14.借りパク遺品

そんなわけで、就職活動連戦連敗なのよ。

直接応募と派遣会社通しての面接が先々週あったわけだけれど
どちらも「残念ながら…」てお知らせが今週届いた。
派遣会社は続けて2社紹介してくれるっつうんで
「ぜひ、話を進めてください」
つったけど、二日後電話があり、一社は既に応募締め切りで
もう一社は他の派遣会社からのひとで話が進んでるってさ。

「この役立たずめ!」

「いまちょうど入ってきた話で…」
ととあるところの話をしてくれたけれど、
そこはあたしは4年前まで10年間、いた組織で
募集してるのはあたしが3年間、いた部署。
しかも、ちょうど一年前にそこの契約社員のポジションに応募して
面接まで行って落ちたトコよ~。

「どうのこうの言ってるバヤイではなく、就職のチャンスは藁にもすがる思いでつかむべし」
かなあとも思ったんだけど、やっぱり長く働きたいし
直感でナシって思ったとこは最初からやめといたほうが
自分も相手も無駄な時間つかわずにすむと思うのよね。
と、一晩悩んだ挙句話進めるのを断ったワ。

大変なのはあたしだけではない、とはわかっちゃいるけど落ち込むし
書類選考通って面接までいくのは有難いけれど
面接まで行って落とされたら
「なにがいけなかったんだろう」
ってendless revision(負のぐるぐる思考)にはいって落ち込むよね~。

そんなわけで、猫と昼寝したりしてやり過ごしてるわけだけれども

ネットのとある場所で、水木しげるの「カランコロン漂泊記」を見つけて
こんないまの状態に響きそうだぞ、とさっそく注文したわけ。


ほんで、だらだら水木しげるに思いをいたして思い出した、
あたし「猫楠」って水木しげるの本持ってるのよね。


いぜん、「金魚カクテル」って話を書いたんだけれど

そこに登場するUさんに、「猫楠」って猫の視点からみた熊楠描いた漫画借りたのよね。

「基本、ひとには本貸さないし、熊楠大好きだから」
言うUさんに「絶対返すし」とか言って。

そして、結局、返すことはなかった。

なんかやりとりする機会なくなってしばらくしたころ、
知り合いからUさんに30歳代のヒジョーに嫉妬深い彼女ができた、ときいて
そらまずいな、触れんとこと思って触れんといてどれくらいたったろう…

しばしつきあったシトがこのUさんと割と親しかったひとで、
Uさんはもう何年か前に癌で亡くなったとか。

あら~、借りパクしたまま返す機会なく…。

「遺品としてもらっといていいんじゃない」
とそのシト。

ま、そうだね。

死んだひとのことを思い出すのが残った者の仕事だしね。

大事にさせてもらいまっさ。

考えてみれば、いろんなひとの思い出に埋もれてるわ~。

ほんだけで、無聊を慰められるよね!

みんなは、借りパクしたことされたことある?

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