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ジブリ映画『君たちはどう生きるか』考察

ネタバレを含みますので、ご注意ください。
ちなみに私はジブリオタクではありません。ジブリ作品は8割程度鑑賞してきたかなぁくらいの者です。なんなら、映画館に行ってまで見たことは一度もありません。。

でも今回は、内容が一切分からないことにまんまと好奇心を刺激されて観てきました。これは、他の方の長い考察等は一切見ていない搾りたての感想・考察です。(ツイッターの短い感想は少し目に入ってしまっています)
あと一回見ただけなので、名前の漢字は分からないのでカタカナだし、色々記憶違いもあるかもしれません。ご了承ください。


1. ジブリとその他子供向け名作作品のミックスジュースだ!(良い意味で)

いたるところに、「ああこれはあのお話のあれっぽい」とピンと来てしまうシーンや設定が散りばめられているように感じました。
今っぽく言えば「匂わせ」なのかも。
宮崎駿の作品だから成り立っているけれど、若手が同じことをしたら、
「名作の継ぎ接ぎじゃねえか!」と怒られてしまうかも…。

それから、ストーリーテリングは破綻している、何が何やらさっぱり、という感想も見かけましたが、もともと宮崎駿作品って現実と幻想のはざまで、作品全体が夢だったのかな・・・って雰囲気ですし。彼のネームバリューと技量(鈴木さん他スタッフの協力もあってのことだとも思いますが)によって、ちゃんとした作品に仕上がっていると私は思いました。

(1)白雪姫

主人公のマヒト君が疎開してきたお屋敷には、美しい奥様と7人のお婆さんと1人のお爺さんと1人の病人(これも性別はお爺さんかな)がおりました。
お婆さんたちはそれぞれ個性的で、愛らしくて、小さいです。まるで、今までのジブリ作品に出てきたすべての愛らしいお婆ちゃん達をかき集めたアベンジャーズのよう。なんでこんなに集めたのか?なぜこの人数なのか?

これ、たぶん白雪姫と7人の小人のモチーフでは?

・マヒト君が弓矢を作っているときに本を落としてしまうのですが、
そのなかに「グリム童話」の本も入っていました。
・タバコが好きで地下の世界までついてきてくれたお婆さんは、7人の小人たちになぞらえれば、おこりんぼうキャラっぽい
・マヒト君が地下の世界で寝ているときにお婆ちゃんズの人形が「守ってくれていた」
・後半でヒミちゃんが意識を失って運ばれていくシーンも、ガラスの棺に横たわるその姿・髪型・服装・・・まるで白雪姫のよう。
・美しい奥様(=ナツコさん)は、マヒト君にとって継母。白雪姫も継母との関係テーマでしたよね。
・マヒト君自身が白雪姫ではなさそうですし、部分的にオマージュしている印象

(2)ラプンツェル

アオサギが最初に高い塔の一番上の部屋の窓に入っていくシーン。
この高い塔全体の雰囲気や一番上の部屋という点が、ほんのりラプンツェルの塔を連想させました。(いや、すみません。私が勝手に連想しました。)

(3)美女と野獣

・アオサギに招かれて初めて塔に足を踏み入れた時、塔の内部が高い高いどこまでも続く本棚だらけの空間だった。
・赤いバラが落ちてきて割れる。
この2点から連想してしまいました。
特に赤ピンクのバラですよ、赤ピンクのバラの必要ありました? 

(4)眠れる森の美女

最初に塔に入って「お前の母さんを見せてやる」とアオサギが見せたのは、
横たわって眠る美しい母でした。まるで眠れる森の美女。
でもマヒトが触れると液体になってしまう。

二度目は義理の母であるナツコさん。
マヒトが危険な塔をのぼって眠れる美女を連れ帰ろうとしているわけです。
今度は起きてくれるけれど、すごく拒絶されてしまう。
うーん、そうね。マヒトはナツコさんの王子様ではないしね。
王子にしてはまだ成長途中だし。ここは拒絶で納得感がありました。

(5)ハリーポッター

いやこじつけかもしれない。この時にはすでに色んなモチーフ出てきててワクワクしてたもんで・・・。でも、私には地下の若キリコさんが振るう魔法の杖の先が光って呪文唱えてる感じとかが、何となくそう思えて仕方なかった。

