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アメリカと世界、そして日本

 昔ほどの影響力はなくなったとはいえ、アメリカ合衆国は強い力を持っている。ウクライナでもイスラエルでも、アメリカが働けば戦争はすぐに動くだろう。けれど、遠くから見ているだけの、他人事のように感じる。むしろ、戦争が続けば続くほど、アメリカの武器商人が儲かるようになっている。
 アメリカのマネばかりしている我が日本でも、国会議員は他人事のような感じで国を運営している。国民のことを本当に考え、発言力があり、まともな意見を言える国会議員が何人かいれば、日本はもっと変わっていくだろうに。
 そんな政治的な話ではなく、軽い話が読みたくて、早坂隆「新・世界の日本人ジョーク集」(中公新書)を詠んでいた。「ハハ」と思いながら見ていると、アメリカが登場する最後の方に、こんな話があり、ハッとなった。日本人ではなく、アメリカ人の話だ。 


●五つの質問
問い1.数え切れないほどのアメリカ先住民を虐殺したが?
答え1.重要ではない。
問い2.約一千万人もの黒人を奴隷として売買したが?
答え2.重要ではない。
問い3.日本に二発の原子爆弾を落としたが?
答え3.重要ではない。
問い4.中東の市民は今も戦火に苦しめられているが?
答え4.重要ではない。
問い5.9.11は?
答え5.世界史における最も残虐な事件。


  アメリカの歴史は、先住民=インディアンの土地を略奪し、虐殺し、追い払うことから始まった。
 黒人奴隷を使って産業をおこした。今は、アメリカ映画などで、黒人は昔からアメリカのヒーローであったかのように描かれ、昔からのヒーローも黒人にされている。何か変だ。そのくせインディアンはヒーローになれない。
 第二次世界大戦では、1945年、人類史上初めて、核爆弾が人間の上に落とされた。しかも、戦場ではなく、市民生活の場が大半の都市へ。しかもしかも、ヒロシマ、ナガサキの核兵器だけではない。軍事施設よりも一般市民の多い都市部へ数え切れない空爆を続けた。


 「新・世界の日本人ジョーク集」が刊行されたのは2017年12月10日で、過去10年間くらいのジョークを集めたといっている。このころのアメリカ大統領は黒人の血が入ったオバマ(在任2009~2017)。
 当時の火薬庫、中東はどうかというと、1990年に湾岸戦争があり、2003年にはイラク戦争があった。それ以外の紛争は数限りなくあり、各国の内紛もあり、イスラエルは常に紛争を起こしていた。
 イスラエルのユダヤ人は、ホロコーストを経験しているが、だからホロコーストは二度とあってはならない。ではなく、自分たちが二度とホロコーストにあわないように、危害を加える敵は徹底的にたたく。たとえそれが周りからホロコーストだといわれてもかまわない。第二次世界大戦やベトナム戦争のアメリカと同じことをくり返している。
 9.11は、2001年。
 世の中はなかなか変わらない。
 日本の国内も変わらない。Japan first が叫ばれてもおかしくない。外国のことよりも、まず国内だろう。能登半島はまだ苦しんでいる。


 日本人のうさばらしのようなジョークもある。こんな話を見て、日頃のいらいらを忘れられるかな。

 

●素朴な疑問
 アメリカ人のジョンは、日本製の目覚まし時計で起きると、日本製のバイクに乗って日系企業に出勤する。
 ランチをスシバーでとり、退社後にはカラテの道場へと通う。
 夜はリビングで日本のアニメを観た後、カップラーメンを食べ、スポーツニュースでイチローの活躍に胸を躍らせてから眠る。
 そして、彼はベッドの中でふとこう思うのだ。
 「第二次世界大戦で勝ったのは、本当に私たちだったのだろうか?」
 


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