁さんになったあの子へ

(2020/08/14   加筆修正しました)

「ちょっと前に総選挙で結婚宣言した子居ったやんか。私実はあのときあの子に投票してたんよね」

だいたいの人にはそれだけで「うわあ〜!ご愁傷様!」という顔をされる。推している俳優にスキャンダルが発覚して大ショックを受けている子に話すと「まあそれよりかマシか……」という顔で笑ってくれる。48グループのファンの垣根を飛び越えて、日本中が皆知っている。そのくらいセンセーショナルな出来事だった。

あの日、前日まで「須藤凜々花」の顔も名前も所属グループも知らなかったような人たちが、一様に「ファンがかわいそうだ」「投票したファンを馬鹿にしてる」「自分の推しにこんなことされたら立ち直れない」「自分の推しだったらと思うとぞっとする、許せない」「ファンの人、裏切られて本当にかわいそう」と怒っていた。
のですが、
当の凜々花のオタクはというと、意外かもしれないけれど、意外と皆ニコニコしていた。
いや、もしかしたら本当に怒って絶望して泣き崩れていたファンの方もいるかもしれません。私如きがファン代表みたいなことを言うわけにはいかない。

でも私の観測範囲内では、凜々花のファンは笑っていた。嘲笑とか乾いた笑いとか呆れた笑いとかではなかった。「りりぽんまじかよ!」「あの子ついにやってくれたわ!」「幸せになれよ!」という快活な笑いだった。

果たして、私たちは裏切られた可哀想なファンなのだろうか?

何年か考え込んだけれども、私は、あいつに裏切られた!私の気持ちを踏みにじりやがって!そんな適当な気持ちでアイドルやってたのか!等々…………とは一瞬も思っていない。
私はあの年投票したことも、須藤凜々花の20位に貢献できたことも、須藤凜々花のファンでいられたことも何ひとつ後悔してないし、好きになって良かったと心底思ってるよ。

それがあの年のあの日からず〜〜〜〜〜っと思っていることです。

私自身、リアルタイムで総選挙を見られていなくて、Twitterで目にした第一報には、正直、「え!?」と思って、そのあとにめちゃくちゃ爆笑した。
最初は「NMB48というグループが私の結婚相手です」「ファンと結婚するくらいの心づもりで」って意味合いで言ったのかな?と思っていた。(ファンの皆さんが私の恋人です❤ってアイドルの常套句じゃないですか)。
そしたら意外や意外、ガチの結婚だったわけである。

確か小嶋陽菜さんが「そのうち誰かが結婚します!って卒業するんじゃないかと思ってた」という意味合いのこと言っていたような気がする。私自身そのコメントで受けたショックは全然なく、まだ実感も出来ておらず、まじで言ったの!?!!?嘘でしょ!!?!?でも誰かはいつかやると思ってたよ!!でも……まじで!?!?えっ!?りりぽんお前か〜〜〜!!!!と、その場ではある意味お祭り気分だったのだ。結婚って慶事だし……。いや、誰がなんと言おうとこれは慶事なんだよ…………。結婚なんだから……。

辛かったのはその後で。

アイドル須藤凜々花を知っている人、知らない人、48のファン、全く興味がない人、全方位からあらゆる誹謗中傷が推しに降り注いだし、「あんな奴を応援してるファンもどうかしてる」とこっちにも批判が飛んできた。酷い言葉をかけられる推しを見るのも、「好き」という気持ちそのものを悪とされるのもつらかった。
「あんな奴を好きでいつづけているなんておかしい、応援しているファンもファンだ。悪い奴には悪いファンがつくに決まってる」という類の発言をたくさん見た。その度に、自分の「好きだ」という気持ちが、楽しかった思い出が、彼女の言葉を聞いて笑ったり胸を打たれたりした気持ちが、「面白い子だなあ!応援したい」「この子素敵だなあ」「素敵な文章を書くなあ、好きだなあ」と思った気持ちが、いろいろな「好き」がぐしゃぐしゃに黒塗りされるような気持ちになった。つらかった。そんな気持ちは全部封印して、この子を嫌いにならなきゃいけないんだろうなあと思った。

