ジャパニーズイングリッシュの逆襲|30年越しのブックレビュー

「ジャパニーズイングリッシュの逆襲」

著者にいただいたサインとともに

この過激なタイトルはぼくが付けたわけではありません。

約30年前、手に取ったビジネス書のタイトルです。

英訳するなら、"Revenge of the Japanese English" でしょうか。

ビジネスで英語を使うために必要な心構えや考え方、英語レベルなどを教えていただいた本です。

今回は、ぼくの人生を変えてしまった一つの書籍との出会いと、実体験に基づく「貿易事務、貿易実務の実情と必要な英語力」を紹介したいと思います。

ジャパニーズイングリッシュの逆襲|30年越しのブックレビュー

今は「ホイチョン・プロダクションズ」と「ズ」が付けられるこの会社、1983年に「見栄講座」という書籍を出版し、ベストセラーになったそうです(当時は知りませんでしたが、のちに「私をスキーに連れてって」などを仕掛ける会社でもあります)。

それから数年が経った1990年ごろ。当時、ぼくは中学生でした。

近所の書店で、BOSE株式会社の佐倉住嘉(さくらすみよし) 代表取締役(当時)の著書「ジャパニーズ・イングリッシュの逆襲 '90年代のビジネスマンのためのサクセス英語道」という本を手に取りました。

その本の中(正確にはカバー。多摩大学名誉学長の野田一夫先生の推薦文)で、ベストセラー書籍「見栄講座」の中に「 BOSE 」 ブランドが登場するエピソードが紹介されていました。

「…どうすれば洒落たカフェ・バーが作れるかを講義することにしましょう。まず、何よりも大切なのは、店の天井から BOSE のスピーカーを吊るすことです。…」

この状況を作り上げたのは、著者の佐倉住嘉さんの功績であるとも。

黒い箱のようなスピーカーが天井から吊るされ、黒地に白いロゴで大きく 「 BOSE 」と描かれたスピーカーをぼくも飲食店などで目にするようになっていましたから、ピンときました。

「これは普通の英語の参考書ではない、仕事で使える英語とは何か、学んだ英語をどう使うかについて書かれている!! 」

そう理解したぼくは、親にねだってこの本を買ってもらい、以後、英語を学ぶモチベーションをこの本に求めることになります。

そして、いまでも手元にその当時の本があるのです。

2012年、佐倉さんが立教大学で講演を行われた際、裏表紙に直筆サインをいただきました。

ぼくは、いまだに時々読み返します。

「'90年代のビジネスマンのためのサクセス英語道」とサブタイトルがありますが、'20年代もぼくに英語道を示してくれています。

英語にほれても結婚をするな ~ 英語プラス何か

佐倉さんはこの書籍の中で、「英語にほれても結婚をするな」とおっしゃっています。

東京外大を出られている佐倉さんをして、そうなのです。

「一般的な職業を求める諸君は、英語プラス何か、で人より秀でるべきである。経理知識、電子工学、医学、何でもよい」と。

ぼくはその言葉に感銘を受けて、大学は理系の学部を選びました。結局、就職して数年はエンジニアでしたが、途中で営業に転向し、今はとあるメーカーで貿易実務と海外営業に従事しています。

社会人として20数年働いた今、ますます思いは強くなっています。

そして、その思いを一人でも多くの人に伝えたくて、ブログ(ビジタブル)を開設したようなものです。

英語x貿易実務、英語xIT、英語x会計、いずれも OJT(実務の中での学習) や独学で身につけられるレベルの知識や経験であっても、組み合わせれば、仕事で十分、役に立ちます。

「スキルの掛け算」の要点を述べられていた佐倉住嘉社長(当時)

少し前に流行った「スキルの掛け算」の基本が、この本ではすでに述べられていました。

スキルの掛け算:1/100 の希少価値を3回掛けると、100万人に1人の人材になれる、という主張

いわゆる「英語屋」になっちゃいけない、という主張のバックグラウンドとして。

今はインターネットがあるので、英語(英検2級~)x 貿易実務(初級) x 会計(日商簿記3級) x IT(ブログ運営程度)x 好きなもの(ダイエット器具やおもちゃなど、何でもいい)くらい揃えば、輸入代理店(エージェント)だって始めようと思えば始められるでしょう。

例えば、この SAMPLE のような SHIPPING INVOICE を Google スプレッドシートや Microsoft Online なら無料で作れます。(即席で作成した実に適当なサンプルですが、この程度の書類でもこの世界では通用しています)

TOEIC や 英検である程度、実績が出るようになったら、是非、実践でその力を何かと組み合わせて試して欲しいと思います。

そうすれば、「お金を払って英語を学ぶ」のではなく、「お金をもらいながら英語を学ぶ」ことができるようになります。

まとめ:せっかく英語が使えるようになったら

20年超、海外に関わる仕事をしてきて思います。

貿易実務、あるいはメーカーの海外営業、海外調達などでも、TOEIC 700 - 800、英検 2級 - 準1級 あるいは、もう少し低くとも、英語を使う仕事にチャレンジしていいんじゃないかな。英語が好きであれば。

あとは、その分野や商品に関する英単語や表現(貿易実務であれば、demurrage、FOB/CIFなど)を覚えていけば、ちょっとした専門家にすぐになれます。所属する企業、部署によっては、海外駐在にもチャレンジできるでしょう。

英語が武器になる時代ではない、という意見もあるかもしれませんが、それでも「英語を学ぶのが好き」「英語を使って仕事をしてみたい」といった気持ちは、一つの適正、才能と言えるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?