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10年10万kmストーリー 第48回 トヨタ・ランドクルーザー70バン(2000年型) 20年54万5000km


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 SUVというカテゴリーが生み出される前、オフロード4輪駆動車は山の中や牧場、農場、あるいは戦場などの未舗装路を往くための、限られた仕事を持った限られた人だけのためのクルマだった。
 ラダーフレームにボディを載せ、パワートレインには副変速機を備えて4輪を駆動する。乗用車とは掛け離れたメカニズムを持っていた。
 世の中が豊かになって、余暇を嗜む余裕が生まれてくると、RV(レクリーエーショナルビークル)と呼び名が与えられ、メカニズムも少しずつ洗練されていった。
 本格派のオフロード4輪駆動車は現在でも少数が生産されているが、SUVと呼ばれる大半のクルマはほとんどが舗装路を走ることを前提に造られているから、仕立てはまったく異なっている。
 仕事のために本格派オフロード4輪駆動車をあえて乗用車として乗っている人もいたけれども、SUVは最初から乗用として乗られている。
 前者の日本代表とも呼べるトヨタ・ランドクルーザーに乗り続けている読者の男性からメールをもらった。
「初めてお便りします。2000年式ランドクルーザー70系に20年、54万km超乗り続けている40代男です。
 10年10年10万kmストーリー、毎回楽しみに拝読しております。ランクルは、手放すことを考えられない、かけがえのない存在です。独身時代から仕事に趣味に、また結婚後も大切なファミリーカーとして使い、思い出を山ほど作って来ました。子供たちにとっても生まれた時から、当たり前にそばにあって、正に揺り篭のようなものでした。
 よくある平凡なストーリーかと思いますが、金子様の手にかかれば、どんな文章によってそれを紡いで下さるのか、非常に興味があり、いつも想像(妄想?)しております。」
 20年54万kmという歳月と距離に驚かされたが、頑丈なランクルならばきっと朝飯前なのだろう。メールの文面から、ランクルは道楽ではなく、家族とともにある存在であることが伺えた。画像を見ると、キレイなのにも驚かされた。
 妄想していただいているのだから、これはぜひ会ってみたい!
 さっそく出掛けてきた。


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