不適切指導をしたのは教師だけではない

第三者委員会の「生徒の自殺の原因は教師の指導」は論理飛躍している。
自殺者本人の精神的未熟以外に「自殺の原因」はない。自殺の原因は常に、自殺者自身の「精神的未熟・思い込み・視野狭窄・一時的精神疾患」だ。
直前の教師の指導は「生徒を視野狭窄に至らしめたきっかけ」に過ぎない。自殺以前に「視野狭窄の原因」すら、本人の解釈の結果である。

父親が一方的に被害者面しているが、彼にも「子供を条件が揃えば自殺するように育てた原因」がある。
日頃から子供に対して、意識的にせよ無意識的にせよ「死ねば償える・許される・解決する・復讐できる/存在価値のない者は死んだ方が良い」といったテロリズム的発想を教えていた、或いはそれに対する適切十分な批判的思考を教えなかったから、理不尽な教師の指導に自暴自棄になった子供が自らに罰を与えたのだ。
既に「子供を亡くす」という罰を受けた親を鞭打つつもりはないが、子供の人格形成に最も影響を与えた保護者が最も反省し、その教訓を社会に還元して自殺防止に繋げなければ、それこそ身を以て世に訴えた子供の死が無駄になる。教師の直前の不適切指導だけを批判して「13年間の自身の不適切指導」に頬被りするのは、無責任だ。

「生徒と保護者と教師」の3者はそれぞれ「命を失い、子を失い、教え子と社会的信用を失った」被害者だが、同時に「自らを殺し、そういう人格に子を育て、視野狭窄に陥らせた」加害者でもある。
それぞれが、それぞれの行為に応じた「自分が蒔いた種」を自ら刈り取ったのだ。特定の当事者のみを責任追及しても、事の本質には至らない。

尤も、不適切な指導/教育は、「自殺の原因」(直因)ではなくても「自殺を誘発した条件・きっかけ・発端」(遠因)であることは間違いない。親や教師をそんな指導しかできない大人にしたのも低水準教育。洗脳され過ぎて自分たちが潜在的テロリストである自覚すらない彼らもまた、低水準教育の犠牲者である。

子供が自力で自殺が可能となる年齢までに「如何なる環境下でも自殺を選ばない精神的に成熟した人格」に育てることは、不可能ではない。
大人を「児童心理に通じた適切指導ができる人格」に育てることも、同様だ。
未然防止の為には、義務教育で「テロリズムに対する批判的思考力を向上させる教育」が必要不可欠。公教育が低水準なままでは、私教育の欠陥を補完出来ない。



以下、弊サイトより抜粋&加筆。
同じ原因は常に同じ結果を生む。時に結果が異なるなら、それは原因ではなく主観的な理由・動機・条件・言訳・口実・根拠・切欠・発端・相関。
原因ではない表層的事象の解消に終始しても根本的解決にならない。故に仮に理不尽な叱責を解消しても、条件が揃えばいつか自殺する。
「自殺の原因」は常に自殺者自身の精神的未熟(から生じた思い込み)。適切十分な人権概念・判断力・問題解決力を習得した者はどれほど劣悪な環境にも適応し希死念慮はおろか自己嫌悪すら抱かない。

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