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詐欺師たち

ネットを芋づる式に徘徊してゆくのが好きなわけだけれども、
おととい、いつものようにニュースやらなにやらのサイトやから
興味をもったワードを検索したりなんだりしてたどりついたのが

「産前産後100万円詐欺られました」というエッセイ漫画

興味持って、一気に読んだ。

「そら、プロとして8年もおつきあいがあって相談してきたなら、信用するわなあ」
というのがまずの感想。

「思い出してみれば…」
怪しいところがあったとしてもよ。

それにしてもこの詐欺師のおっさん、ひとりから100万とって
うまくいったひとが10人前後としたら、1000万くらいしか取れてないんじゃないか。それで社会的に消えてしまうって割に合うのか?

とも思ったのだけれど、ずっと詐欺師していたわけではなく
退職にあたり、「退職金がわりにもらってやるか」とこれまでの知識・経験からぎりぎり、訴えられない範囲の計画たてたのかな
そう、この主人公のように
「これ以上のお金をつかって自分の時間と心を削り取られたくない…」
と思って泣き寝入りする微妙な金額と、そうするであろう人たちを選んで。

おっさん、犯罪すれずれであったり
感覚麻痺しているであろう業界のいろいろも見てきて
「これくらい、ええやろ」
と思ったのかもしれない。
また、離婚やらなんやらでもう失うものがなく、心機一転の気持ちもあったのかな。
盗られたほうは、たまったもんじゃないけど。

「犯罪すれすれ」
「恋愛詐欺では」
という事案、ネットでもあちこち転がってるし
あたしが実際に見聞きしてきた話でも、「だまされてる」「ぼったくられている」話は数多あり、また多くの人も思い返してみれば大なり小なりきいたり経験したりしたことあると思う。

ふつうにまかり通っている商売でも、それが商売だから原価より上乗せしているわけで
それが良心的か暴利か、ありえへんかの違い。

そして「詐欺師」と呼ばれるひとたちには何種類かあって
・わかってやっているひと
・「普通のこと」「これくらいええやろ」と思ってやってるひと
・まったく意識していないひと
に大別できるのではないだろうか。

そして前の夫いわく「スケベ心をだしたヤツ」がだまされる。

冷静に考えれば、客観的にみればおかしい話なのに
情やら、自分の都合のいいように信じたいという心理が動いて
まんまとだまされるのよね。

あたし自身、恋愛商法みたいなのでお金差し出したこともあったし
(それはそれで面白かったな、いい経験になった)
搾取した側のひとが身近にいたこともある。

「このひと、詐欺師だなあ」
と思ったひとの言動を思い出してみると
本人が本気で「これでもうかる」と思いこんでるのかも?と思わせる話術
そのひとが話すと、それが実現可能な夢で、実際に起こりうると思わせる不思議なちからを持っている(けれど実際は起こらない。「でも、次は実現するのかも?」とついつい信じてしまう)。
そういう意味では、詐欺師はある種才能をもっているということか。

そういや、阿部譲二の本によると、「サオ師」(女性からお金を巻き上げるいわゆるヒモ)は顔がいいとかではなく、ブサイクの部類にはいるような男なのだとか。

(「男の民俗学大全」によると、まともな「竿師」という竿を作る職業もあるらしい。)


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