マガジンのカバー画像

ウエノカナコの詩

61
以前から書いていた詩を、不定期でnoteにあげていきます。日付が残っていれば日付を入れます。私の心の叫びです。 過去の詩にも、後からタイトルを付けることにしました(2021/3/…
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

(詩)昨日と違う今日にする

昨日と違う今日にする 大きな夢や希望じゃなくて 昨日と違う今日にする その繰り返しで きっと 想像もつかない未来へ進む 昨日と違う今日にする 何か小さな一歩を出す 何か小さな勇気を出す 自分が「いいな」と思う 小さな変化を毎日起こす そうすればきっと 昨日と違う今日になる

(詩)こころのさかな

自分の胸の中に水槽があって みんなそれぞれ魚を飼っている 私のはきっと赤い金魚 魚はきっと生まれつき決まったやつがいて 水槽は 生まれてからきっとすぐに 作られ始める どのくらいの大きさなのか 強度はどうか 水槽の大きさや強さははきっと 子供の時に作ったら しばらくはそのままの大きさなんだ 私たちは毎日暮らしている時に 魚にエサをあげたり 水槽に水草を入れたり ブクブクを設置したり かわいく飾り付けをしたり 定期的に水を交換してあげたりする

(詩)タイムマシーン

タイムマシーンがあっても 乗りたくないってずっと思っていたけど なんてことない夏の日を 子供の頃の夏の日を もう一度体験できるのなら 乗ってみてもいいかもな

(詩)決まっている

プレゼントをもらったら 嬉しくなくちゃいけないの なぜって そう決まっているから ケンカしたら 「ごめんね」 「いいよ」 って仲直りしなくちゃいけないの だって 先生がそう言っていたから ニンジンはおいしいの だって お母さんがそう言ってたから 転んでケガをしても 痛くないの 「痛い」って泣いても お母さんは 「大丈夫。痛くない。痛くない」 って言うの 泣き止んだら 「えらいね」って言うの 「いい子ね」って言うの だから転んでも泣いちゃいけないの 「痛い」って言っちゃ

(詩)思いを馳せる

思いを馳せる 飛んでいく 今の自分から離れて そこには幸せがある だけど気を付けて 今の自分から離れる時は 必ず安全な場所で 空(から)の自分に幸せを入れるの 夢を見るの だけど気を付けて 今の自分から離れる時は 必ず安心な場所で

(詩)いつのまにか遠くまで来た

ずいぶん遠くまで来たな なんの進歩もない毎日だと思っていたけど あの一番辛かった日を切り取って 今日の横に並べたら はるか遠くへ来たと実感する カメの歩みか それともカタツムリか それでも それでも進んできた この数年は無駄じゃなかった 最悪の時間だったけど 今感じるのは カタツムリが カメが アヒルのヨチヨチ歩きくらいには なっているってこと 「ひょっとしたら いつか飛べるかもしれない」 アヒルがそう思えるのは あの最悪な時間があったから

(詩)何か

自分の目の前に川があって 流れてくる何かをつかまえる それがいいものかどうか いつも分からない その何かを自分の部屋に並べて その何かが好きかどうかを考える 自分の部屋にある 好きじゃない物 好きじゃなくなったものは 川へ持っていって そっと流す 「今までありがとう」 そう言って流す 今日も私は川辺に立ち 流れてきた何かを 拾ってみようかなと思える何かを つかまえる

(詩)「ありがとう」を人にあげたくない

人に「ありがとう」って言いたくない だってそれは僕の物だから 「ありがとう」は僕がもらうものであって 人にあげたくはないんだ 僕が「ありがとう」って言うたびに 僕の体の中の「ありがとう」が ひとつずつ減っていくんだ だから僕は「ありがとう」って言いたくないんだ じゃないと、僕の中が「ありがとう」で一杯にならないから 僕は「ありがとう」をもらうだけがいいんだ

(詩)今日は天気が悪かっただけ

今日は時間があったから 家でのんびりしようと思ったら 口うるさいお母さんが家に居た 今日は時間があったから 自分の趣味を思いきりやろうと思ったら 人のことにすぐ口を出すお父さんが家に居た なんでこいつら家にいるんだよ なんでいつも僕の邪魔をするんだよ ああ、僕も大人になったなあ 誰も何も邪魔なんかしてない 今日はただ天気が悪かっただけ あいつらが家にいるのはたまたま 今日はただ天気が悪かったようなもんだ 僕はお天気の日にやろうと思っていたことをやめて 雨の日にや

(詩)言葉

切ない 苦しい 悲しい つらい 私の言葉はいつもそれだけだった 切ない 苦しい 悲しい つらい 私の言葉はいつもそれだけだった 私はいつもそれ以外の言葉を選ばなかった いつも目の前にある感情だけ言葉にしていた 心の奥にある箱の中には いろんな思い出が入っていた ある日私はそれに気づいたんだ その思い出を箱から出したら うれしい たのしい 大好き ありがとう が目の前に現れた 私の持っている言葉は 目の前にあることだけじゃなかった 今の生活に目かくしをさ