映像作品についてのインタビュー② 『フライ、ダディ、フライ』
――では、個々の作品に関して伺いたいと思います。まずは著作が初めて映像化された『GO』ですが、どの程度関わられたのですか?
制作には直接関わっていません。僕が関わったのは原作権をどこに渡すかの決定、一部のスタッフ・キャストの選定、脚本のために取材を受けたこと、原作者としてのストーリーチェックぐらいです。なので、僕が語るべきことはあまりありません。
――ストーリーチェックとは?
脚本をチェックして、原作が改変された箇所にNGがあったらそれを指摘することです。要は、“うるさい原作者権”です(笑)。ちなみに、この権利はきちんと契約書に盛り込みました。
――制作側と揉めるようなことはありましたか?
何度か改変に関して意見の交換がありましたが、揉めるというレベルではなかったです。
――作品の出来には満足していますか?
はい。映画が評価されたお陰で小説の認知度も上がりましたし、初の映像化作品としてはとても恵まれていたと思います。
――では、次は映画『フライ、ダディ、フライ』について伺います。小説版のインタビューで、映画『GO』のプロデューサーである黒澤満さんに企画を持ち込んだのが映画化への第一歩だったとおっしゃっていましたが、そこらへんの経緯を聞かせてください。
そもそも僕は黒澤満さんがプロデュースされた映画のファンだったこともあって、映画『GO』の制作過程で親しくさせていただいたんです。子供の頃に見た遊戯シリーズや『野獣死すべし』の裏話などを聞かせてもらったりして(笑)。映画が日本で公開されたあと、釜山国際映画祭に招待されて僕も一緒についていったんですが、そこであることがあって、黒澤さんに企画の話を初めてしたんです。
――あること、とは?
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