群馬県知事への提言

前略 山本一太 様。連日の公務お疲れ様です。
会見での御発言に論理的整合性が取れていないと思われる箇所が見受けられたので、僭越ながら下記にて反論致しました。
御多忙な折に誠に恐縮ですが、御笑覧頂ければ幸甚です。

>ある著名人に『こんなランキング、やめた方がいい。いじめにつながる』と言われた

格付け自体は表現・言論・出版・報道の自由。一方、いじめは人権侵害であり表現の自由ではありません。両者は分けて考えるべきです。
仮に一部の心無い人がいじめに繋げたとしても、批判すべきは「ランキングを口実にいじめた事・者」であって「ランキングを発表した事・者」ではありません。後者を非難するのは。両者を混同し前者に正しく対処する術を知らない者による安直な論点摩り替え。故にその著名人には、「ランキングを排除するのは典型的な表現狩り・言葉狩りで根本的解決にはならない」と伝えるべきです。
世の中には格付けを話のネタ等に利用する人もいるので、貴殿が為すべきは「相手に格付けをさせないこと」よりも「自分が格付けを見ない・気にしない・重視しない・逆手に取ること」ではないかと思います。

>ビリになった子がどう思うか。『なぜ僕がビリなのか』と抗議したら『なにマジになってんの。こんなことで怒るのはダサい』と言われるのと構図が似ている

もっと言えば、「貴方には魅力がない」と評された者が「なぜ自分に魅力がないのか」と憤り抗議するストーカーの精神構造とも似ています。
そうした憤慨の裏にはしばしば「魅力がない等と言われる人や集団への蔑視・差別心」があります。内心で侮辱し見下しているからこそ、自分が言われると怒る。魅力度ランキング下位であることを、心のどこかで馬鹿にしたり恥ずかしいと思ったりしていないでしょうか。
また相手に表現(評価)の自由を与えないから、自身が不自由(怒り)を感じる。抗議も表現の自由ですが、そもそも解釈の原因は解釈者自身の固定観念にあるので、その結果(怒り)を他者のせいにするのは筋違いです(論拠詳細は感情自己責任論)。

>笑い飛ばせばいい、ジョークで返すのが大人だというのは強者の論理だ

単なる強者というよりは精神的強者の論理です。対外評価を許容、或いはスルーできないのはメンタルが弱く、包容力・胆力・寛容性が乏しい証拠。
大人が自らの背中で「高が一調査会社の評価基準であっても真摯に受けとめ主張すべきは主張する」と教えるのも大事なことでしょう。しかしそればかりだと子供たちは、対外評価を一々気に病んではクレームをつけるような弱い大人に育ちやすくなるかも知れません。
「魅力度が低いのも個性・魅力」「伸びしろがある証拠・隠れた魅力をアピールするチャンス」等と前向きに考え、自虐ネタにするくらいのユーモアのセンスや、転んでも只では起きない再起力など、多角的な情報の利用・解釈の仕方や柔軟性・順応力・度量を子供たちに見せるのもまた、大人の役目ではないでしょうか。

>(調査は)ずさんなもの。誤差の範囲。最下位まで発表する必要があるのか

杜撰で誤差の範囲なら尚更、順位に拘り法的措置まで取る必要はなくなるのでは。

ご質問等ございましたら、いつでもご連絡ください。
今後ますますの御健勝と御活躍をお祈り申し上げます。
時節柄ご自愛ください。 草々

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