マドモアゼル プリヴェ展 めっちゃ嫌だった

いろんな素敵なもの観た記録がまったく書けていないのに、わざわざシャネルの マドモアゼル プリヴェ展 に行ったことを書くのはそれがまじでめっちゃ不快な時間だったから…

展示概要はなんか調べれば出てくるけども、色別に分かれた5つの展示室にシャネルのオートクチュール4体とバカラ製No.5の瓶とダイヤモンドジュエリーがちまっと展示されてるんですが。あと入ってすぐに階段があったり、最後ソフィアコッポラが本展のために編集した映像と、本展企画段階での装飾や色やのスケッチが展示されている。
30分毎の時間で予約が必要だが、観覧無料。観覧無料というところでまったく警戒していない訳ではなかったけど、時間で予約を取るのだから観やすい人数に入場を抑えてるんだろうと思っていた。が。
入場前に列に並んでる時点で嫌な予感がする。入場チケットはQRコードなのでその用意、本展専用アプリの取得確認、そのアプリを起動さすために会場スタッフからQRコードを読ませてもらう、スタッフの声に従ってアプリの導入部分の操作…という入場前のところだけでもうちょっとめんどくさい。難しいことはないが、全員が全員スムーズにできるわけでもなし。そしてこの列に並んでいる人たちの空気感…
これあれじゃん、偏差値低い学校の入学説明会とか集会とかと同じじゃん…もうしんどい。入場しましたが、まずスタッフの説明と誘導がうざい。壁に書いてある序文みたいなんも読めんでぞろぞろ階段をのぼらされる。この時点でぜんぜん関係ない雑談してる人等が多くいる。
2階着いてもまたスタッフが何人も居り、人もどう考えても多くて動きずらい。専用アプリで映像が見れたり、宮沢氷魚の声で音声ガイドが聞けたり、すんだけど、その操作もまどろっこしいしこんなごちゃごちゃした所で見たり聞いたりしてもなんも入ってこない。その音声ガイドはイヤホン持参が推奨されてるもののイヤホン無い人は別にそのままスピーカーで音流していいよ~ということで、あちこちから宮沢氷魚の声がかぶって聞こえる。始めはイヤホン片耳だけで音声ガイド流していたが、ぜんっぜん内容が入ってこないで観るのにも邪魔だから早々にアプリの操作はやめた。雑談している客もうるさい。でもこの場では静寂を保つべきなどと考えて運営はされていないことが良く分かり、私が認識が甘かっただけなのだ。くそ。くそすぎ。
カメラのシャッター音よ!!!!!!美術展などで一部撮影可能ゾーンがあるととにかく不躾なシャッター音の鳴り響くのに不愉快な思いをするが、本展はそれが全体にわたってである。まじで疑問。シャッター音たててばしゃばしゃ撮ったその粗末なデータたちは、おまえのなんになるのだ?
誰も静寂をありがたがることなく、音をたてまくり撮影をするばかりで、展示を観ようと思って来ている方が間違っているんだと分かる。くそだ。本当に、おまえがその撮影をすることで、一体なんになるのか?????????????????

展示物自体が見ごたえがあるものかというとそうでもないと思う。マドモアゼル プリヴェ展 - ガブリエル シャネルの世界へ と題するわりにはオートクチュールはカールラガーフェルド期のものが多いし、説明文でガブリエルのセンスを讃えながら展示室の内容はそれに沿っているように見えなかった。カールラガーフェルドによるオートクチュールは特に、マネキンに留めての鑑賞体験に向くものではないはずだ。あれらはランウェイで、動的なショーにこそ堪えるもの。
ジュエリーとNo.5の瓶の展示の仕方もあれは正解じゃない。人が少ないならまだいいのかもしれないが、壁にぴっちりくっついて狭い窓を覗くみたいにしないと見えないし、見えたところでそのジュエリーと瓶を同じ窓に収める意味何?ジュエリーはとくにもっと細部が観たいものだろうに。2つの取り合わせの説明もなされない(されてるのかもしれないがとても情報が入ってこないような設計)(音声ガイドがないと情報が得られないんだったんならそれもまじでどうかと思う)(ちょっと聞いた限り音声ガイドも大した内容言ってないなと感じた)(説明文もぺらいんだよな)
広報のやり方も良くないぞ。鑑賞させてくれるのかと思うじゃん。歴史をたどるのかと思うじゃん。くそ。シャネルの創造の源なんてなんも見えねえしよ。本展が立ちあがった経緯も他の開催地での様子がどんなもんだったのかも知らないが、私のなかのシャネルのブランドイメージはぼんやり悪くなってしまった。

シャネルスタジオ、アトリエ ルサージュ、この展示をつくった人々の手仕事は素晴らしい。それがよく見えるのが最後のスケッチのゾーンで、ここだけは良いなと思った。ここもシャッター音と雑談の声で溢れかえっていて酷いが。スケッチのエリアからワークショップをやっている方が少し覗けて、そっちにも装飾がかかった壁があるのだが、ここからワークショップエリアの撮影は可能かスタッフに訊ねる人があった。この壁だけなら可能ですよと返されたその人はかなり嬉しそうにしてばしゃばしゃ撮り始めたのだが、いやだから、おまえのその粗末な撮影はなにかになるのか…

どこでも鳴りまくっているからシャッター音に鈍感なんだろうと思うが、うるさいだろ普通に。周囲の人の集中を削ぐ。無音で撮れるアプリもいくらでもあるというのに。もしおまえがその撮ったものを何かに使うという場合、きっと加工をするだろ、だったら始めからそういうアプリのカメラで撮れよ、大概無音で撮れるんだから。その粗末な撮影に最高画質を求めるな

いや、本展で私がめちゃくちゃしんどい思いをしたことに関してはのこのこ行った私が悪い。勉強になった。鑑賞がしたいなら金を払う。静寂が欲しいなら金を払う。それに尽きる。
最後にお土産として冊子とポーチが貰えるのだが、金払うので普通に図録を作ってくださいという気持ち。

めったに行くこともないが天王洲アイルで気持ちのよい時間を過ごせたことが今のところ一度としてないな。

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