結婚発表後のコンサートに行った。
物販で凜々花ちゃんのうちわを買おうと注文したら、どこかから「うわあ……」と声が聞こえた。
うーん……まあ、嫌な人もいるよね……仕方ないよね……。と、席に座って開演を待っていたら、私が持っていたうちわを見た人に声をかけられた。初対面の人だった。

「りりぽん推しなんですか?生写真いりますか?」
「えっ?良いんですか?でも私、交換できるようなもの何も持ってないんです」
「あ、全然大丈夫です、もらってください」
 
私は生写真を買わないタイプなので、交換すら全くやったことがない。びっくりして声をかけてくれた方の顔を見た。
こんなのどうせいらないし、という顔をしていた。

ありがとうございます、と笑顔で受け取りながら、内心凄く悲しかった。

もう忘れよう。つらくなるだけだ。他のアイドルを推そう。48Gには何人ものアイドルがいるんだから、好きでいるのをやめよう。何度も思った。
応援している女の子の人生の選択のことは素直に応援したいのに。ひとりの人生を応援したいのに。
何人もの人から向けられるたくさんの悪意が苦しかった。

でも一度大好きだと思った子を簡単に嫌いになんてなれなかった。可愛さ余って憎さ百倍になれたら楽だった。「最低の女!裏切り者!大嫌い!」とみんなと一緒に批判して、アンチになれたらどんなに楽かと思った。
でも私はアイドル須藤凜々花を応援しているのはもちろんのこと、「この子面白い」「素敵な子だな」と人柄に惚れ込んで、人間須藤凜々花のファンになっていた。ひとりの女の子を応援したいと思ったので、応援している女の子が好きな人と結婚するのだというのに、どうして犯罪者みたいに扱われるんだ?どうして喜んじゃいけないんだ?祝っちゃいけないんだ?おめでとうって思うのもダメなの?好きな人の幸せを願うのは間違っている?好きな子が好きな人と幸せになろうとしているのに……。というもどかしさはたぶんずっと忘れない。

前にネットで見た、「J-popの『世界が君の敵になっても僕が君を守るよ』みたいな歌詞、「君」はいったい何したんだよwwwwww」みたいなコピペ、
このSNS時代、案外簡単にそんな状況って生まれちゃうんだなと思った。

あと、個人的に私は須藤凜々花の結婚宣言以前から「結婚相手が見つかりました!」って卒業していくの、なんでもありのAKBらしくてわりと面白くてアリなんじゃないかと思ってたんです(というか、今だから言う話なのですがもしかしたら小嶋陽菜さんあたりがやっちゃうかもなあと思ってた……彼女は今でも独身ですが)。
それ以前に恋愛スキャンダルですっぱ抜かれた後に「アイドルではなく別の夢があって、私は〇〇を目指しているのでその夢を叶えるために……」と卒業発表した子を見たことがあり、卒業発表で嘘をつくのはなあ……と少しモヤッとした気持ちになった経験があったこともあり……。潔く「そういうことなので、卒業します!」という子が一人くらいいてもいいんじゃない?と思っていたんですが、ファーストラビットだった凜々花がこの叩かれようではもう今後は誰一人真似しないだろうなと。そこに寂しさも感じています。それが正しい、それこそがアイドルのあるべき姿だ!と思う人も多いとは思いますが、嘘をついて、形式上「きれいな卒業」として旅立たれるより、私個人の性格としては本当のことを知りたいな、と思うのです。

話が逸れた。

さて、私が一番怖かったのは、勢いで結婚宣言をしてしまったけれど予想外に大批判を浴びて、こんな女と結婚するのは嫌だと思われるようなことがあったらどうしよう、愛想を尽かされてあの子が路頭に迷ったらどうしよう、アイドルの夢を全て捨てても全てをかけたい相手まで失うことになったら、と心配していたので、入籍報告を聞いた時は本当に本当に本当に本当に安心した。本当に幸せになって欲しい。

批判の言葉を読んでいると、ああそれは正論だなあ……そうだよなあ……あの子馬鹿なことしたよなあ……と思ったことは何度もあったけれど、でも彼女を嫌いにはならなかった、今でもずっと大好きなままだ。

