産廃処理施設を設置する時に知っておきたいこと②

環境コンサル行政書士法人の若月です。

前回の続きです。
産廃処理施設を設置する時の土地の条件について

まず、一つ質問させてください。
皆さんが産廃処理施設(破砕機や焼却施設などをイメージしてください)を設置しようと思ったならば、どのような場所が向いていると思いますか?

人が多く住む住宅街でしょうか。
商店が立ち並ぶ商業地域でしょうか。
商業ビルの立ち並ぶオフィス街でしょうか。

きっと違うんじゃないかと思います。
人や建物の少ない、のびのびした地域を想像されるのではないでしょうか?

何もない田舎の方が大きな音や振動を立てても、苦情になりにくいですよね。

なので、田舎であるほど、また、人と建物が少ないほど産廃処理施設は設置しやすいということになります。

そちらの前提を踏まえて、それぞれの用途地域の特色を見ていきましょう。

【工業地域、工業専用地域】
工場などの製造拠点が立ち並ぶエリア。産廃処理施設のほかにも排ガスや排水を大量に排出する施設が立ち並び、そのための地域づくりがされている。なので、産廃処理施設を作りやすいエリアです。ただし、規模の大きい産廃処理施設を設置する場合は産廃処理施設設置許可のほか【建築基準法51条但し書き許可】が必要になるため、1~2年程の期間がかかることがあります。

【都市計画区域外、白地】
自治体が都市として発展させていくエリアの外の区域です。様々な規制の対象外となるため、産廃処理施設を設置するには、手続きが最も簡単なエリアです。しかし、山岳地帯などの交通の便が悪い地域が多いため、事業を行う上で立地がネックになることがあります。

【準都市計画区域】
開発を抑制して適度な自然を守るのが準都市計画区域です。市街化を抑制するのであれば産廃処理施設の設置に向いているのではないか、と一見思いますが、そこが大きな落とし穴になります。処理施設を置くための処理施設設置許可建築基準法51条但し書き許可に加え、工場や社屋などの建築物を造るための開発許可が必要になり、産廃処理施設を作るための必要な許可オールスターといった状況になります。売りに出していて安価な土地も多いので、先走って土地を購入してしまうのがよくあるケースです。

ざっとこのような感じです。
これ以外の住居地域や商業地域は、そもそも産廃処理施設設置に向いていないと思ってください。

産廃処理施設設置は準備が肝です。
大きな損失を生む前に、専門家に相談しましょう。

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