嫌われてしまえばいい。


先日、久しぶりに舞台関係者とサシ飲みをしました。

最近になって気付きましたが、自分は大人数でわいわい飲むより、二人で飲む方が好きなようです。
大勢で話をしている時って、自分が話の中心になるのはどうも気まずくて、つい聞き役に回ってしまうのですが二人なら平等にお互いの話が出来ますよね。「あー、話した!」って充実感が感じられて好きです。サシ飲み。

画像2


コロナ禍になってからというもの、ただでさえ積極性がない自分は、更に人と会って話す機会が減ってしまいました。
自分にとって「飲み会」って、舞台に出演して、稽古をした後とか、顔合わせとか打ち上げとか、あとはその後、ごく一部の親しくなった人との交流くらいが大半を占めていたので、舞台に出ないと飲み会もなくなってしまうのです。
あ、それ以外が全くないわけではないですよ。友達と飲みに行くことだってあります。年に片手で収まるほどの回数ですが…


さて。話が逸れてしまいましたが、今回は飲み会の話がしたい訳ではありません。

久々に以前の共演者と会うと、やはり「あの時は大変だったよね」とか、そういう思い出話になるのですが、
私が当時、出演していた舞台の主催に意見というか、要望をしたことについての話題になりまして、その時ふと自分が「辛かった」とこぼして、思ったのです。

あ。私、辛かったのか。傷ついていたのか、と。


相手が言われたくないであろうことを伝えるって、とてもエネルギーの要ることですよね。

これを伝えることで気分を害するかもしれない。関係が壊れてしまうかもしれないという恐れも勿論あるのですが、それでも本当に言わなきゃ!と感じたことは言わずにはいられないのです。

実際、今までに何度か、率直な意見を伝えたことで友人、恋人、仕事でお世話になっていた方等との関係が悪くなってしまったことがあります。
はっきり気持ちを伝えられなくても、何か、わかりますよね。言った瞬間に、相手の心が「サーッ」と離れていく音が聞こえてくるのです。これは、対面でもメールでもあります。

画像3


そんな出来事がある度に、私は傷ついていました。

本当は傷ついていたけれど、自分が相手を傷つけてしまったのだから、自分も傷ついたと言ってはいけないような気がしていたのです。

そうやって思い切って言えば言うほどに辛い感情が積もってしまうから、いつしか人に対してすごく遠慮がちになっていました。
それでも今も、ごくたまに言ってしまう事はあるので、やはりここぞという場面では言わずにいられない性分なのでしょうけど。

因みに普段、私は言いたい事を言える方ではありません。
小さな疑問だとか、小さな不満をため込んでは、ある日突然しょうもないことで爆発してしまう典型的なA型人間です。
もしかしたら、いつもは言ってこない人に急に言われるからこそ、相手は「歯向かわれた、攻撃された」と感じてしまうのかもしれません。寧ろ逆で、大切だからこそなのですが…歯がゆいですね。


そんな訳で、先日同業者と酒を飲み交わしたことでふと、「意見する度、関係壊れちゃう」現象について、自分が深く傷ついていたことを自覚させられたのでした。
やっぱりたまには、人と会話をしなくてはですね。人に話すことで初めて気付くことってあります。
「私だって本当は言いたくなかったですよ、傷つきたくないですし」って口にした瞬間、何ですかね。少し気持ちが軽くなったのです。


今までは「自分の言い方が悪かった、思いやりに欠けていたのかもしれない」と思うしか出来ず、自分だって傷つけられたという事実と向き合えずにいましたが、これからはもっと自分の本心を見つけ出してあげたいです。

肝心の「意見する度、関係壊れちゃう」問題は何も解決していませんが、今までの経験も自分なりに悩んで、当たってきた結果です。あれは言わなくても良かったなって、後悔した事は一度もありません。
だから、傷つきながらでも、試行錯誤していくしかないでしょう。辛くなったら、また誰かにお酒を飲みながら話を聞いてもらおうと思います。


これまで自分の内にため込んでいた感情は、noteなどを活用して発散していたので我慢していた時間が全く無駄だったという訳ではありません。
ここでこっそり言語化していたおかげで、自分の回りには今、暖かい言葉をかけてくれる人もいます。いつも本当にありがとうございます。これからも大切にしたいご縁です。


何だか、本来なら2~3行で済みそうな話を回りくどくダラダラとしてしまいましたが、今までの話を雑にまとめると、来年の抱負は「図太く生きる」ということです。
私がいつか私自身を失わないために、ささいな感情も一つ一つ大事に拾い上げて、受け入れていきたいですね。


いつも私に優しさをお裾分けしてくださる方には、どうか良い事が一つでも多く廻ってきますように。


来年も、どうぞよろしくね!

画像2

くらら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?