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『葛原妙子歌集』11月刊行!

『葛原妙子歌集』(川野里子編)を11月下旬に刊行します。

戦後短歌史に燦然と輝く歌人・葛原妙子。

すべての歌集から1500首を厳選、葛原の壮大な短歌世界を堪能できる一冊。


【目次】

『橙黃』/『繩文』/『飛行』/『薔薇窓』/『原牛』/『葡萄木立』/『朱靈』(完本)/『鷹の井戶』/『をがたま』/『をがたま』補遺/異本『橙黃』/解説(川野里子)/葛原妙子年譜


【栞】

大森静佳「えぐる、えぐられる」

川野芽生「幻視者の瞼」

平岡直子「この世界で、電気仕掛けの身体で」


【収録歌より】

早春のレモンに深くナイフ立つるをとめよ素睛らしき人生を得よ(『橙黃』)

わがうたにわれの紋章のいまだあらずたそがれのごとくかなしみきたる(『橙黃』)

黑峠とふ峠ありにし あるひは日本の地圖にはあらぬ(『原牛』)

他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水(『朱靈』)

疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ(『朱靈』)


【著者プロフィール】

葛原妙子(くずはら・たえこ)

1907(明治40)年東京都文京区に生まれる。1939年「潮音」に入社。四賀光子の選を受ける。第二次大戦後本格的に作歌活動を始め、1949年「女人短歌会」創立メンバーとなる。1981年には歌誌「をがたま」創刊。1985年没(洗礼名マリア・フランシスカ)。歌集に『橙黄』『縄文』『飛行』『薔薇窓』『原牛』『葡萄木立』『朱靈』『鷹の井戸』。遺歌集として『をがたま』がある。『葡萄木立』により日本歌人クラブ賞、『朱靈』により第五回迢空賞を受賞。随筆集に『孤宴』がある。


【編著者プロフィール】

川野里子(かわの・さとこ)

1959(昭和34)年大分県生まれ。千葉大学文学部日本文化研究科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。歌誌「かりん」編集委員。歌集に『太陽の壺』(第13回河野愛子賞)『王者の道』(第15回若山牧水賞)『硝子の島』(第10回小野市詩歌文学賞)『歓待』(第71回読売文学賞)『天窓紀行』など。評論に『新装版 幻想の重量──葛原妙子の戦後短歌』(第6回葛原妙子賞)『七十年の孤独──戦後短歌からの問い』『鑑賞 葛原妙子』など。

葛原妙子歌集 書影 帯あり


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