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月様美の紫式部 上弦の月vol.14

世の中に たえて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし

まさに、そんな春一色な週末でありました。
遠州の小京都です🌸

#光る君へ
14回 鑑賞メモ。
冒頭から、兼家父の最期と三兄弟の運命(あっ道綱もね)の新しい扉が開きました。

今まで、こんなにしみじみとこの歌を鑑賞したことがあったでしょうか。
兼家父の詠みがしみた。

嘆きつつ ひとり寝る夜の あくる間は
いかにひさしき ものとかはしる

蜻蛉日記 

兼家と道綱母とがこんな時間を持てたとしたなら、少し救われる思いがして、ウタコは胸アツになりました。
道綱は相変わらずかわいいのだけど。

今回も鑑賞ポイントが溢れておりました。
まずは「出家」。

いわゆる俗世間から離れる、社会の何者でもなくなる、しがらみから解放されていく、魂の世界とでも言いましょうか。
先日、比叡山を訪れたときに「アジール」聖域
という感覚に思いを馳せたのですが、宗教的なことを考えずとも、山の力を感じました。
「出家」は、憂き世からの解放手段でもあったと思いますが、やはり兼家の背負っていたものの大きさを感じました。
だからこそ、しみた 嘆きつつ…。

ということで、次世代へのバトンタッチ。
道隆兄さん摂政となり、実資の日記に書くこと増えちゃう身内びいき。
伊周様が蔵人頭となって、出てきた鯛御膳。
蘇とかなのかしら?

道兼は全て暴露で、バッキャロー状態!

花山院をば我こそすかしおろし奉りたれ、されば関白をも譲らせべきなり、といふ御恨みなりけり。

大鏡

まだまだドラマ的には道兼の見せ場が残っておりますね✨

道長様は志を模索…。

今回は清少納言(ききょう)さまと紫式部(まひろ)さまの2ショットでの女性の志談義という、夢のようなシーンもありました🐙
これ、嬉しい!

よい男と結婚することだけを考える女
キャリアで自分らしく生きようとする女
都会にいたくて田舎にいけない女

語られることはなんだか、現代っぽい。
これが、今回の大石大河の魅力でしょうか。

そして、それが一生畑を耕すしかない人たちを見せた一方で語られる。
今よりも、性差やら身分やら置かれた場所が人生を決めていただろう時代。
生きている時代の社会システムが価値観を作っていると思うけれど、それは現代とはさして変わらない。

そして、心や魂とはまた別の話。
「出家」に繋がるか。

今回の1番のウタコのポイントは
為時父が、兼家の訃報に意味のわからないであろう涙を流した、というとこー。

鳥肌は恐怖という感情よりも先にたつ。
恐怖だから鳥肌、ではなく
鳥肌がたったあとに恐怖の感情がくるという話を以前聞いたことを思い出しましたわ。
人はやっぱり頭より先に身体で反応していることも見た気がしました。

さて、定子サロンオープンがこころもとなし!待ち遠しい!

詮子さま、倫子さまは引き続きの恐ろしさをかもしていてよし!


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