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7月31日 数少ないチャンスー堺シュライクス赤城圭佑が掴んだもの


「赤城に話聞いたってよ」
私が、恒例にしている試合後の選手インタビューについて考えていた時、堺シュライクス大西宏明監督が言った。

この試合、今季初スタメンとなった赤城圭佑は4打数2安打1打点1盗塁。初出場となった7月15日の試合でも代打で二塁打を放つなど、打撃で好調を維持している。

「最低でも今日のような活躍をして、試合に出続けて、規定打席に到達して、打撃3部門でトップ5に入りたいです!」21歳の若者は試合後に、目を輝かせて言った。

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(5回、右越えに二塁打を放った赤城)


数少ないチャンス

赤城の出場が遅れたのは怪我などもあるが、同じポジションの野手が好調だったことも影響していた。その日の赤城の起用について大西監督はこう振り返った。

「外野に怪我人が出て、打線どうしようかってなったときに、大友に外野を守らせて、赤城をDHに入れようってなった。赤城が守備が不得意っていうのもあるけどね」

そのチャンスを赤城はものにした。2回には右前にヒットを放ち、そのまま盗塁も決めた。5回に回ってきた打席ではチェンジアップを狙い撃ち。ライトの頭を越えた。

初スタメンにしては十分すぎるインパクトを残した。 


チャンスは平等には回ってこない


「そんな中で結果を出した赤城は大したもんよ」
 
大西監督が改めて言った。試合は6-4で勝利。チームは7勝1敗と快進撃を続けている。

「去年は選手のやりたいようにさせてたけど、今年は勝つために采配をしている。ちょっと打撃の調子が落ちてるなと思う選手は去年までなら我慢して使ってたけど、今年はすぐスタメンから外したり、代えたりもしている」
 
目の前ではその「外された選手」が必死になって試合後のバッティング練習に臨んでいた。開幕からしばらくは同じスタメンが続いていたが、すでに大半の選手がスタメンから外れている。
 
「やっぱりこういう世界やからチャンスは平等には回ってこない。チャンスを何回ももらえるのは、ドラフト1位か2位の選手ぐらい。こういうところでしっかり結果を残せるかどうかよね」

大西監督自身もドラフト4位。2004年の大阪近鉄バファローズで下山真二やラリー・バーンズらの不振でできたチャンスを掴み、レギュラーを勝ち取った。

実際シュライクスは怪我人も多く出ている。それでも首位を走れるのは、こうした中でしっかり競争を煽り、日替わりヒーローが生まれているからでもある。勝つための日ごろの準備がしっかりできている証拠でもある。
 
巡ってくるチャンス。しかもいつやってくるかわからない。そんな中結果を残せた赤城。そして次のチャンスを掴もうと必死になる選手たち。そのサイクルが今シュライクスを強くしている。

(2020年7月31日 SAZZY)

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