(6)ジブリの各作品

ハウルの動く城、千と千尋の神隠し、トトロ、ポニョ、思い出のマーニー、魔女の宅急便、ナウシカ、もののけ姫、ラピュタ、火垂るの墓。
ここら辺はもう、なんていうか、感じたよね??
見たことのある人はみんな、きっと・・・。
宮崎駿の頭の中ではきっとこれらのたくさんの作品が、混ざり合って夢をみるように流れ続けているんだろうなと感じました。
隠れミッキーをみつけろじゃないけど、隠れジブリを探せみたい。
私が好きなのは、セキセイインコの暮らしが描かれているシーンで小さくパンを焼いている子がいるんだけど、これが魔女の宅急便のオソノさんの旦那さんに思えてならなかった。

・セキセイインコの胸の模様がトトロと似てる
・もののけ姫の小さな白いやつら(こだま)、トトロのまっくろくろすけ、千と千尋のススワタリに続く、小さくて可愛くてたくさんいるやつらシリーズの4番目かな?たしか、名前はワラワラ。
・「火」が重要な要素。ハウルのカルシファーを思い出す・・・
・「石」、最後に浮かんでいた大きな島のような石。ラピュタを思い出す・・・
・石のトンネルの陰から敵の兵隊インコの様子を伺うのもラピュタっぽい
・「DUCH」って看板をセキセイインコが掲げています。この言葉を調べてみたらポーランド語で「魂」という意味らしい。そしてその後大叔父が「石との契約」の話をしている。契約とか魂とか、ハウルや千と千尋っぽいです。
・ナツコが産室で休んでいるときに、上で回っているたくさんの白い紙のピラピラが、千と千尋の紙人形のよう。
・最後の方、ヒミとマヒトが再会するシーン。ラピュタのパズーとシータのよう。
・暖炉。パン。海。草原。空。森。汗と血。ゼリー感のある謎の液体。トンネル。
・不完全な家族。お婆さん。母の不在。あまり頼りにならないお父さん。元気溌溂な女の子。頼りがいのあるお姉さん。魔法使い的な人。
・大叔父とヒミの関係が、ユパ様とナウシカの関係のよう。
・異世界と成長。
・「元の自分の世界に戻ります!」

2.その他いろいろ

(1)ザ・ジブリ感満載の作品なのに、意外に感じたこと

・主人公が男の子!
・メカ少なかったですね!飛行機も。
工場で作っている部品がちょっと映っただけだった気がします。
・一方で鳥はめちゃ多かった・・!
種類としては、アオサギ、ペリカン、セキセイインコだけど何しろ数が半端なかった。あんまり宮崎駿で鳥のイメージなかったから、ほーと思った。

(2)雑感

・アオサギ。見た目は美しいアオサギ。中身は禿げた中年。
本当の姿を偽っている(嘘つき)の中年。
嫌いだけど、でも友達になった。

・マヒトとナツコとキリコの神隠し。
帰ってきたら本当の家族になれた。
産室でぶつかり合うマヒトとナツコが良かった。
ナツコの叫び。(産まれちゃうんじゃないかと心配してしまった)
マヒトが初めて母さんと呼ぶ。
あのシーン良かったな。
ヒミ(姉)の「良い子だね、こっちにおいで」も拒否されるのが、いかにも家族で良い。

・おばあちゃんズ・セブンを研究したい衝動にかられている。
①トトロのおばあちゃん・・・たぶんいた
②千と千尋の神隠しの湯婆婆・・・たぶんいた
③ハウルの荒地の魔女(魔法抜かれた後)・・・たぶんいた
④ハウルのソフィー(おばあちゃんver.)・・・たぶんいた
⑤ナウシカのおおおばさま・・・いたかな?
もう一度、おばあちゃんズを確認したい・・・。
あとおじいちゃんと病人も気になる。

・声優陣が素晴らしい。
木村拓哉はすぐわかった。でも上手。
男性として魅力的で仕事もできるけど、物事の本質は見てない感じ。
「マヒトがセキセイインコになっちまったー!」って素っ頓狂に叫ぶとこ。
あいみょんも良かった。少し癖のある魅力的な声、誰だろって思った。
菅田将暉!ぜんぜんわからなかった。すごい。。。


以上、採れたての感想でした。
結構楽しめました!ありがとうございました。

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