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7月25日 100発の花火とホームランが彩った神戸の夜


前日の天気予報は雨、当日になっても微妙。
徹底的に雨に祟られた今季のさわかみ関西独立リーグ。予定されている60試合のうち、すでに6試合が中止になっていた。

この日、自宅から車を走らせても宝塚あたりで結構な雨が降ってきた。あじさいスタジアムに着いてもまだ雨が多少降っていた。しかし、グラウンドの土は持ちこたえ、選手たちは試合に向け練習を始めていた。

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(グラウンドで試合前の調整を行う選手たち)


花火ナイター


試合開始1時間前には完全に雨も止んだ。
グラウンドではシートノックが行われている。その裏で兵庫ブルーサンダーズの川崎大介球団社長が慌ただしく走り回っていた。この日は花火ナイターとして開催。準備に追われていた。

「花火はもともと3年前からやろうという話が出ていて、開催の時期がたまたまこのコロナの時期にかぶってしまったんですが、市や地元の協力もあり、本日開催することができました。やるからにはたくさんの人に楽しんでもらいたいです」

新型コロナウイルスの流行後、密を避けるため、花火の打ち上げはあっても、場所などを公表しないことが原則となっていたが、花火の打ち上げを事前告知し、観客を集めたこの日。事前の悪天候はあったものの、たくさんの人が球場に訪れた。


9人の継投


試合は兵庫の継投が目立った。

先発・西村太陽から2回には福良友作に交代。3回は清水健介、4回友田大悟、5回小笠原智一、6回カベンゲ・アラン、7回落合秀市、8回來間孔志朗、9回山科颯太郎と、投手を1イニングずつ交代するという継投。

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(登板した9投手。左上から西村、福良、清水、左中から友田、小笠原、カベンゲ、左下から落合、來間、山科)

この背景には兵庫が7月16日から7月23日までの間、活動を自粛していたことがある。自宅待機のため練習ができず、この試合で長いイニングを投げさせられない状況があった。

「さすがに練習ができなかったので、マウンドでの感覚が取り戻せずに苦労しました」と小笠原。それでもさすが開幕投手。1回を無失点に抑えてみせた。


二発の花火


この後の花火を前に「2発の花火」が観客の度肝を抜いた。

3回に指名打者でスタメン出場した藤山大地投手が、チーム1号となるホームランを放った。ちょうどライトスタンド後方に沈んでいく夕日と重なるような、大きな打球だった。

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(本塁打を放つ藤山)

4回には打線がつながり、アンディ、蔡鉦宇のタイムリー、藤山の犠飛と一挙4得点。5-0となり、5連敗中の兵庫ベンチが一気に沸いた。

しかし首位堺シュライクスも黙っていない。
6回、カベンゲから大神康輔がセーフティーバントを決め出塁すると、満塁とし、打席には7月14日に入団したばかりで初出場初スタメンの大橋諒介。初球のストレートを振り抜くと、打球はライナーでライトスタンドに飛び込んだ。

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(右越に満塁本塁打を放つ大橋)

8回には來間を攻め、またも満塁とすると、大橋がレフト前に5打点目となるタイムリーを放ち同点。そのあと真路が押し出しの四球を選び勝ち越しに成功した。

試合はその後、堺が糟谷颯、河内山拓樹の継投で逃げ切った。


打ち上げ花火


8回の裏終了後、花火がライトスタンド後方から上がった。
100発の花火が神戸の夜空を彩った。

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気づけば季節は夏。風物詩であり夏の象徴でもある花火の音がどこか懐かしく、すっと心に染み入った。密を避けるために中止になる花火大会も多かっただろう。

時間にしてわずか数分。それでも今年の夏の思い出に刻むには、充分すぎる時間だった。

「今年球団代表・社長になって、まだわからないことも多いので、今年企画することは、おそらく来年以降のモデルケースになっていくと思います。
まだまだたくさんの人に楽しんでもらえるように頑張りますよ!」と川崎球団社長。

兵庫ブルーサンダーズはこれで開幕6連敗となったが、打線の勢いも増し、少しずつ光も見えてきている。

兵庫ブルーサンダーズをより楽しむための動きはもう始まっている。


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