「知らない人んち(仮)」第4話のプロットを書いてみました

第四話(最終回)のプロットを書きました。
プロットというよりほぼシナリオですが。
かなり複雑なことになりました。
ただ、以下の問題はいちおう解決できています◎
ぜひお読み下さい
◆きいろは別人?なぜ?
◆警察は偽物?なぜ?
◆竹田先生の不審死はどういうこと?アクはどこへ?
◆過去にここであった事件とは?
◆暗室には何が?
◆伊藤修子さんを出す
◆乾杯のシーンを出す


ジェミはきいろにそっくりなのにきいろではないこの女に恐怖を感じる。この女はなんなのか?何者で、なぜきいろに扮しているのか?

ジェミは昔、この施設で起きたことを思い出す……
当時、ジェミとアクとキャンときいろは同じ施設で生活する子供を階段から突き落として殺してしまった。その際衝撃で廊下の台から花瓶が落ちた音を今でもはっきり思い出せる……。

その子はすごく意地悪ないじめっ子だった。
その後、死体を厳重な箱に入れたものを、四人は竹田先生と相談し、暗室の中に隠してしまったのだ。世間に騒がれないように……。

ジェミ「あなたは何者なの?」
と、きいろ……堂島佐和子に尋ねるジェミ。
佐和子は言う。
「私もこの施設で育ったんです。その後一般家庭に引き取られて、今は文房具屋の店員をやってます」
ジェミ「なんできいろって名乗ってるの?」
佐和子「それは私のお姉ちゃんの名だから……私、きいろの双子の妹なんです」
ジェミ「そんなバカな……きいろには双子の妹なんかいなかったわ」
佐和子「人は記憶なんか簡単に消したり変えたりしちゃいますからね。実際、あなたたちは自分たちが殺した子の顔や名や性別を覚えてますか?」

はっとするジェミ。そう言えば、思い出せない……。

佐和子「あなたたちが殺したのが、きいろお姉ちゃんよ!」

言葉を失うジェミ。

佐和子「あなたたちはケンカしてきいろお姉ちゃんを突き落としてしまい、竹田先生と共謀して暗室の中に死体を隠した。あたしはそれを知ってたけど怖くてだれにも言えなかった……。
……あたしはお姉ちゃんが好きだった。お姉ちゃんはあたしよりずっと面白かった……だから、ユーチューバーネームをきいろにしたんです。……活動を続けてたら、あなたが接触してきました。
あなたたちが、私をきいろだと勘違いしていることに気づいて驚きました。
あなたたちは、仲が良かったのにくだらないケンカできいろを殺した。そのため重い罪の意識を背負っていたんです。だから殺したのは意地悪な架空の子だというストーリーを作って、きいろはまだ生きているという幻想にすがった……そこに私が現れた。
私が記憶を失ってるとあなたたちは思った。だけど失っていたのはあなたたちのほうだったんですよ!」
ジェミ「……あなたはなんでこの家に来たの!!」
佐和子「正直、こんな家、来たくなかった。こんな悲しい思い出がある家。でも、ここにくれば、おねえちゃんとの楽しかった思い出も見つけられるから……」
ジェミ「なんで、もっと早く言ってくれなかったの?」
佐和子「言ったら、あたしを警戒してここに入れてくれないかと思って……それより、あなた、アクさんに殺されるかもしれませんよ」
ジェミ「なんで……」
佐和子「きっと竹田先生を殺したのはアクさんですよ。この家の秘密を知ってる人をどんどん殺していくつもりかもしれない。私がここに来たことで、秘密を守ることに神経質になってるんだと思います」
ジェミ「そんな……」

彼女の脳裏を暗室の黄色い鍵が横切る。だから鍵をアクは持って行ってしまったのか。

ドアを強く叩く音。
戦慄する二人。
ジェミがドアスコープから見ると、外に知らない女性(伊藤修子)が立っている。
ジェミ「ど、どなたですか……?」
自分は通りがかりの霊媒師だと名乗る女性。
この家の二階に怨霊がいるのを感じるから無料で祓わせてくれ、と頼んでくる。
ジェミは疑うが、霊媒師が生前のきいろの口真似をするので信じる。
しかし、外部の人間をここに入れてしまっていいものか……と玄関で悩むジェミ。
だが佐和子は強く言う。

