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自分だけは大丈夫と思ってない?非常時の正常性バイアスは危険です! No.537

一昨日ラブリークイーンが破綻したというニュースをyahooニュースで知りました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ラブリークイーンは私の実家の会社で兄もまだ社員として社内にいました。

既にラブリークイーンM&Aされていて、私もLFCを退任しているので、直接的に関係はないとはいえやはり感傷的になりますね。

全く情報が入らないので何も言えませんが、働いている皆さんが無事就職できるよう願います。

破産という状況を身近に感じながら思うのは、皆さん大丈夫だろうかという事です。


経営者の皆さん、あなたの会社は大丈夫でしょうか?


従業員の皆さん、あなたの勤めている会社はどんな状況ですか?


正常性バイアスという話を最近よく聞きますが、こういった危機的状況でも「めったなことは起こらないだろう」とか「私は大丈夫だと思う」という考えを人間は持ってしまうそうです。

例えば私は岐阜県に住んでいますが、このあたりは昔から地震が少なく「南海トラフ地震も大丈夫だろう」と思っている方が、私を含め少なからずいるのではないでしょうか。

しかしこれも「昔からというのはいつから?」という話で、わずか130年前に濃尾地震という5000人近くが亡くなる大きな地震がありました。1800年代にはM7クラスの地震も複数回あったようで、もともと地震の多いエリアです。

しかも、最近岐阜県や長野県で地震が多発しているので、万が一のために防災の準備もしなければいけません。防災グッズは準備しておいて使わなければそれで幸せと思えますよね。大切なのは準備してあるという安心感です。

経済的な面でもバブル崩壊やリーマンショックでも大丈夫だったという経験で「まあ今回のコロナも大丈夫だろう」と思っている方もいらっしゃると思います。

確かに緊急事態宣言で旅行業や、飲食店など危機的状況に陥る業種も多くありましたが、身近に営業を停止したという状況はあまりありません。なぜなら、現在は補助金・助成金・無利子の融資などで何とかしのげています。しかし、こんな状態は永遠には続きません。

帝国データバンクによると新型コロナウイルス関連倒産の状況は
・「新型コロナウイルス関連倒産」は、全国に263件判明(6月17日16時現在)
・法的整理175件(破産153件、民事再生法22件)、事業停止88件
・業種別上位は「ホテル・旅館」(41件)、「飲食店」(39件)、「アパレル・雑貨小売店」(18件)、「食品卸」「食品製造」(各16件)、「建設」(10件)など

これも裁判所の手続きを終えたものがこれだけで、順番を待っているような状況ですので、これからどんどん増えていきます。

どこも大変な状況の中、お客様への価値提供や新たなサービスの開発など未来のためへの時間で忙しい会社は健全ですが、今そんな会社がどれくらいあるでしょうか。

ほとんどの会社は資金繰りや取引先の状況確認、最悪のケースは人員整理など非生産的な方向へエネルギーが向いてます。これでは利益を上げることも出来ず、経済がさらに収縮していきます。

大切なのは、一度最悪の状況をイメージしてみることです。そこを基準に考えればまだ出来る対策はあります。

簡単なステップは
1.会社が何カ月存続できるかを確認 最悪の場合どうなるかを想定
2.資金手当て
3.対策を行う

1.現状見込める売り上げで何か月分の運転資金があるのかを確認してみましょう。本来は固定費・変動費を確認し計算する必要がありますが、普段からあまり数字を扱っていない方は、一番簡単な方法が

(去年の売上ー去年の利益)/12=1ヶ月の運転資金

今手元にある現金をこの運転資金で割ってみれば何カ月持つかがわかります。計算をして3カ月は大丈夫なのがわかれば次に、最悪のケースを想定します。

資金ショートし会社が倒産するとなるとどうなるのかを細かに想定します。自己破産するのか、社員の方はどうなるのか、自分たちの家族はどうなるのかをしっかりと想定します。

2.次に出来るだけの資金手当てを行います。今は色々な融資制度がありますので、まずは国民政策金融公庫へ行き、次に取れるならセーフティーネット4号を申請してもよいでしょう。商工中金や普段取引のある金融機関に相談もしていきます。

ほとんどの方が手続きをされていると思いますが、追加の補助金などは随時補正予算で出てきますので、最新の情報は必ずチェックしましょう。

キャッシュが最大化できたら、再度何カ月会社を維持できるかを計算しなおし確認します。

3.何カ月持つかがわかれば後は心配するのはやめて、未来のために動き出します。今未来に向けて何が出来るのかを真剣に考え取り組みます。

最悪のケースが想定できていれば、一番大変な状況から考え、そうならないための手がいくつも打てます。一番よくないのが何が一番大変な状況なのかを明確にせず無駄に心配する事です。

最悪のケースが明確に想定できていれば意外と落ち着いて行動できるようになり、「やるしかない」状況になります。あとは迷わず未来のためにやるべきことを着々と進めていけばOKです。

正常性バイアスに惑わされず、しっかりと対策を考え行動していきましょう。

今日の一言
私だけは大丈夫と考えない
最悪を想定し、出来ることをリストアップし一つづつ対応していく

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