あと、この回の総選挙といえば……渡辺麻友ちゃんの卒業発表なのですが……。麻友ちゃんのファンはあいつを許せるわけないという論調がめちゃくちゃあったのですが……。元々柏木由紀ちゃんのファンで、浦野チームB時代からのまゆゆきりんの関係が大好きで、渡辺麻友ちゃんのことも勿論大大大好きだった私はもうどうしたらいいのかと。あの時はもう「まゆゆの味方は須藤の敵」みたいな風潮が完成されていたので、すっかり路頭に迷っていましたね……。だって私は二人とも大好きなんだもの……。(アイドル優等生のイメージが強い麻友ちゃんですが、柏木由紀ちゃんをはじめ気を許した人の前では自由奔放でマイペースで、びっくりするくらいハイテンションだったりついていけないくらいはっちゃけていたり、そんな無邪気な顔を見せるそんな彼女が大好きだったんです)「二人とも大好き!」ではダメなのか。あの夏はその二律背反もあったなあ。
麻友ちゃん、あの性格だから、「私、今日卒業発表するからね!私の発表を邪魔するようなこと言わないでよ!私が一番目立つんだからね!」みたいなことは絶対言ってなかったと思うんですよ。きっと予想外の事態だっただろうに、目立ちたいから別日にしよう、と先延ばしにするでもなく「それでも今日言いたい」と決意を貫き通した麻友ちゃんの凛とした勇気も讃えたい。

アイドルを応援するにあたり、Aを応援するならBの敵でいなければならない、ということは絶対にないと思います。
だから私は、2人のことが大好きな私のままでいようと思います。

さて、須藤凜々花ちゃんの話に戻ります。
彼女が卒業後書き綴っていたコラムがあります。

周りの批判の言葉をずっと聞いていると、彼女のことを好きだと思う気持ちに自信が持てなくなる時もあって、それでも凜々花の書く文章に心底惚れ込んでいるわたしは、これを読み返す度に「好きになってよかった」と思い直す。noteで美しい文に触れるのが好きな人ならきっと琴線に触れるものがあるんじゃないかと思います。

芸能界を引退することになった彼女が書いた最終回の締めがあまりにもあまりにもエモーショナルで詩的で胸がぎゅっとなって大好きです。

何の解決策も書けなかったけれど、
あなたが愛に傷ついた日や、
好きな人よりも孤独が近い夜に、
ふと読んでくれたなら嬉しくて泣いちゃう。
(最初に挙げた曲も、本当に好きな曲だから、ぜひ聴いてみてね。)

全てを捨てるつもりで人を愛したら、
大好きな人に囲まれていたことに気づきました。
読んでくれてありがとうございました。
さようなら。愛してる。

りりか

私は、アイドル時代にブログやコラムなんかで須藤凜々花が書く文章を読んで、彼女の紡ぎ出す文章に惚れ込んで彼女を応援したいと思ったんだよな、と思い返す。

どこかでまた彼女の書く文章に出会いたいな。

彼女のアイドル人生の終着点

須藤凜々花ちゃんが最後に参加した曲は、彼女が結婚宣言をした総選挙の結果でポジションが決まったシングルのカップリング曲でした。

私の中で、AKB48の中でもトップクラスに好きな曲です。
最近結構コンサートで聴く機会が多いからメンバーにも好きな子が多いんだと思う。「アイドル」のイメージからは離れたただれた恋をする女の子の曲。

包帯をしているあたしの手首は 恋した数だけ印がある

というセンセーショナルな歌詞から始まるこの曲。
現役アイドルにこの歌を歌わせるか……!
というアダルトな歌詞が並ぶ曲です。

「だらしない愛し方で自分を傷つけた 
どうでもいいプライドのせいで」
「後悔なんて無縁でごめん」

これは勝手な私の予想なのですが、
大々的に「卒業シングル」が出なかった(出せなかった)状況で、きっと彼女から着想を得た歌なんじゃないかなあ、と勝手に思っています。

MVが廃退的で美しくて大好きなのですが、アイドルとして最後に撮られた凜々花が本当に本当に本当に綺麗で。
フルバージョンでないと見られないのですが、終盤、落下していく凜々花が花びらになって消えるカットがあります。息を呑むくらいに大好きです。

