見出し画像

僕と出会う女はみんなお金目当て⑤〜バイトの後輩〜

   いつも通り僕は学習塾のバイトにいくと、帰り際後輩に夕飯を食べようと誘われた。どうやらこの後輩はお好み焼きが食べたいらしく、2人で駅近くの小さな飲み屋街にあるお好み焼き屋に入った。ちなみに今回は奢りをねだられなかった。

   里深 清香(さとみ きよか)というこの後輩は、ぽやっしている感じで、人懐こいように思えるけど思ったより交友範囲はせまく、目はぱっちりとしてて結構可愛い。男の話もちらほらと聞いたが、恋愛とか性的な話は出たことがなかった。そんな後輩はやたらと僕をからかってくるので、僕の方もと適当にあしらいながら相手をしてやっている感じでこの関係はなりたっている。里深は僕の皿に箸をのばして、僕の大切に育てたお好み焼きのかけらを食べてしまった。そして僕が「やめろよ」と言って笑い合うまでがいつも通りで、どうにもそれがむず痒かった。
   けれども今日は、里深の箸がさらにのびてくる。

あれ?止めないの?先輩

   里深に言われてハッとした。僕は里深の箸先の行方を見て、僕の皿に近づくほど胸が苦しくなっていた。
   里深の箸はスピードを落としてさらに近づいてくる。

ほらほら、取っちゃいますよー先輩。

   そうだ、止めなきゃいけないんだ。でも……あれ。
   なんて言う。何を言えばいいんだったっけ。
   里深にお好み焼きを取られてしまうと思うと、胸が苦しく、全身の力が入らなくなっていく。こころなしか呼吸もつまってしまう。
   そうこうしているうちに里深の箸が僕の皿のお好み焼きに届く。

はい、とうちゃーく笑


ここから先は

1,104字

¥ 500

おいで♡ 怖くないよ〜♡♡