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植物の生の哲学 混合の形而上学を読んで

不登校の子を持つ保護者グループ「cotton~こっとん~」さんと一緒に11/20に「森のスコラStudy with forest」という学びの機会を設けました。今回は大地に触れる喜びと学びがテーマで地層見学のほか堆積実験や地質図を通して地面の下がどうなっているのかについて自然に触れ学びを深めました。内容は小学6年生の地層学習で行ってきたものを基にしたものです。学習の中で水を入れたメスシリンダーに砂利を落として堆積の様子を観察します。れきと砂と泥が水中を落ちていく動作を興味深く思いつつ本書「植物の生の哲学」のことを思い出しました。

本書はこれまでの哲学が人間や動物を元に深められてきたことを指摘し、これに対して植物に学ぶ哲学を提案しています。確かに私たちは植物が調整してくれている大気の中で暮らし、自分の中に取り込んでいます。本書を読むといわば内と外というものがないことに気づき、呼吸一つの意識が変わっていくような感覚を憶えます。

近現代は境界を作ってその内側にこもって純粋で清潔で閉ざされた空間を構築するという考え方で進められてきましたが、ここにきて外からの訪問にさらされそのような空間が元からなかったことを感じざるを得ない時代になってきました。その現れとして気候変動の問題や感染症の拡大もあるのではと思います。

アメリカの環境哲学者のティモシー・モートンは「自然なきエコロジー」などで人間と自然という対立構造で考える自然の概念がすでに終了していると指摘していますが、内と外ではない自然観が必要とされていることを感じます。

「森のスコラStudy with forest」は今後もあらゆる森を舞台に続けていこうと考えていますが自然とつきあうことによって自分もその一部であること感じる内と外ではない学びができればいいなと思います。それは学校という閉ざされた空間での学びとはまた違ったものになるとのではと思います。(橋本勘)

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