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亥の子餅

落語の 「肝潰し」 に

唐土の古い医学の本に、
「夢の中の女に惚れて、命が危うくなった時に、年月揃った女の生き肝を煎じて飲ましたら、スッとおこりが落ちて、何もかも忘れて元気になった」
という話が書いてあった。
 
というくだりがある。

 年月揃ったというのは、生まれた、年、月、日、時刻、の干支がそろっている。ということで、子でも丑、寅でも何でもよく、 辰なら辰年の辰の月、辰の日、辰の刻に生まれたということらしい。
 
この伝説は本当なのかしらと思って調べてみるけれど、年月揃うで検索すると「肝潰し」しかでてこない。
 
この話自体びっくりするという意味の「きもつぶし」という言葉から思いついた話の葉なので、この伝説は落語のためにつくられた話なのかもしれません。

十二支

いずれにしても、日時に十二支をあてていればこそ生じることだと思った。
寅年の今年はどうなるのかしらべてみようとしたとき、新暦と旧暦で1月がずれているので、年については1月と12月の周辺に問題が生じること、月については毎月問題が生じることが気になった。時刻についても、標準時の概念がなかった、昔の時刻は日の出と日没を基準としているということは、季節や地域ごとにずれが生じることが気になりました。
http://koyomi.vis.ne.jp/reki_doc/doc_0020.htm
 
によると、日にちだけは、共通になりますが、年と月は、暦によって異なることがわかりました。
また、節切という暦があって、これがときおり耳にする「正しい月」に相当する暦であることもわかりました。

亥の子餅

年月揃った人の話はありませんでしたが、年月揃った行事を見つけました。
 亥の子(いのこ)は、旧暦10月(亥の月)の上の(上旬の、すなわち、最初の)亥の日のこと、あるいは、その日に行われる年中行事です。
亥の子餅を食べて万病除去・子孫繁栄を祈ったり、子供たちが地区の家の前で地面を搗いて回るなどが主な行事である。
由来としては古代中国で旧暦10月亥の日亥の刻に穀類を混ぜ込んだ餅を食べる風習を宮中行事に取り入れたという説や、景行天皇が九州の土蜘蛛族を滅ぼした際に、椿の槌で地面を打ったことに由来するという説もある。
 
亥の子餅は、亥の子に際して作られるイノシシの子のようなカタチをした穀類の入った餅で、亥の子の亥の刻(午後10時ごろ)に食べると,万病から逃れると言われています。
「亥の子餅」は,『源氏物語』に登場していて,大豆・小豆・大角豆(ささげ)・ごま・栗・柿・糖(あめ)の7種類の粉を入れてついた餅と書かれています。
鎌倉時代にはイノシシが多産であることから,子孫繁栄を願う意味も加えられたといわれています。
さらに“亥”は中国の陰陽五行説で水性にあたり,火災を逃れるという考えがあることから,亥の子の日に囲炉裏やこたつ開きをする風習ができあがりました。

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