AIの人格

今日、AIの遺電子という漫画を読みました。
Instagramを眺めてたら広告で流れてきて、面白そうだな〜と思い、読みました。

ネタバレ含むので、まだ読んでない人は読んでからこの記事を読んでくださいね。

読んでいない人のためにあらすじを。

【1話】
AIが進歩し、ヒューマノイドが国民の1割を占める時代。でも、ヒューマノイドの頭だけはコピーや交換が禁止されていた。
主人公はヒューマノイドの医者をやっているが、あるときウイルスが感染してしまった女性のヒューマノイドの診察にあたる。違法なバックアップを行った結果、バックアップの際に外部からウイルスが入ってしまい、女性の寿命は半月と言われる。バックアップは無事で、バックアップを女性に再インストールすれば彼女は元に戻るが、1週間分の記憶がなくなってしまう。それでも彼女とその夫は復元を依頼するが、直前になって彼女はバックアップを使うことを拒む。そして「バックアップを使うしかないのはわかる。でも、今私が私だと思っているものはここで消えてしまう…そう感じるの。怖い、私、怖い。」と。
復元は中断され、2週間後に彼女はウイルスによって機能停止してしまう。その後、バックアップから彼女が復元されると、娘は「ママはバックアップ時のトラブルで半月眠ったままだった」と伝える。
何事もなく彼女は元の生活を送るが、娘は復元前の母親どの記憶を持たない復元後の母親に複雑な感情を持つ。

ヒト指向型人工知能の複製等に関する法律。なぜこの法律があるのか、考えさせられる話でした。

【3話】
ヒューマノイドの医者をやっている主人公のところに、おもちゃを治して欲しいという少年の依頼が来る。ポッポというくまのぬいぐるみ。母親は片親の寂しさをなくせればと少年にこのおもちゃを買い与えたのであった。メーカーのサポートも終わっている骨董品でもちろん心などあるはずがない。

そう思っていたが、そのクマはあっという間に少年の家族になっていった。医者から治療されたポッポが家に帰ってきて、母親は「プログラムで動いているだけなのにペラペラ喋って気持ち悪い」と言い、少年は「ママせっかく治ったのにヤな感じだね」と言い返す。ポッポは「ケンカは良くないよ」となだめる。

少年がポッポに心って何だと思う?と問うと、ポッポは「難しい質問…」と困る。少年は「ポッポに心がなかったらポッポを卒業しなきゃダメなのか、ポッポはずっと一緒にいてくれるのに」と葛藤する。すると、ポッポはユキちゃんという謎の人名を言うことになる。

ポッポはまた病院に連れていかれ、記憶データのタイムスタンプに20年前のものが大量にあることが見つかった。前回修復した時に、少年との記憶だけでなく、消したと思われていたユキちゃんとの記憶までポッポにまとめて記憶させてしまっていた。主人公は少年に前の持ち主の記憶だけ消せば元通りだけどどうするかい?と尋ねた。すると少年は消さないで残し、ポッポをユキという前の持ち主のところへ連れていった。
そこは彼女の墓で、彼女は既に亡くなっていた。
ポッポは語り出す。「いつも一緒だったけど、突然会えなくなった。ママもパパもユキちゃんがどこにいるか教えてくれなかった。でもボクいつもユキちゃんに会いたかった。ずっと一緒だって約束したから。ユキちゃん、やっと会えたね。」
母親は少年になぜ記憶を消さなかったのか尋ねた。少年はかわいそうだったからと答えた。
するとポッポが喋り出す「これは海?ボク海見るの初めて。キレイだねぇ。」と。

人格って怖いなぁと思いますね。
仮に脳を移植できた場合、そのまま考えが変わってしまう、もしくは自分が考えていたもの、概念がそっくりなくなってしまう。自分とはどこまでが自分だったんだろう、そう悩む気がします。
自分と同じプログラムをインストールしたとして、今動いているプログラム、つまり私は消滅するわけで、それと同じプログラミングをコピーしても本当にその人なのでしょうか。

そういう人工知能社会が来る中、人工知能の問題とはなんだろうと投げかけてくれる作品でした。

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