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No rain 、no rainbow

コロナ過の世界は今、先がわからない不安と恐怖で、ストレスレベルが非常に高くなっています。

かつてこれほど広範囲に世界中がストレスに包まれた時代は、世界大戦以来ではないかと言われています。

外出自粛やテレワークによって、職場や目的地への移動時間という、ある意味「脳や神経の休息の時間」が持てない状態がそれに輪をかけているという知見もあります。

疲労蓄積によるストレスは、無意識も含めて高いレベルになっていて、ネットでの他人への中傷、犯罪の増加など、かなり危険な領域へ入りつつあります。

人間は精神的疲労が蓄積すると、「ネガティビティバイアス」に陥りやすくなると言われています。

私たちの脳は普段、世の中の情報の千分の一程度しか処理できていません。

今のような危機的な状況では、生物としての生存確率を上げるために、より一層ネガティブな情報に注意警戒するようになります。

そこに視聴率稼ぎのために、マスコミが流す煽り情報やネットでのネガティブ情報がすぐに手に入りますから、見事に相性がハマります。

その結果、ネガティビティバイアスが強化され、さらにストレスが高まるという悪循環が生まれます。

未来への希望や目の前の感動があれば、マイナスの状況や気分とのバランスが取れます。

私たちの世界は、陰陽二面のバランスでできていて、それは(必ず)同じ量でバランスしています。

嫌なことがあった時には、必ず同じ量の良きことが起こっています。

しかし近視眼的に、目の前のことしか見えていない場合は、隠れた反対の面に気づかないことが多いのです。

今のように世界規模の危機の場合には、よりポジティブな面が見えにくくなっています。

圧倒的な危機的状況の中、希望を失わず生き残れるのかを描いた有名な作品に、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』があります。
 
ナチスの強制収容所という絶望的な環境の中、フランクルをはじめ収容者たちが生き残った理由として、「感動する心」と「ユーモア」の2つを失わなかったということがあげられています。

一日の強制労働を終え、収容所に戻りひとときの安らぎの時間に、フェンスの向こうに太陽の沈むのを見て心から感動したり、空襲や天候不良で強制労働がない日など、即席の演芸会を催し、それぞれが即興の詩や故郷の歌などを披露しあっていたそうです。

フランクル自身は、「強制収容所の心理学」というテーマで講演する自分を想像し、この極限状態を生き抜いたそうです。

「この思いつきが、私の苦しみともども興味深い心理学研究の対象として客観視できた。」

とフランクルは述べています。

「感動する心」と「ユーモア」と「客観視」は、極限の状態の人間をも救う力があります。

平時には喜びと希望を、非常時には生命力と連帯を。

感動は、万物の霊長たる人間存在が持つ本来の力を引き出すスイッチでもあるのだと思います。

イメージ(想像)は現実化(創造)する。

世界中の人間が、コロナ収束後に感動で連帯し祝う素晴らしい光景にフォーカスし、具体的なシーンをイメージしてみましょう。

私は、その感動の時に役に立つ新しい本が、世界中の人に勇気と感動を届けている、というシーンをイメージしています。

危機の最中には、まずはマイナスをいかにゼロに戻していくかが、最も重要な関心事であり優先されるべきことです。

しかし、常に陰陽二面が存在しているのであれば、ゼロからポジティブな方向へも目を向けておくこと、気づくことが必要だと思います。

日々のちょっとした感動に気づくこと。家族との時間の大切さに気づくこと。予定表にワクワクすることを意識的に入れること。

今制限されていることが自由になったときに、やりたいことをイメージすること。

私が提案するキーワードとしては、
「ニューリアル エボリューション(進化)」

・これまで当たり前だと思っていたリアル。
・意識しなかったけど大切だったリアル。
・なくなるとその重要性に気づくリアル。
・本当は感動的なことだったリアル。

それは、特別なことや新しいことでなく、これまでの日常的なリアルに本当はあったはずの価値の再考。

これが実現すれば、モノクロに見えていた出来事がもっとカラフルに見えて、幸福感が劇的にアップすることは間違いないでしょう。

人の動きが止まり、心が止まり、経済が止まりかけている今、どうすれば生活が成り立つか、仕事を続けられるか、未来に対する不安でいっぱいの時に感動やハピネスと言われても・・と思い始めたら、どうか、思い出してください。

陰陽二面は、いつでも同時に存在することを。

コロナパンデミックで制限され閉じ込められた感動エネルギーが、反対方面へ解放されるときこそ、日本も含めた世界の経済が再起動されるときです。

パソコンをイメージすればわかりますが、再起動した後は、不具合や無駄が解消され、最適化されていることでしょう。

人が動き、心が動き、経済が動く。

No rain 、no rainbow
(雨がなければ虹はない)


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