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代理購入でソウル郊外にキャンプ用品を買いに来た話

最近は韓国のフリマアプリで掘り出し物を探す日本の方も多いらしく、出品されている中古のキャンプ用品を購入して欲しいという依頼を受け、はるばる地下鉄を乗り継いでソウル郊外にやってきました。アプリの名前はタングンマーケット(人参マーケット)で、日本にもキャロットという名前で上陸しているとのこと。メルカリみたいに発送を通して取引するものではなく、近場の人と直接会って取引するもので、韓国のフリマアプリの中では指折りのサービスになっています。

近場の人としか取引できないアプリ

タングンマーケットの特徴として、面白いのは、自分が取引する地域(自宅や職場)などを、GPSで認証して、その地域の出品物だけ購入できるということ。商品を見つけて、出品者に連絡を入れて、1時間後には取引完了なんてことも珍しくありません。しかも、お金は現金か会った目の前で銀行送金が一般的で、今のところ手数料はありません。今回のクライアントが欲しがっていた商品は出品者がソウル郊外の地域ということで、私の住む場所からは、地域認証ができず出品者へ連絡することもできませんでした。しかしながらクライアントの要望で、取引の成立成否に関わらず仕事料をいただけるということで、地下鉄に乗って、販売者の住む地域へと移動しました。

初めて来たトルゴジ駅

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地下鉄6号線のかなり北、ソウル市城北区の外れにあるトルゴジ駅。平日の通勤時間を1時間外しただけで、人影もまばらです。城北区ならまだ郊外という感じではないけどなんだかちょっと寂しい雰囲気です。タングンマーケットのアプリを開いていると地域認証が自動的に終わり、出品者さんに連絡できることに。便利な(怖い)世の中です。『買いたいんですが、買えますか?』と簡単にメッセージを入れたら、10分以内に買えますよとの返答がありました。商品の状態を確認し、クライアントにも報告すると、Goサインが出たので、40分後に販売者さんの住むアパートへ取りに行くということで段取りがつきました。

レンタル自転車を借りて販売者さんの元へ

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出品者さんの家は駅からは歩いて30分近い距離だったので、レンタル自転車を借りて行くことに。レンタル自転車はソウル市内のあちこちにあり、1回1時間、1日何度も乗り降りできる6ヶ月券が1600円です。本当に安価で便利な交通手段と言えましょう。アフターコロナで韓国旅行が解禁になったら日本の皆さんにもぜひ活用して欲しいです。

ブランド高層アパートのサムソンレミアンが目的地

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自転車に乗って漕ぐこと15分。目的地の高層アパート団地が見えてきました。出品者さんの出品商品は、韓国のキャンプメーカーのテントで、7万円するもの。テントとしては高額な部類に入るので、結構、余裕のある人なのかなと思っていたら、やはり住まいも、サムソン系列のブランドアパートのレミアンでした。不動産情報サイトで調べる(ソウルに住んでいるとアパートの値段をチェックするのは習慣になってしまいます)と、城北区の郊外なのに30坪で1億4千万円でした。5年前は5千万円台で取引されていたはずですが、郊外でもソウルはソウル。誤解の無いように言っておけば、このアパートだけなくソウルのどんなアパートも5年の間に坂を登るように家の値段が上がりました。借金をしてでも家を買った低収入の家庭の財産が、借り住まいしていた高収入家庭の財産を逆転してしまった5年でした。もちろん無理をして何軒か家を買った、高収入の人はあっという間に億万長者です。

時間があったので、周囲を自転車で見物してみると、ちょっと古めのドラマに出るような庶民的な住宅地がひっそりと並んでいました。1ブロック隣に家を買っていたか、そうでないかでつくこの差は如何ともしがたいです。

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約束の時間にアパートの入り口に着くと、身なりの宜しい50代のご夫婦が迎えてくれて、日本人がタングンマーケットを使うなんて珍しいねなんて和気藹々とした雰囲気の中で取引は進行。テントの説明をしてくれて十分に納得した後、目の前で銀行送金して取引完了。テントを自転車のカゴに載せて持っていくというと、車も無いのかと心配そうであり、可哀想なものでも見るような視線を向けてくるご婦人でした。このテントは明日には飛行機に乗って日本に行くことでしょう。何でも屋案件、この日は無事に終了です。



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