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父から息子へ贈る言葉

「この本で書くことは、何が正しいのかの議論ではなく、次の世代に残す選択肢の一つを増やしておくことである。次の世代へのギフトとして」

この文章は、今から15年前の2006年に書いた著作『ギフト 君に贈る豊かさの知恵』の前書きに描いた言葉です。

当時小学生だった実在の息子へ、未来のいつかの日に、大人になって社会人としてビジネスを始めているであろう息子に、父親の私が豊かに成功する知恵を語り掛けるという設定にしました。

お陰様で、2006年当時大きな反響を呼び、実際に自分の子供へギフトとして贈った読者の方も多数いらっしゃいました。

「誰かに贈りたいビジネス書」という珍しいジャンルを切り拓いた本でもありました。

この本が単なるビジネス書ではなく「作品」として読まれていたことを感じさせる感想をたくさんいただきました。

■「気品」とか、「品格」という言葉があります。
多くの本が、書店の棚に並ぶ中で、この平野氏の新著『ギフト〜君に贈る豊かさの智恵』には、正直、単なるビジネス書という枠を超えた「絶品の品格」を感じました。「読む」というよりも「味わう」・・・
まさに2人称で、兄貴が、あるいは 若い人たちにとっては 父親から、語りかけてくるような、親しみと慈しみを行間から感じました。
■本書は豊かさの知恵というサブタイトルがある。前半は感動とは何かを説いている。実にわかりやすく伝わってきた。読み進めていくうちに、昔の頃に戻ったような懐かしさを感じてきた。
読み切ってしまった後は、いつの間にか辺りの空間が変わっていた。子供の頃の陽だまりのような心地よい優しさに包まれてしまったのである。
■父親である著者が、未来の息子に伝えたいメッセージとして書かれたビジネス書ですが、この本の中にある言葉がこれほど心に響くのは、「息子へ語りつぐ」という二人称で書かれているからだけではありません。随所に、読み手に幸せになって欲しいという、著者の大きな「愛」のようなものを感じるのです。
仕事人としてどう生きるかというのは、結局、人としてどう豊かに生きるべきか、ということ。
人と人との関わりの中で、いかに感動と幸せを分かち合うことが大切か、そんなことを思い出させてくれる、私にとっても「ギフト」のような本になりました。
■大切な人にどうしても伝えたいメッセージ。多くの人が成功のための成功に陥り、幸福を忘れそうになっている今、真の豊かさとは何かについて深く考えるヒントになる本でした。

その後13冊の著作を上梓しましたが、今でもこの本は、最も記憶に残る作品となっています。

実際に息子が社会人になったときに私から直接手渡したのですが、その時の少し照れたような息子の顔が鮮明に浮かんできます。

父子1

「蘇る名著」電子書籍化プロジェクトのオファー

時は流れ、紙の本としての在庫は切れましたが、この本の使命はまだ残っていることは自覚していました。

そんな折、近著『感動力の教科書』の版元である「ディスカヴァー21」の編集担当者さんから、電子書籍化のお声がかかりました。

まだ電子化されていなかった過去の名著を電子書籍として蘇らせるプロジェクトが「ディスカヴァーebook選書」の名称でスタートするということでした。

せっかく選んでいただいたからにはということで、新しく「あとがき」を追加し、初電子書籍として再発売されたのです。
*詳細はこちら https://www.kandougift.com/ebook/
 
今読み返しても、内容がまったく古くなく、むしろ今の閉塞感溢れるコロナ過において、より役に立つ本質的なコンテンツでした。

電子化による再発売にあたり、追加修正点を探したのですが、ほとんでなかったことも、嬉しい発見でした。

ウイズコロナの時代に改めて問う、大切なことを大切にする豊かさの知恵。

閉塞感漂うコロナ過の中、静かに広く世界中に拡がってほしいと、心から願います。

『ギフト 君に贈る豊かさの知恵』電子版あとがきより


欧米に比べ、感染者数も死者数も桁違いに少なく抑えられた日本でさえ、
全国的にネガティブな空気が蔓延し、テレビの報道バラエティ番組は視聴率重視なのか、不安や恐怖を煽る構成になってしまっていました。

SNSでは、様々な有益な情報と共に、様々なデマや批判や誹謗中傷が飛び交い、不安や恐怖が生み出す情報パンデミックの様相ともなりました。

そんな中私たちは、医療崩壊を押さえながらも経済も過剰に止めないために、できるだけ客観的な事実と情報源を選びながら、正しく怖がることが、重要な心構えとなることを学びました。

不意打ちのように訪れた世界規模のウイルスパンデミックは、マネーゲームや自我の拡大に明け暮れていた人類に対して、「進化と向上のドラマ」という人間本来の王道の舞台に戻るよう、強制的に用意されたようにも思えます。

どうか忘れないでいてほしい。
新型コロナウイルスの危機の中でも、余分なものがシャフルされ、本来の姿に戻るという現象が世界中で起きていたように、私たちは陰陽二面性の世界で生きていて、どんな困難には必ず同じだけの恩恵と感動がセットされていることを。

どうか忘れないでいてほしい。
イタリアのベネチアの運河が劇的にきれいになり、魚が戻り、イルカが泳ぎ、白鳥が飛来し、世界中の自然や都市が本来の美しい姿を取り戻していたことを。
そして、ロックダウンを経験した世界中の人々が、普通の日常の尊さを、人と会えることの感動を、心底再認識していたことを。

どうか忘れないでいてほしい。
医療従事者が、自らも感染するかもしれない命の危険の中で、使命感を拠り所に奮闘してくれていたことを。

新型コロナ後の社会を立て直すためには、デジタル技術を使った働き方や行政やビジネスの仕組みの進化はもちろんのこと、新型コロナ前に当たり前に存在していた、人間を中心とした「リアル」の価値の再発見を軸にした新しい流れが沸き起こってくると予測されます。

それは押さえていた欲求の圧力が、出口を求めて爆発するほどのパワーで。
私も生涯現役で、世の中に人間性に溢れた感動と感謝を創造して行く活動を続けて行きます。

またいつかの日の未来に、同じ時を積み重ねながら生きる君に、このような書をかける日が来ることをイメージし、私も研鑚を積んで行こうと思います。

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