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2021韓国大統領選挙観察記録2

なんと言っても ユン・ソギョル!

今回の大統領選挙の序盤での注目は前検察総長のユン・ソギョルさんです。一時は40%以上の支持率があったのですが、6月終わりに立候補を発表してからどんどん下がってきて、最近の世論調査では半分の19%まで落ち込んだデータもあります。

なぜ、こんなに落ちたのか? もちろん、正式に立候補宣言をしてからマスコミや世論のチェックが入って、それに対応しきれていないという問題があります。法的には問題がなくても道義的に問題がある、というのが政治家の資格があるかどうかの判断基準になっていますから、ここで躓いていると言えます。立候補を宣言したからには政治家の言葉で話さなくてはいけないのに、いまだに検事の言葉で話しているという批判もここから出ています。

本来は高い支持率を維持したまま中道の支持者グループを固めて、その勢いで保守野党の「国民の力」と対等な形で合体して保守+中道の統一候補になり、60〜70%の得票率で大統領になる、というシナリオを本人やスタッフが描いていたようです。「国民の力」は早く入党しろとアピールしていましたが、1党員として入るのはメンツが許さない、戦略的にもマイナスと考え独自路線を歩んでいました。

ムンジェイン政権の批判をすれば、いままでムンジェインを支持していた中道は自分を支持するという、単純な論理で動いていたと思います。単純というか検察内政治というか、職場での政治的動きの延長線上に中道勢力の結集も可能と考えていたと思います。

ところがここに落とし穴がありました。例えば日韓問題でムンジェインを批判する、日韓問題がこじれたのは日本ではなくムンジェイン政権の対応の不味さにあったというと、これは韓国の政治地図のなかでは極右になってしまいます。いっぽうでは光州に言って518のことを称賛する。こうやって、右も左も(ホントは左でなく、韓国の民主主義の根本の一つなんですけど)顔を出せば中道になると考えていたとしたら、おめでたい話です。

中道というのは、左右の対立が厳しかった韓国ではなかなか育たない政治哲学というか政治スタイルです。昔、現代財閥のチョン・モンジュンが国民党を作ったり、アン・チョルスがブームになったりしましたが、定着はしませんでした。これを機会的に、あるいは羅列的に政策や訪問先を並べれば中道になると考えたユン・ソギョルはかわいいというか、インスタントというか政治家としては未熟な面があちこちで出てきています。

この辺のことを計算でき判断できる参謀が必要なんですけど、参謀の話を素直に聞くというタイプでもないようですし、ユン・ソギョル、無事に立候補までできるのか、これからもチェックしていきます。

これから、こんな感じで韓国の大統領選挙について観察していきます。興味のある方、応援お願いします。(田中)

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