「満身創痍もあたしの人生」

これがこの曲の最後のフレーズ。

この曲が収録されたシングルが発売されて、フルバージョンのMVが世に出たその日が、須藤凜々花ちゃんの卒業公演の日、アイドルとして最後の1日でした。

2017年8月30日

凜々花がいっとう美しく撮られたMVが世に出たその日に、これはきっと凜々花のことを歌っているんだろうという曲が発売された日に、彼女は卒業してアイドルではなくなってしまう。
曲の主人公(なのだろうと思われる)凜々花が発売日当日に卒業してしまったから、「だらしない愛し方」をオリジナルメンバーで披露する機会は1度もありませんでした。

まるでフィクションみたいな去り方でした。

凜々花ちゃんが卒業公演のラストソングに選んだのは「ショートカットの夏」、彼女のソロ曲でした。

ショートカットの君に恋して
ひと夏過ぎるのだろう
肩くらいまで 髪が伸びたら
大人になれるよ 最後の季節
須藤凜々花「ショートカットの夏」より

髪をばっさりと短く切って少年みたいなショートカットにしていた凜々花は、卒業公演の日、ちょうど肩くらいまで伸びた髪を編みこんで後ろでまとめていました。

曲の中に出てくる通りの夏の終わり、「最後の季節」。

本当に、何かの物語の登場人物みたいだと思います。
そんなストーリー性まで含めて、やっぱり彼女の「物語」が好きで、だからこそ須藤凜々花のことがやっぱり好きなんだと思います。

48グループはとにかく大所帯のグループです。研究生のうちに辞めていった子も含めたら、「元48グループメンバー」は日本に何百人といるはずで、その中には間違いなく「実は彼氏が出来たので卒業します」という子がいるはず。言わないだけで。

指原さん峯岸さん柏木さんをはじめ、スキャンダルを週刊誌に撮られた事がある子だって数多くいます。

もし本当にずるくて性格が悪い子だったら、「スキャンダル?週刊誌?え?私知りません」ってしらばっくれれば良かったはず。「学業に専念したくて」「グループの外で独自に活動してみたい」等々、適当な卒業の言い訳はいくらでもあるはず。
そうしたら、もしかしたら卒業コンサートができたかもしれません。卒業曲や卒業センターがもらえたかもしれません。もっと素敵な卒業セレモニーができたかもしれません。

でも、
「本当に好きな人ができました、諦められません。
遊びじゃなくて本気の恋です、だから私はアイドルを諦めてその人と結婚します。」


そう素直に告げたことで、彼女はたくさんたくさん誹謗中傷を浴びました。全ての批判を受けた上で、ささやかな卒業公演をした上で去っていきました。

ほんと~~~に馬鹿正直だなあと思います。
そんな須藤凜々花ちゃんのことがやっぱり大好きなので、本当に幸せなお嫁さんになってほしいなと思っています。

私が今でもアイドルを大好きな理由

須藤凜々花ちゃんという人間が好きだからアイドルじゃなくなっても、誰かのお嫁さんになってもずっと応援している。
それなら須藤凜々花ちゃんがいなくなったNMB48というグループのことはどう思っているのか?

結論から言うと、凜々花の結婚宣言、そして卒業をきっかけにNMB48のことがもっともっと好きになりました。
少しだけ思っていました。こんな形で推しが卒業するんだから、NMBを応援するモチベーションが続かないかもな……って。
でも彼女達のコンサートを見たら、推しと一緒にオタク卒業……なんていう気持ちは吹っ飛びました。

これは凜々花の卒業前最後のコンサートの記事。
めちゃめちゃ泣きました。
こんなことがあったのに、先輩たちが凜々花に注いでくれた愛、そして去っていく凜々花の「NMBが好きだ」という気持ちに、めちゃくちゃ泣きました。

