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【9月5日・6日交流戦ドキュメント】花岡洋平

9月5日、6日におこなわれた、読売ジャイアンツ(3軍)との交流試合。
出場選手をピックアップした記事をお届けします。

第一回目は、06BULLSの花岡洋平選手です。

準備と自信と悔しさと

高卒1年目の昨年、いきなり木製バットに順応し、3割を超える打率、そして25盗塁を記録し、盗塁王に輝いた。そして選抜チームでは打率4割、自慢の走塁も冴えわたった。

06BULLSの花岡ブラザーズの弟、花岡洋平。(兄は花岡雄一。ブルズのキャプテンを務める)

「花岡洋平」と表記して、場内アナウンスやユニフォームの背ネームは「洋平」。
今季、打率4割を超えるハイペースで打っていた。打球は格段に力強くなり、二塁打、三塁打も増えた。選抜で活躍してNPBへ。そう意気込んで臨んだ巨人戦だった。

1日目。初打席でいきなりセカンド内野安打を記録。「これで気持ちが楽になった」と言う通り、2打席目はレフトに、3打席目もレフトにヒットを放った。そのヒットの後には武器である脚で盗塁も決めて見せた。

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4打席目も四球を選ぶとすかさず盗塁を決めて見せた。5打席立ち、4打数3安打1打点2盗塁。十分すぎる活躍だったが、試合後の彼は浮かない表情だった。

「大西監督の言う通り、準備不足だったな…」

守っているときにその差を感じた。巨人の選手が出塁し、牽制が悪送球になり、少し逸れた。それほどボールが転がったわけではないが、その選手は迷わずダッシュすると、あっさり二塁を陥れた。

「あの走塁一つも、僕らの事をしっかり見て先の塁を狙っていたと思うんですよ。でも僕は第一打席、ヒットを打った後、スタートを切れなかった。そういうところに1球に対する集中の差を感じました」

初回、塁に出た後、もし盗塁を決めていれば、もっと相手にプレッシャーを与えられていただろうか。点差がついた9回の攻撃。ベンチの後ろからじっと相手を見る花岡が印象的だった。

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2日目、相手の先発投手は実績のあるベテラン左腕。1打席目はあっさりタイミングを外され空振り三振、2打席目もサードゴロ。しかし、3打席目はセンターに抜けようかという鋭い当たり。セカンドが止めたものの、内野安打となった。

「いい投手だとわかっていたので打ちたかったです。気持ちで持っていきました。自信になりました」

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しかし、前日2盗塁を決めた脚へのマークは盤石だった。何度かの牽制の後、スタートを切ったが、盗塁失敗。相手側の「準備」が勝った。

9回、1点を追う場面で一死から四球を選び出塁。是が非でも得点圏にランナーを進めたい場面。だが、花岡は完全にベンチの顔色をうかがってしまっていた。どうするべきか迷ってしまっていた花岡に、大西監督はベンチから花岡に言った。

「勇気があるなら行ってみなさい!」

直後、意を決して走った。キャッチャーの素早い走塁が決まり、アウト。「あとワンテンポの差だった」と後日振り返った。悔しそうな表情を浮かべ戻ってくる花岡に、ベンチの選手たちは拍手で迎えた。

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「練習から常に意識してプレーしないといけないですね。橋本さんからもあった通り、(相手と)練習時間の差もある。短時間でも集中して練習をやっていきたいです」

打撃も走塁も、まだ伸ばす余地は十分にある。次の選抜に向けて、準備は始まっている。

(文・写真 SAZZY)

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