佐和子「ここにこの人が今このタイミングで来たのは何かの縁だと思う。入れてあげましょう」

霊媒師を家に入れるジェミ。
暗室の中に直接入れてくださいと頼む霊媒師。

ジェミ「それは……第一、あの部屋の鍵がないし」

そこにアクが戻ってくる。

アク「だれだこの女?!」
ジェミ「アク!あなた竹田先生を殺したの?」
アク「……いや、話をしには言った。ただ、殺してはいない。そもそも竹田先生がお家にいなくて会えなかった」
佐和子「竹田先生が路上で変死したのは知ってますか?キャンさんはあなたのために警察に連れていかれたんですよ?」

混乱するアク。

アク「俺じゃねえ……俺じゃねえよ」

突然、二階からドアを叩く大きな音がする。暗室のほうからだ。

霊媒師「おお……怨霊が怒っておる……祓わねば……」

驚愕する三人。

ジェミ「アク……。あなた、鍵を持ってるんでしょう?それであの暗室を開けよう!」
アク「そんな……」
佐和子「アクさん! あなたたちもこれで自分たちの過去に対面して決着をつけることができる!あたしもお姉ちゃんに会える。早くして!みんなで行きましょう!」

しぶしぶ顔のアクを説得し、佐和子たちは霊媒師を連れ二階に上がり、暗室の前まで行く。
そして、ついに鍵を開けて皆で中に入る!

中はがらんどうだった。ドアを叩く音を鳴らすCDラジカセを除いては……

愕然とする佐和子たち。「死体は……?」

そこにキャンと竹田が入ってくる。

ジェミ「キャン!」
佐和子「竹田先生!生きてたんですか!?」
アク「どういうことなんだ?」
キャン「……自分の記憶を変えてしまうのは、あなたも同じよ、佐和子ちゃん」
佐和子「キャンさん……?」
キャン「あたしはあなたの主治医。……昔、この施設で階段から落ちて一人の女の子が死んだ。あなたのお姉さんのきいろちゃんよ……。でもそれは殺人じゃなく事故死だった。あなたはその不慮の事故をだれかのせいにすることで、悲しみを怒りに変えることで、生きる希望を失わないようにしたの」

当時の資料を見せて説得するキャン。愕然とする佐和子。

キャン「そして、アク、ジェミ、あなたも治しに来たの。竹田先生に依頼されてね」
アク「竹田先生……」
キャン「あの日、私たちは、仲良しだったきいろちゃんが事故死したのを目撃して、ショックを受けた。アク、ジェミ、あなたたちは強い悲しみから、死んだのは架空の意地悪な子で、きいろちゃんは生きているというストーリーを自分の中で作ったの」
竹田「きみたちはこの施設にいたとき、そういう妄想をずっと語り続けていた。あの事故のせいで……。ずっと可哀想でならなかった……。私は、後悔からここが閉所したあとも離れることができなかった。そして、ここを出て若き名医として有名になったキャンに頼んで、きみたちを治療することにしたんだ」
キャン「この治療は、あなたたち三人が自分自身で暗室を開けて、そこに死体がないという現実と直面できたら終わりだった。そうすることであなたたちは自分たちの妄想から解放される」
竹田「しかし、まさかきみが昨夜私の家までくると思わなかったよ、アク……。ベランダにいてきみが建物に近づいてきたのを見た私は居留守を使った。てっきり治療の過程できみが暴走して私を襲いに来たのだと思い、今朝、キャンのスマホに偽装サイトを送ったんだ。死んだことにして自分の身を守るためにね」
アク「いや、俺は別に、ただ今後の話がしたかっただけですって!」
キャン「あたしも、自分の治療行為であなたたちが暴走しないうちにスムーズに家から避難することにした。そのために演劇をやってる知人に警官を演じて外に連れ出してもらったわけ」
アク「この霊媒師の人は?」
キャン「その人は私の医大の先輩。今回、霊媒師を演じてもらうことで、あなたたちが暗室を開けやすくなるようにアシストしてもらったの」
霊媒師「そういうこと。もう~私はオカルトとか苦手なんだから~勘弁してよ~」

こうしてアク、キャン、佐和子はそれぞれ自分たちの記憶の歪みを消去し、真実を手に入れることができた。
その場で乾杯する人々。
彼らはまたここで施設をいつか再開することを誓い合う……

(了)

#テレ東シナリオコンテスト

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