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アトリエが水没しましたDAY1〜絶望編

皆様こんにちは。
舞台芸術創造機関SAIの倉垣吉宏です。

東京都内に拠点を置き、舞台演劇をつくったり、映像制作や舞台のプロデュースなどをしたりしています。
今回久しぶりの更新となります。

なぜ、noteを書こうと思ったかはシンプルで
「自分たちの拠点が水没したから」
です。

水没から一週間が経過して、ちょっと気持ちに余裕が出てきたこともあり、これまで起きたことを、記事と動画でお伝えしていこうと思ったのです。
動画についてはほぼドキュメンタリー。撮ったものを繋いだりしただけで、iPhoneだけで撮影・編集したものです。

なお、僕としてはこれで同情票を集めたいとかではないです。
ですが、冗談ではなく多方面に影響もあるため、事実報告も兼ねながら、ネタとして、この場に記していこうという次第です。エンタメとして面白がっておくれ!!!!

ただ行き過ぎると自虐とも言える・・・
読んでて心配になっちゃったよ!!
とかもし思われましたらその時は・・・

そっとnoteの応援か、
現在絶賛配信中の舞台「密空間演劇・邪宗眼」を購入いただくことが一番嬉しいです。
何にもなくてもいいのです。
ほんと、これは半分以上、自分のために書いてます。

では本編へいきます。

なぜ水没したのか
過去の記事にもあるように、僕たちの拠点は、東京江古田の地下にあります。
地下は、湿気や地下水など、地上に比べるとなかなか難しいところがあって、アトリエがある地下二階も、これまでさまざまな水害がありました。

今回起きた内容は、この6年くらいの中でも一番酷かったことでした。(使いはじめる前だと、完全に水没、というか沈んでしまい、地上階に影響出る手前までいったこともあるそうです。そこから改修されて、そこまで酷い出来事はなくなった・・・はずでした。)

古い建物ではもしかしたら似たようなこともあるかもしれないと思い、記録として残しておこうと思ったわけです。
役に立つかどうかは分かりませんが、自分の整理と癒しが主目的な連続掲載となりますので、そのつもりでご覧下さい。

深夜の浸水
7月12日のAM2:00前後でした。
上の階の、懇意にさせていただいておりますテナントの店長さんからLINEが入りました。
「異音がするので、確認してもよいか?」
わたしはその日は、出張先からの戻りのホテルにおりました。ちょうど舞台本番を終えたこと、また、誕生日当日もあって、ゆったりと休みたかったこともあり、某ドー●ーインに宿泊しました。
ええ、サウナーにとっては知らぬ場所ではないところです。サウナと水風呂の黄金律をキメにキメて整えた後に、話題になっていたNetflixの作品「呪詛」を見終えたところに来たLINEだったのでよく覚えています。

「今おりませんので、よかったら入って下さい」

「分かりました!」

それからしばらくして報告が来ました。

「ドライエリアが足首くらいまで水が溜まっていた。ちょっと怖いので、エアコンの電源は切っておいた」

ドライエリアに水が溜まる・・・?
確かに、無限に湧き出てくる地下水を逃がす仕掛けがアトリエにはあります。しかしこれまで溜まるようなことはなかった・・・
なんだろう?まぁ明日戻った時に確認してみるか。
これが悲劇のはじまりでした。

水都・地下二階
翌日のお昼過ぎ、宿泊先のホテルからアトリエへ直行しました。LINEの内容を受けて、そこまで悲観はしていませんでした。地下二階はよくそういうことがあるからな!
それぐらいの感覚です。

扉を開けました。

すると・・・

沈む世界

室内全域が、足首まで水に浸かっていたのです。


ええええ??!

わたしは思わずLINEを読み返しました。

読み方によっては、
〝足首まで浸水しているのは深夜時点で既に室内まで起きているぞ〟と、読めなくもない・・・
しかしここまでの事態ならおそらく電話がかかってくるはずだ、ということはこれは・・・

この数時間で起きた出来事!!!

原因であろうドライエリアに向かいます。

そこには想像を絶する光景が広がっていました。

ドライエリアではなく水風呂

ドライエリアが・・・

沈んで・・・

いる・・・

だと・・・!!!


そこからどんどん水が溢れてきていたのです。


これはやべえ!!!やばすぎるぜ!!!!

冷静に考えても身体は正直だ!!汗と震えが止まらねえええ!!!!

至急大家さんに連絡。
→しかしタイミング悪く北海道に旅行中。
→大家さんから水道業者さんを紹介してもらう。
→連絡をする。
→今すぐ対応出来ない。
→何かこちらで対応できる方法ないか?
排水ポンプの再起動で排水出来るかもしれない

ここまでの情報を聞き出し、排水ポンプ回りの電源に到達。漏電ブレーカーが落ちていることを確認!!
ボタンを押して解除しブレーカーを入れ直す!!

すると

ピー!!ピー!!!ピー!!!

こ、この音はなんだっ?!!!

よく見ると水位警報なるものが点滅し警報音が鳴っている。
なるほど、ドライエリアや室内の水位がおかしくなったら鳴るんだな。
わかる。
しかしなんで今鳴るねん!!
鳴るなら昨日の深夜ちゃうんかー!!!!

俺は怒りを人差し指にこめながら警報を解除した。

起動するポンプ。

排水されていくドライエリア。

よかった・・・
とりあえず、二次被害は免れたか・・・

カラッカラッになりやがったぜ!

しかしまだ業者さんに見てもらうまでは安心出来ぬ。

ということで、映像関係の機材と作業用PCを自宅へ避難。

その他、水没してしまった機材や資料の回収などを行い、その日はアトリエを後にしたのでした。
動画でも話してるけど、劇団関係の古い資料はデータ化してなかったので、かなりの資料が死滅・・・

こ、こ、れ、は、
辛い・・・

こんな、、、、
こんな、、、、
ハッピーバースデーは、、、
いらないぜ!!!!
バッド過ぎるプレゼントだ!!!

そう思った翌日7/13の午前中のこと。

俺はアトリエの扉を開けた。

つけていたはずの電気が消えている。

(まだ、どこかで漏電しているのか・・・?)

昨夜揃えて帰った長靴を探すが、ない。

なんだと?

手を伸ばす。

コツン。

手に当たる感触・・・


長靴が、、、、、


浮いている?!!!

スマホのライトで照らす。

そこには、

昨日よりも高くなった

水位という名の絶望が

俺を待っていたのだった。

立ちすくむ。

嗚呼こういうことを言うのだな。

気が遠くなったその刹那。

そして決めた。

「いやこれは、動画回しておこう」

続く。

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