夜がいつまでも朝に追いつない
夜がいつまでも朝に追いつかない
真夜中は解答を保留にし続ける
同じ顔の女の子が何人もいる
違うのは人物じゃなく時間だ
どの時間の彼女も違う方向を向いて静止している
そういえば完璧な計算で行われるシュミレーションは
現実と区別する必要がないと言っていた
しかしそれを言っていたのも自分のはずだ
ゆっくりと眠っていくビルの群れを眺めながら
家に忘れてきたのを思い出した
何を?
自分を
重力を感じる
勝手に押し付けられた身体を操作しながら
学校へ向かった
暑苦しいのに太陽がどこにも