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三度笠

定飛脚

 寒太郎といえば三度笠をかぶっていることで有名ですが、三度笠って何?
 もとは江戸、京都、大坂の三ヶ所を巡る毎月三度8のつく日に出発させていた飛脚(定飛脚)のことを三度飛脚と呼び、彼らが身に着けていた事からその名が付いた。
 らしいです。
 毎月3回というのは、市でも聞きますから、時間の単位としては、一週間7日間区切りより1か月を上旬中旬下旬に分ける10日間区切りが一般的だったんでしょうね。

 笠といえば、三度笠、阿波踊りの笠、虚無僧の笠などが、おもいつきます。
 また、茶摘みでは「あかねだすきに菅の笠」こぎつねは「柘植の櫛」ですが、改めて笠を見てみましょう。
 
 笠は、イグサ・稲藁の茎、タケ・ヒノキ・マツ・スギの削り片、スゲ・麦藁の茎、竹皮、ビロウの葉、綿布、和紙、獣皮などの材料でつくられますが、その組織によって、編笠、組笠、縫笠、押笠、張笠、およびこれらの笠に油・渋・漆など二次的加工を加えた塗笠の6種に分類されます。
 編笠は、網笠じゃないんですね。イグサ・稲藁などの茎でつくられていて、アミガサ、イガサの名でよばれる。侍がかぶっている笠、虚無僧がかぶっている笠(テレビでしか見たことないですけど)がこれに属する。阿波踊りの笠も折編笠という編笠の一つである。
 組笠は、タケ・ヒノキなどの削り片を組んでつられたもので、その組織には平組みと網代組みがあり、一般にヒノキガサ、アジロガサの名でよばれている。着用装置には、小型のものは台輪、大型のものには枕・耳輪などの笠当をつけた。網代笠は、托鉢の僧がかgぶってるやつですね。
縫(ぬい)笠は、スゲ・麦藁などを縫いつづってつくる。一般にスゲガサの名でよばれ、市女笠・桔梗笠、殿中・三度笠・褄折笠・菅笠・平笠などは、いずれもスゲの縫笠であった。三度笠や円錐形の笠の多くはスゲ笠みたいですね。
スゲは、カヤツリグサ科スゲ属植物の総称。イネ科に比べ利用度が少なく、笠や蓑、縄などをつくるのに利用されるにすぎない。地方によって使われる種は違うが、福島県只見地方ではカサスゲで笠を、ミチノクホンモンジスゲで蓑をつくる。
押笠は、竹皮・ビロウの葉などをタケの骨組みの上からかぶせ、押さえ止めてつくる。一般に竹皮笠はタケノコガサ、バッチョーガサ、蒲葵笠はコバガサ、ビロウガサの名でよばれる。上から抑える紐が笠の上にみられる。
 張笠は、布・紙・皮などをタケの骨組みの上に、張ってつくる。江戸時代の陣笠や、明治・大正時代に人力車夫・郵便配達夫などの使用した饅頭笠などがある。
塗笠は、油・渋・漆などを塗ったもので、江戸時代に塗笠・陣笠・韮山笠などがあった。

飛脚

当初は公用で律令制の時代の駅制が飛脚のはじまりである。京を中心に街道に駅(うまや)が設けられ、使者が駅に備えられた駅馬を乗り継いだ。律令制の崩壊に伴い駅制も廃れてたが、鎌倉時代には鎌倉飛脚・六波羅飛脚などが整備された。廃絶してしまった「駅」に代わり、商業の発達に伴い各地に作られてきた「宿」が利用された。室町時代には京都御所と鎌倉府を結ぶ「関東飛脚」が設けられた。
戦国時代には、各地の諸勢力が領国の要所に関所を設けたため、領国間にまたがる通信は困難になった。戦国大名は書状を送るため、家臣や寺僧、山伏が飛脚として派遣された。これらは、しばしば密使であったので業態化しなかった。
江戸時代に入ると、五街道や宿場など交通基盤が整備され、飛脚による輸送・通信制度が整えられた。公儀の継飛脚の他、諸藩の大名飛脚、また大名・武家も町人も利用した飛脚屋・飛脚問屋などの制度が発達した。飛脚は、信書や小荷物、金銀などを運んだ。
 
江戸 - 京坂を結ぶ飛脚のうち最低料金のものを「並便り」と呼んだ。昼間のみの運行であり、また駅馬の閑暇を利用して運行した。日数の保証はなく、概ね30日を要した。これより急を要する場合、所要10日の「十日限」、6日の「六日限」あるいは「早便り」があったが、東海道の通信量増加と共に各宿での滞貨が増大、それぞれ2〜3日の延着が通例になった。そこで江戸 - 上方を6日間で走ることを約した定飛脚が登場し、「定六」または「正六」と呼んだ。更に火急の書状では「四日限仕立飛脚」が組まれた。
 
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10356629
定飛脚日記からみる飛脚問屋 : 「御用」記述に関する検討
飛脚問屋とは、天明2年(1782)に幕府道中奉行によって公認された「江戸定飛脚仲間」(加盟9軒)のことを指しているが、日記執筆段階ではまだ定飛脚仲間は公認されておらず、時々の業者軒数によって「七軒仲間」、また「九軒仲間」などと称した。九軒仲間とは、嶋屋佐右衛門、京屋弥兵衛、和泉屋甚兵衛、山城屋宗左衛門、伏見屋五兵衛、十七屋孫兵衛、大坂屋茂兵衛、山田屋八左衛門、木津屋六左衛門の業者から構成される。
 
江戸町飛脚は、江戸町内に限定して行われた飛脚であり、風鈴を鳴らして書状を届けた。

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