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西野亮廣と岡林信康とお金の話

 発売初日に10万部突破という西野亮廣(1980~)の「夢と金」(幻冬舎)を読んだ。別に西野信者ではないが、「毎週キングコング」で紹介していて、おもしろそうなので買った(発売初日ではなかったけど)。
 相方の梶原雄太もそんなにおもしろいとは思わないが、梶原が変身したカジサックは好きだ。芸人やユーチューバーのヒカルとからむ動画はよく見る。そして西野と梶原が一緒になったキングコングはおもしろい。毎週ユーチューブで「毎週キングコング」を見ている。西川きよしだけではおもしろくなくても、横山やすしと一緒になったやすきよだと大笑いできるようなものだろう。(昭和感覚)



 閑話休題それはさておき、「夢と金」だ。金の話はネットを見てもAIが私にあんまり紹介してくれない。興味がないと思っているのだろう。
 本屋に行き、いつもは行かないコーナーに行くと、お金の本がたくさん並んでいる。株や投資の本だけではない。お金について学ぶ本が、こんなにあるのかと思うくらいたくさん出ている。知らなかった。自分のPC画面を見ているだけではこの現実を知ることはなかっただろう。
 狭い世界を見ているだけではわからない。本屋へ行き、全体を見ることによって知ることができた。

 「夢と金」には、五つのお金の使い方がまとめてある。「消費」「浪費」「投資」「投機」「貯金」の五つ。
 「消費」は生きていくための生活費だから除外する。残った四つのうち、日本の学校では「投資」「投機」を教えてくれない。お金の使い方は残った二つしかない。無駄遣いをする「浪費」か、今や利子がほとんどつかない「貯金」しかない。これでは夢を叶えるためにお金を増やすことができない。お金を増やす方法としてのクラウドファンディングやNFTも、言葉だけ聞いていたらわからないことだらけで、何やらあやしいものだと思ってしまう。それが、1冊の本になり、西野の説明を聞くとわかることが多い。



 本を読み始めてすぐ、フォークの神様と呼ばれた岡林信康(1946~)の「チューリップのアップリケ」が思い出された。

うちがなんぼはよ起きても/お父ちゃんはもう靴トントンたたいてはる♪
 靴職人の娘が、家を出て行った母親に、
チューリップのアップリケついたスカート持ってきて♪
と歌う。
 母親が家を出たのは「みんな貧乏が悪いんや♪」であり、「みんな貧乏のせいや♪」と歌う。
 お金だ。お金があればこんなことにはならなかった。お金がないから、母親と一緒に暮らしたいという「夢」もかなわない。
 毎月の生活費が足りず、おじいちゃんにガミガミ言われていた母親。「みんな貧乏が悪いんや♪」、「みんな貧乏のせいや♪」。実際にはその底に被差別部落への差別があるのだけれど。差別があるからお金が入らず、お金がないから生活が苦しく、いつまでも差別される。


 靴を作っているお父ちゃんは、一生懸命仕事をしても収入が増えない。お父ちゃんは普通の人がはく、普通の靴を作っているからだ。もし、このお父ちゃんの靴をブランド化できたら、もっと高い値段で売れる。同じ物が別の値段になる。「夢と金」にはそういう仕組みも説明してある。

 一時、貴乃花の息子が靴職人として脚光を浴びたが、今も靴を作っているのだろうか。
 一人で作るのではなく、他の靴職人を雇い、貴乃花の息子プロデュースで売り出せばブランド化して高く売れ、収入もあったはずだし、若い靴職人の雇用も確保できる。貴乃花の息子は(えーと、名前が出てこない)大きなビジネスチャンスを棒に振った。


 お金を増やすにはどうすればいいか。貧乏をなくすにはどうすればいいか、西野亮廣の本が新時代のヒントを与えてくれるだろう。


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