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青・緑・ビリジアン

青の問題

 青信号、青野菜、尻が青いなど、緑色を青と表現する問題をときおり耳にするので紐解いてみた。
あっ、尻が青いは、本当に青いのか
国際照明委員会は435.8nm の波長をRGB表色系において青 (B) と規定している。
 国際照明委員会は、多分、エジソンが電球を発明して以降できたものであるのに対して、言語は光が波であるとか、色の違いの原因がその波長によるものであるなどということがわかる前からあったので、色を言葉で表すにあたって、今の感覚とはずいぶんことなった背景があったのでしょう。(長文)

「あお」は緑色などの寒色全体を指して用いられることがあり、青と緑が明確に分節されてこなかった言語は世界に例が多いらしいです。
日本語の「あお(あを)」の語源は、「藍(アヰ)」が変化したとする説や、空の色に見立てて「仰ぐ(アフグ)」からといった説があるが、このような推測の域を出るような語源は詳らかでない。
 あおは、「しろ」(顕色)・「くろ」(暗色)・「あか」(明色)とともに色を表す語として古くから用いられてきた。
 古代には、現在の青色・緑色・紫色・灰色のような非常に広い範囲の色を総称して(漠色)用いられていたと考えられている。さらに、青森・新潟・岐阜・福岡・沖縄といった地方では、青は黄も意味した。
 このようなことから、日本語の青を表す言葉の色度範囲は緑〜青緑〜青〜青紫まで幅が広いほか、一部「くろ」(暗色)と重複している(『青毛の馬』など)。

みどり問題

 ということで、色としての緑は、もともと青に含まれていたのですが、どのように分化したのでしょう。
 ミドリは、ミヅ(水)の派生語で、水分の多い感触を表します。みどり児、みどりの黒髪は、色を表した言葉ではなく、みずみずしいことを表していました。

 草・木の新芽・若葉、などもみずみずしいものとして、みどりという形容詞が用いられていたものが、その色をしめすようになったのではないかと考えられています。

みどりを表す漢字には、緑、翠、碧などがあります。
緑 - 植物系の暖かいみどり色。旁の彔(录)は削ることで、生木や竹などを削って現れる色。
翠 - カワセミの羽のような光沢のあるみどり色。青っぽいけど
碧 - 石のような無機質な冷たいあおみどり色。

緑色は、光の三原色の一つであり、国際照明委員会は546.1 nmの波長を緑 (G) と規定しています。

ビリジアン

 緑色の絵の具はなぜビリジアンか問題は、小学生のころに抱いて以来、長期間放置されていた問題である。ついにここでその問題を解決しよう。
ビリジアン(Viridian)は、3価のクロム化合物を含む緑色顔料のビリジアンに由来する色名です。ラテン語の「Viridis」には「緑の」という意味があり、音が変化して「ビリジアン」になりました。

 JIS ではビリジアン(JIS慣用色名)は マンセル値 8G 4/6 と規定されています。

その他にも
 16進表記 #00896B
 RGB (0, 137, 107)
 HSV (167°, 100%, 54%)
 マンセル値 7.7G 4.9/7.3
などで示されます。

「ビリジアン」はみどりでなく、「みどり」は「ビリジアン」と「レモン色」を混ぜたいろです。みどりという言葉がしめす範囲が広いのでビリジアンをみどりだと思っていますが、進化した言葉では、ビリジアンはみどりではないのでした。

 ビリジアンは19世紀に作られますが、それまでは「シューレグリーン」や「パリスグリーン」という緑が人気でした。しかし、2つの原料にはヒ素が使われていて、中毒症状に悩まされていました。
https://biz.trans-suite.jp/85037#i-5

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