その日のことを書いた吉田朱里ちゃんのブログ。今読んでも泣いちゃう。
https://ameblo.jp/nmb48/entry-12299517307.html

女ばっかりのアイドルはギスギスしてるに決まってる。
裏では絶対仲が悪いはず。
そう思っている方に絶対読んでもらいたい。

私は間違ってるのかもしれないけれど、
結婚宣言後のコンサート、アイドル最後の大きなコンサートで、ステージ上の彼女が客席を見て「私の事を応援してる人なんてもういなくなってしまったんだ」なんて思うようなことがあったらそんな悲しいことはないので、うちわをペンライトで照らして、ステージからも見えやすくして、大声で名前を呼んだ。
前述のうちわや生写真の件もあったし、周りの人は「うわなんだコイツ」と思ったかもしれない。
でも少しでも届けたかった。あなたのことを好きな人はまだいるんだよ、応援してるよ、一人じゃないよ、って思いを届けられたら、と思った。

結婚宣言のとき、皆「は?こいつ何言ってんだ?」という怪訝な顔で静まり返る会場で、場を和ませて盛り上げるためとはいえ、まだ冗談だと思っていたとはいえ、「おめでとう~!」と歓声をあげた仲間達。

凜々花と仲良くしている子達は「恋愛推奨派だ」「きっとこいつにも男がいるんだ」「アイドル失格」と火の粉が飛んでくることもありました。
「こいつはあの女と仲がいいぞ!つまりこいつも男遊びをしてるはずだ!」って濡れ衣を着せられて名指しで批判されていることだってありました。

ずる賢い子なら、「叩きムード一色」になっている時勢を読んで「こんな責任感のなくてだらしないやつ、もう仲間とは呼べません」という顔をして、そうしたら「この子はスキャンダルに厳しい!清廉潔白だ!信頼できる!」と褒めて貰えたでしょう。きっと。


きっと、中には「皆が一生懸命頑張ってる時に彼氏!?こいつ何してくれてんの!?こんな騒ぎになってグループに悪いイメージつけて!!周りに迷惑かけないでよ!」とめちゃくちゃ腹が立っている子もいたはず。

でもそれを表に出さなかったのが彼女達です。

でも、NMBの女の子たちは、「どんなことがあっても、凜々花は苦労を一緒に乗り越えてきた私たちの仲間だよ」という姿勢を、凜々花のアイドル最後の日まで保ってくれました。
そんな彼女たちの態度に、凜々花のことを応援している私がどんなに救われたか。

「まともなファンはとっくに見捨ててる、残ってるのは何も考えてないやつだけ」みたいな声がネット上に飛び交っていた頃です。
一人の女の子として幸せになってほしいと思う私は、「夢を諦めてでも、今の立場を投げ捨ててでも、好きな人を大事にしたい」と言った女の子を嫌いになれない私はまともなファンじゃないのかなあなんて思ったりしました。
もしあの時、NMBの女の子たちが一斉に凜々花に冷たい目を向けたら、私はとっくにアイドルのオタクをやめていたと思います。

「アイドル」として正解の対応なんてわからないけれど、少なくとも私は、彼女を「ルール違反者は私たちの敵」と扱わなかった女の子たちのことが、批判を浴びても「それでも仲間だ、一緒に苦労を乗り越えてきたことは事実だから」と守り続けてくれた優しさが、大好きになりました。

今でもNMB48の、仲間への愛に溢れた女の子たちのことが大好きです。

時は流れて、凜々花が卒業した2年後の秋の終わり。
凜々花と特に仲良しだった太田夢莉ちゃんの卒業コンサートで、りりかがセンターを務めた曲を歌い、りりかのソロ曲を歌い、「ゆーりりぽん」でダブルセンターを務めた曲を歌い、スクリーンにMVが流れて、客席でコンサートを見ていた、今は一般人の女の子に戻った凜々花がカメラに抜かれた瞬間、暖かい歓声がわっと上がったときに、本当にこのグループが好きでよかったと思った。


彼女がいたことはタブーになっていないし、彼女の曲だってきちんと歌い継がれています。
須藤凜々花ちゃんがいたこと、彼女のアイドル人生は、NMB48というグループの「黒歴史」にならずに、きちんと物語の一部になっているのが何よりうれしい。




ころまさんの記事を読んでぼろぼろ泣いた日、あ~~、やっぱり私は須藤凜々花ちゃんのことが大好きだったんだなあ、と思った。

今も元気に幸せな奥さんとして暮らしていてくれたらいいな、と思います。

須藤凜々花ちゃんを好きになって良かったです。

どんなことがあっても。











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