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第4回 web版「ぼくいえ」 レンガキッチンでお掃除ラクラク。

なんか年末の大掃除特集のようなタイトルですいません。

キッチンの壁をレンガにしました。

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うちはキッチンの存在感がでかい間取りなので、キッチンのデザインには気を遣いました。キッチン以外は少し色がついた珪藻土ですが、キッチンも同じ壁というのはまず無理。さすがに汚れる。タイルばりもかわいいけどなんかもうちょっと普通の居間の延長みたいな雰囲気の壁にしたいんだけどなあ。そこで、雑誌で見たいい感じの色合いのキッチンの壁がレンガばりになっていて、いいなあと思ったのがきっかけでした。なんというか、森のキッチン?赤ずきんちゃんのおばあちゃんちみたいなイメージ?あ〜これ私だけのイメージすぎて人に伝わらない!!!

でもまあ、第2回でも書いたけど、やっぱなんていうか、新品ですうちの家!みたいな感じじゃなくて、最初からいい味に古ぼけてる感じを演出というか想定というかそこを目標に持っていきたいという気持ちが、家づくりを通してなんとなくあるのだろうと思う。

新品のスニーカーをちょっと玄関で雑に履いて古ボケさせてからじゃないとなんか照れくさい、というのと同じなのかなあ。ちがうかなあ。

けれど、できたときが一番ピカピカでステキで、それからどんどん一番じゃなくなっていく、なんて悲しいなあ、と思ったのだ。住むほどにいい感じになっていって、そこに私と夫が住んで、家といっしょに、人としていい感じになっていきたいのだ。

しかし今回「感じ」が多すぎるな。でもそんな感じ。先のことだから見えないし、何か日々努力してどうなることでもない。でも、そうありたいのだ。そういう感じなのだ。

そんなワレワレの打ち合わせに一から十までみっちり付き合ってもらった建築士からしたら、「コイツらめんどくさ!!!!!」って客だっただろう。

で、ここからが本題です。あ〜らびっくり。キッチンをレンガにしたことで想像してなかったことが起きた。このレンガ、油を吸うのだ。ダラダラと「感じ」を連発していたがここにきて超現実的。実質的な利点である。コンロの向こうの壁ってめっちゃベトベトになっちゃうけどなんか手が届きにくいし力入りにくいしそこを定期的に拭き掃除するって結構めんどいじゃないすか。しかし奥さん!レンガならサラサラ!ってレンガだからサラサラってわけにはいかないんだけど、レンガ特有のざらざらと乾いた感じそのままで早17年。拭き掃除なんてしたことない。レンガの継ぎ目に溜まったホコリをさっと拭くくらい。それもたいして気にならない。

さあどうだ!結果オーライ!

ちなみにこのレンガ、普通の屋外用の安いやつです。室内用の外国製のとかでまたいろいろしゃれたレンガもあるんですが、これはそーゆーんじゃない。おすすめです。

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『ぼくらのいえが できるまで できてから』

……あの「ぼくいえ」が帰ってきた!

こだわりの家作りも超リアルなお金のあれこれも執念の壁塗りも、完全公開して話題になった施主による施主のためのバイブル『ぼくらのいえができるまで』から10年。畑の果樹も多くの実をつけ、新しい家族が増えた。
イラスト満載のページに加え、カラーページを増量して10年後の「ぼくいえ」の変遷と美味しい写真もてんこ盛りです!

【著者プロフィール】
川上夏子(クワズイモデザインルーム)
1974年生まれ、福岡市在住。企業向けデザイン、ブックデザイン、エディトリアルデザインからライティング、撮影、イラストなど、グラフィックデザインにまつわるいろいろを生業とする。著作に『ぼくらのいえが できるまで できてから』『小夏を探す旅』、ブックデザインに『福岡喫茶散歩』(小坂章子)など多数。

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