2022/11/26 面会。

リクライニング車椅子に身を委ねて、ブランケット代わりにバスタオルを数枚かけられた身体がやって来る。母と同じ年頃に見える病棟クラークのおばさんが、優しい笑顔を保ちながら母をパーテーションの向こうに連れて来てくれる。

「おかあさーん、わかる〜?」
に2メートル位ある透明の板が邪魔だ。こんなに辛い姿になった母を目の前に、何で手も握ったら駄目なんだろう。私は世の中の不条理を噛み締めながら、母に手を振る。

母の視界に入るように手を振るが、母はこっちを見たり見なかったり…でも、眼力がありよく眼が動いている。何かを理解しようとしている眼だと思った。

麻痺のない左腕がよく動く。

母がこの病院に移るとき、母のベッドサイドに飾りたいと思ってかった、造花の飾り物についていた小さな熊のぬいぐるみ。いつもなら、左手にタオルを持たされていたが、今日はその熊ちゃんを持っていた。母は透明の板越しに、それをずっと差し出してくる。受け取れないのが悔しすぎる。

父が面会に来たそうにしていたので、今日は母の動画を撮った。

母からの有効なリアクションはほぼ無いのだが、一度だけ手を振返したことがあった。でも、どれだけ私を認識して、どんな意図で手を振ったかはわからない。ただ真似をしただけかもしれない…。

15分が経ち、面会は終わった。
本当に馬鹿げている。大切な母親が入院しているのに、指一本触れられないし、まともに声も掛けられない。本当にどうにかしてほしいよ…。